Booksコーナー
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Booksコーナーでは、小学校低学年から高学年までを対象とした読み物や、保護者の方向けの図書を、新刊中心に紹介しています。学習の合間などに、ぜひ読んでみてください。
『まだまだ ここから』
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- ◆宇佐美牧子=作
- ◆酒井以=絵
- ◆ポプラ社=刊
- ◆定価=1,540円(税込)
- ■対象:小学校中学年向け・小学校高学年向け
結果が出せなかったら がんばってきたことは 無駄になっちゃうの?
スイミングスクールに通う蓮は、特訓生になるための検定試験を受けて不合格になります。弟の凛は、低学年のほうが特訓生に選ばれやすいためか、合格しました。「自分は猛練習したのに、凛は特別な練習もせずに受かった。今までのがんばりって何だったんだろう」と、蓮はやり切れない思いを抱えます。そんなとき知ったのが、市主催の期間限定の水泳教室です。インターハイ3位の経験者が指導するというので申し込みますが、インストラクターは「春さん」という白髪の女性でした。「こんなおばあさんに指導なんてできるのかな」。蓮は首をかしげるのでした。
視線の向け方、水とのかかわり方、呼吸に対する考え方。スイミングスクールとは違う、春さんの異次元の指導ぶりが魅力です。「がんばったのに、またうまくいかなかったらと思うと怖い」。そうつぶやく蓮に春さんは言います。「物事はそんなに単純じゃない。いろいろ感じていろいろ考えて、いろいろ気づく。そういうものだよ」。水泳教室で出会った2人の少年と友だちになっていく過程も描かれ、コーチや仲間、家族との交流を通して、「がんばった」先にあるものに気づいていく蓮を描きます。「努力は無駄にはならない」とよく言われますが、それがどういうことなのかをていねいに描いていく物語です。
『せみのみんちゃん うまれたよ!』
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- ◆たけがみたえ=作・絵
- ◆須田研司=監修
- ◆童心社=刊
- ◆定価=1,430円(税込)
- ■対象:幼児向け・小学校低学年向け
アブラゼミの一生は びっくりすることだらけ
雨が上がった夏のはじめ。地面にセミの赤ちゃんがぽとんと落ちてきました。みんちゃんです。みんちゃんは土を掘ってもぐっていきます。これから長い間、木の根っこの汁を吸いながら、土の中で暮らすのです。
かわいらしい絵とともに、アブラゼミの一生をたどる絵本です。何年もかけて大きくなり、大人になったら1か月ほどで死んでしまうセミ。どうやって大きくなって、どうやって移動して、どこで卵を産むのでしょうか。虫の赤ちゃんが成長して卵を産むまでを描く「むしのたまごシリーズ」の6作目です。
『おひるね してるの?』
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- ◆オリヴィエ・タレック=作
- ◆石津ちひろ=訳
- ◆あすなろ書房=刊
- ◆定価=1,760円(税込)
- ■対象:幼児向け・小学校低学年向け
動かないクロツグミを みんなずっと見ていた
ぼくはリス。ぼくの楽しみは、きのこのポックと切り株に座って鳥を眺めること。それに飽きたら、原っぱに行ってクロツグミの歌を聞きます。でも今日はクロツグミはいません。探したら、思いがけないところで静かに寝ていました。そばに座って、目が覚めるのを待ちました。でもクロツグミは起きません。
クロツグミの命の終わりを、森の生き物たちが見守る物語です。ユーモラスな絵と優しい語りが、命の終わりを温かく包みます。親子で一緒に読んで、命のいとおしさに思いをはせたい、味わい深い作品です。
『ぼくへのレファレンス』
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- ◆岩崎まさえ=作
- ◆黒須高嶺=絵
- ◆国土社=刊
- ◆定価=1,650円(税込)
- ■対象:小学校中学年向け・小学校高学年向け
記された歴史の裏側に 語り継がれた真実がある
学校の職場体験で市民図書館に来たリョウ。独りでカウンター実習をしていると突然、目の前に着物を着た男の子が現れました。その子は「調べてもらいたい」と言って、謎の記号を書き残して去っていきました。「えっ!?誰!? 何を調べろって!? 」
歴史の表舞台には出てこないけれど、地元の人たちの心に深く刻まれ、語り継がれてきた史実があります。舞台は、江戸時代に南部藩の城下町だった岩手県盛岡市。謎の少年の登場をきっかけに、一揆がひんぱんに起こった時代の史実と、庶民の思いを掘り起こしていく主人公を描きます。
『台所探検家、地球の食卓を歩く』
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- ◆岡根谷実里=著
- ◆WAVE出版=刊
- ◆定価=1,980円(税込)
- ■対象:小学校高学年向け・一般向け
ところ違えば食卓も違う 当たり前の食べ方はない!
ペルーのアンデス高地では、ジャガイモを凍らせて水分を抜き、フリーズドライにします。そうすれば10年間も保存できます。一方、世界一のジャガイモ輸出国、オランダでは手間をかけません。さまざまにカットされたジャガイモが売られていて、それを買って帰ってオーブンに入れれば、ジャガイモ料理の出来上がりです。
同じ食材でも、ところ変われば食べ方も変わります。そんな食材と人とのかかわりから世界各地の暮らしを紹介します。とけるジャガイモ、ディナーの主役のニンジンなど、知っている食材の知られざる姿が見られます。
『渋幕だけが知っている
「勉強しなさい!」と言わなくても
自分から学ぶ子どもになる3つの秘密』-
- ◆佐藤智=著
- ◆飛鳥新社=刊
- ◆定価=1,760円(税込)
- ■対象:保護者向け
この校風、この授業が「自調自考」を育てる
千葉県の名門、渋谷教育学園幕張中学校・高等学校。難関校として知られ、入学後も学習の量とスピードが求められると思われがちです。しかし中1・2の授業で大事にされているのは「急がない」こと。量を教え込む手っ取り早い勉強では、渋幕の理念「自調自考」の力は育てられないからです。
現地集合・現地解散の校外研修、失敗の経験を重んじる理科の実験、英語が飛び交う帰国生との交流など、学校生活の実際を紹介しながら、渋幕の教育メソッドを紹介。みずから学ぶ力を育てるために、家庭でできるヒントが詰まっています。
『きかんしゃ1414』
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- ◆フリードリヒ・フェルト=作
- ◆赤坂三好=絵
- ◆鈴木武樹=訳
- ◆偕成社=刊
- ◆定価=1,320円(税込)
元気をもらいたいときに 読んでほしい 味わい深いファンタジー
西宮北口校・住吉校 校舎責任者子どものころにすり切れるほど読んだ本です。汽車の話が大好きで、また当時としては珍しかったのでしょう。途中に2〜3ページ挟まっていたカラーの挿絵も好きで、眺めては想像を膨らませていました。
主人公は「1414」と呼ばれる機関車です。長く同じ仕事を続けたせいで、心が疲れた「1414」が、人生で初めて休みをもらって旅に出て、リフレッシュしてまた働き出す、そんなお話です。わかりやすいストーリーで、旅の途中で出会った少年を助けるために、はらはらどきどきの冒険もします。そこはファンタジーならではのおもしろさですが、一味違うのは、「1414」がおじいさんという設定です。若者が主人公なら、「勇気を出して困難なことをしてがんばった」みたいなことになります。でもおじいさんなので、そういうよくある展開とは一味違う、味わい深い作品になっています。
心が疲れてしまうことは大人でなくてもあります。誰しも毎日、同じことをやっていると疲れたり飽きたりします。そういうときにちょっと目線を変えて広い世界を見たり、違うところに行ってみたりする時間を持つ。そうやって心を元気にするのは大事なことです。ひらがなが多く、漢字にはすべてふりがなが付いているので、1年生でも楽しんで読めると思います。父親の代から「1414」に乗り続けている思いやり深い運転士、病気の妹のために特別な花を探している少年など、心優しい人たちが登場するほっこりするお話です。気分が乗らないときに読んでみませんか。元気をもらえますよ。
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