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『みかんファミリー』
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- ◆椰月美智子=作
- ◆講談社=刊
- ◆定価=1,760円(税込)
- ■対象:小学校高学年向け
二つの家族が 一つ屋根の下で暮らすと 一つの家族になる? ならない?
中1の美琴は両親が離婚したため、母と祖母の3人で暮らしています。それはある夏の日のことでした。母が突然、友だちと共同で買った古民家にみんなで引っ越して、友だち一家と共同生活をすると言い出します。あちらも、友だちの朱美さんと、その娘と子どもの3人家族です。だからといって見知らぬ人といきなり一緒に暮らすなんて。納得がいかないまま迎えた引っ越しの日、朱美さんの孫娘に初めて会った美琴はびっくり。なんと隣のクラスの野々花でした。野々花は学校ではいつも独り。生き物が好きでヘビでも虫でも平気で捕まえられるので、変わり者と思われています。その母親の優菜さんも不愛想で、へそ出しファッションで授業参観に来るようなギャルだったのです。
そんな3人とのぎくしゃくした共同生活は、美琴にとってはストレスフルなものでした。でも家計を支える母には逆らえません。それにしてもなぜ急にこんな生活を始めたのか、母がはっきり理由を語りたがらないことが気になる美琴でした。
血のつながりのない二つの家族が一つ屋根の下で暮らし、少しずつ家族になっていくまでを描きます。美琴と野々花、美琴と優菜、祖母と野々花、祖母と優菜、それぞれのやり方でお互いが少しずつ距離を縮めていく過程が、読む人の心を温かくします。家族の形はいろいろです。一緒に住めば家族というわけではありませんが、一緒に住めば家族の新しい形が生まれることもあるのかもしれません。家族とは何なのでしょうか。中学入試頻出作家の作者が問い掛けます。
『はじめてのクリスマス』
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- ◆マック・バーネット=文
- ◆シドニー・スミス=絵
- ◆なかがわちひろ=訳
- ◆偕成社=刊
- ◆定価=1,760円(税込)
- ■対象:幼児向け・小学校低学年向け
クリスマスがないサンタのために用意した、 特別なクリスマスとは?
クリスマスイブに世界中の子どもたちに、おもちゃを配って回るのはサンタクロースです。でも彼自身はどんなクリスマスを過ごしているのでしょうか。気になったシロクマはサンタのお手伝いをしているエルフたちに聞きました。「クリスマスの日はちょっと朝寝坊して、起きたらまた次のクリスマスのためのおもちゃづくりをするだけだよ」。さびしいクリスマスなのです。
クリスマスの楽しさを知らないサンタのために、シロクマとエルフたちが最高のクリスマスをプレゼントするお話です。サンタは初めてのクリスマスをどんなふうに祝うのでしょうか。その日が来るたびに読みたくなる心温まる絵本です。
『空となかよくなる 天気の写真えほん くものなまえ』
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- ◆荒木健太郎=文・写真・絵
- ◆金の星社=刊
- ◆定価=1,540円(税込)
- ■対象:小学校低学年向け
雲の名前がわかれば 天気の変化がわかる 写真で比べる10種類
空を見上げると、日によっていろいろな雲に出合えます。空が晴れて日差しが強くなったときに見られる、綿あめみたいな雲は「積雲」です。その背丈がどんどん高くなって、頭の部分が横に広がって大きくなったら、それは「積乱雲」。雄大でかっこいい雲ですが、積乱雲は別名は雷雲で、その真下では土砂降りの雷雨になっているのです。
巻雲、高積雲、積乱雲など、10種類の基本形の雲の特徴を、美しい写真とともに紹介します。雲は風の流れや湿度の変化などによって、どんどん形を変えています。見上げた空にある雲は、そのときしか出合えないものなのです。そんな雲のおもしろさ、不思議さが実感できます。
『ぼくがぼくに変身する方法』
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- ◆やませたかゆき=作
- ◆はせがわはっち=絵
- ◆岩崎書店=刊
- ◆定価=1,430円(税込)
- ■対象:小学校低学年向け・小学校中学年向け
サンダー仮面に変身して やっつけてやるんだ! ぼくはベルトを腰に巻いた
町内のフリーマーケットで、サンダー仮面の「変身ベルト」を手に入れたタクミ。「4年生にもなって」と笑われるので隠してはいますが、タクミはサンダー仮面が大好きなのです。ところが家に帰る途中、いじめっこの星野が、タクミの変身ベルトを見てからかい、ベルトを壊しそうになります。サンダー仮面だったら、星野なんてやっつけてやれるのに。悔しさが込み上げるタクミでした。
あこがれのヒーローに変身する夢がかなった主人公が、あたふたしながらも身近な正義のために大奮闘。「変身!サンダー仮面!やあーっ」。意外に決まっているタクミの変身ポーズが見逃せません。福島正実記念SF童話賞大賞受賞作。
『ときの鐘』
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- ◆小林豊=作・絵
- ◆ポプラ社=刊
- ◆定価=2,200円(税込)
- ■対象:小学校低学年向け・小学校中学年向け
初めて会った異国の人 江戸の町は世界につながっていた!
まだ時計が広く使われていなかった時代。江戸の町には時を告げる「ときの鐘」がありました。高い鐘楼からは江戸の町が見渡せます。町では今、長崎から来たオランダ人がもたらした、珍しい物の話でもちきりでした。そんなある日、新吉はふとしたことから、ヤンというオランダ人と知り合います。ヤンは新吉に世界地図を見せてくれました。
新吉が初めて会った異国の人と、小舟に乗って江戸の町を巡ります。築地、佃島、渋谷…、日本橋しか知らなかった新吉は、江戸の町が新鮮に見えました。響き渡る「ときの鐘」と、江戸の町々を縫うように伸びる川と運河。情緒豊かな絵が、日本に、世界に、目が開かれていく新吉の姿を描き出します。
『介護の花子さん』
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- ◆あさばみゆき=著
- ◆Gakken=刊
- ◆定価=1,210円(税込)
- ■対象:小学校高学年向け
「向いてない」 と言われても、わたしは この仕事を続ける!
就活に苦戦して内定ゼロのまま大学を卒業した花。手当たり次第に応募し、ようやく決まった仕事は、高齢者向け集合住宅のケアスタッフでした。介護とはどんな仕事かもわからず出勤した花は、施設の細かい規則をのみ込めず失敗ばかり。お調子者で笑顔だけが取り柄でしたが、入居者に嫌われて落ち込み、早々と転職を考えるのでした。
厳しくもあり優しくもある職場の先輩たちや、それぞれに事情を抱える、個性豊かな入居者たちに囲まれ、さまざまな出来事が起こるなかで、花は「この人のために」と思って突っ走ります。失敗と反省を繰り返しながら、介護の仕事が花にとって「人生の花を咲かせる場所」になるまでを描きます。
『マンガと図鑑でおもしろい! わかるノーベル賞の本』
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- ◆うえたに夫婦=著
- ◆大和書房=刊
- ◆定価=1,760円(税込)
知ってほしい 人類に貢献する科学が 身近にたくさんあることを
大宮校 校舎責任者わくわく惑星からやってきた宇宙人、メダルくん。彼には「地球にあるノーベル賞を99個見つける」というミッションがありました。さっそく研究所のハカセやケンくんたちと一緒に、身近なものから探し始めました。手始めに探したのは「人体」です。メダルくんのデジタル図鑑にケンくんが触れると、たちまち図鑑がケンくんの体に反応して、ページにノーベル賞に関係するものが浮かび上がりました。筋肉・免疫・血液・DNAなど、15個ものノーベル賞が見つかりました。
こんなストーリーで、ノーベル賞に関係した研究や技術をわかりやすく紹介してくれる本です。メダルくんたちは、人体の次にキッチンに行きます。キッチンにもパン・コレステロール・ビタミンCなど、たくさんのノーベル賞が見つかります。このほか「街の中」「病院」「自然の中」などに出掛けて探します。興味のあるところから読んでいけばいいと思います。
扱っているのは自然科学にかかわる「物理学」「生理学・医学」「化学」の3賞です。たとえばX線の発見。これがあったからこそ、病院でレントゲンを撮って骨折したかどうかがわかるのです。リチウムイオン電池もそうです。これがなければスマートフォンがこんなに小型化することもなかったでしょう。難しそうに見える研究ですが、ふだんの生活にとても役立っていることがよくわかります。
お話のなかに出てくる研究は、それぞれ後半の「ノーベル賞図鑑」でわかりやすく説明されています。なかには研究の成果が発表されてから受賞するまでに50年以上かかったものもあります。そんな受賞までにかかった年数も、キャラクターの違いでわかるようになっていて楽しく読めます。
著者は、子どもたちが科学を好きになってくれることを願って、イラストを使った科学の楽しい本を書いているご夫婦です。同じシリーズで『わかる元素の本』も刊行されています。こちらは理科好きの人にお薦めです。
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