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『嘘吹きアンドロイド』
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- ◆久米絵美里=作
- ◆PHP研究所=刊
- ◆定価=1,650円(税込)
- ■対象:小学校高学年向け
「心」だなんて こっ恥ずかしくて言えない でも人間とAIの違いって何?
「田中くんってアンドロイドなんだって。知ってた?」ある日、理子は幼なじみの鞠奈に言われてびっくり。隣のクラスの田中瑠卯、通称ルーは男女どちらからも好かれる快活な美少年。そのルーが、「自分は高機能AIを搭載したアンドロイドだ」と、SNSに投稿しているというのです。正義感の強い理子は、なぜルーがそんなうそをつくのか気になり、ペットを見せてもらうという口実で鞠奈と一緒にルーの家に行くことにします。家に行けば、アンドロイドのふりをしている理由がわかると思ったのです。でもルーは家でも終始笑顔で、開発者が自分を「瑠卯」と名付けた経緯や、アンドロイド宣言した理由を話して聞かせるのでした。
理子はルーに関する疑問を、知り合いの錯に相談します。錯は、息を吹きかけることで物事の真偽を見抜く特殊能力を持つ少年で、学校に行かず、いつもその高いITスキルを使って自室にこもって何かを作っています。この二人の少年がことあるごとに語る、AIやアンドロイドの話がおもしろく、答えの出ない問いがたくさん出てきて引き込まれます。
人間とAIの違いは何か。物語の終盤でその答えを錯が語るとき、理子は「ロボットに心はあるのか」という言い古されてきた問題を、錯とルーが逃げずに考え続けていたことに気づきます。「アンドロイド? AI? 人間? 考えすぎだ。助けたいから助けに行く」。ルーを取り巻く問題が明らかになり、彼を救うにはどうしたらいいか、皆が悩むなか、まっすぐな理子の正義感が力を発揮します。
『図書館のぬいぐるみかします』
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- ◆シンシア・ロード=作
- ◆ステファニー・グラエギン=絵
- ◆田中奈津子=訳
- ◆ポプラ社=刊
- ◆定価=1,430円(税込)
- ■対象:小学校低学年向け
忘れられていた人形が 図書館で始めた第二の人生 新しい友だちは見つかる?
アイビーは、アンが子どものころ大好きだった人形です。アンが大きくなってからは、屋根裏の箱の中にしまわれていました。ある日、アンは箱の中からアイビーを出して、自分が働く図書館に持っていきました。図書館には、本のように借りられる「ブックフレンド」いうぬいぐるみたちがいるので、アイビーをその仲間にしようと思ったのです。
アイビーはさっそく、ファーンという女の子に貸し出されます。でもファーンは「わたし、人形遊びなんかしないのに」と、アイビーを借りたくない様子です。アイビーは、ファーンと仲良くなれるのでしょうか。女の子と図書館の人形が、それぞれの居場所を見つける物語です。
『鳥がおしえてくれること』
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- ◆鈴木まもる=文と絵
- ◆あすなろ書房=刊
- ◆定価=1,760円(税込)
- ■対象:小学校低学年向け
家の作り方も、ダンスや子育ての方法も 鳥は人類の先生だった!?
大昔、まだ人類が誕生して間もない時期。人々は狩りや漁をし、ほら穴などで生活していました。やがて草を集めて家をつくるようになりました。それは草を集めて巣を作っている鳥を見たからかもしれません。実際、セアカカマドドリという鳥は、土に枯れ草を混ぜて壊れにくい巣を作ります。この鳥は、人間が丈夫な家をつくる手本にするよう、神様が世界につかわしたと言われています。
服を作ることも、ダンスや子育てのしかたも、鳥が教えてくれたかのように思えるところがあります。そして今、絶滅した鳥たちは、自然を守る大切さを教えてくれています。鳥の巣の研究家でもある絵本作家が贈る、ユニークな絵本です。
『ぼくのなかみは なにでできてるのか』
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- ◆かさいまり=作
- ◆おとないちあき=絵
- ◆金の星社=刊
- ◆定価=1,595円(税込)
- ■対象:小学校低学年向け・小学校中学年向け
悔しくても何も言えないぼく 「どうせ明日も同じだ」 でも本当にそう?
1年生のとき、教室でおしっこを漏らして笑われて以来、からかわれることが多いはると。クラスにはもう一人、よくからかわれるやすくんがいます。やすくんは、からかわれても気にしていないようです。でもはるとは、からかわれると何も言い返せず、悔しくても頭にきても笑って我慢してしまうのです。
「ぼくの中身は弱虫と泣き虫でできている」。悩むはるとに、お母さんは言います。「はるとは強い子だね。自分のことをちゃんと見てる。それは強いからできるんだよ」。やがてやすくんの転校をきっかけに、はるとは大きな一歩を踏み出します。自分の中に少しずつ、違う中身が増えてくることを感じます。
『捨てられる魚たち』
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- ◆梛木春幸=著
- ◆講談社=刊
- ◆定価=1,430円(税込)
- ■対象:小学校高学年向け
漁獲した魚の3割が廃棄! 理不尽な現実に 立ち向かう料理人がいた!
漁獲された魚のうち、捨てられるなどして市場に出回らない魚を「未利用魚」といいます。実は世界では漁獲した魚の約3割が、売る価値のない未利用魚として捨てられています。売れない魚を、経費をかけて市場に出すわけにはいかないのです。料理人だった著者はその事実を知り、何とかできないかと思いました。そしてできたのが、火山灰を使って乾燥させた未利用魚を使った「桜島灰干し弁当」でした。
なぜ魚は捨てられるのか。日本の漁業を守るにはどうしたらいいのか。海の生態系を守るにはどうしたらいいか。この問題に正面から取り組んだ著者が、自身の活動体験を語りながら、子どもたちにも考えてほしいと訴えます。
『縄文時代を解き明かす 考古学の新たな挑戦』
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- ◆阿部芳郎=編著
- ◆岩波書店=刊
- ◆定価=1,034円(税込)
- ■対象:小学校高学年向け
人類学、植物学、動物学 研究成果を結集すれば 見えてくる縄文人の生活
縄文土器というと、縄目模様などが施された芸術品のような土器を思い浮かべます。でも発見された縄文土器の大半は、すすやおこげが付着していて、煮炊き用として使われていたことがわかっています。では何を煮炊きしていたのでしょうか。縄文時代の人は何を食べ、どんな生活を送っていたのでしょうか。
かつての考古学は、石の矢じりや骨の釣り針など、出土した道具を中心に研究していました。しかし、現代の考古学はさまざまな方向から研究します。たとえば縄文人の骨の成分を調べれば、食生活がある程度推定できるのです。研究者たちがそれぞれ自分の研究を紹介しながら、考古学は「総合学」なのだと教えてくれます。
『知りたいこと図鑑』
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- ◆みっけ=著
- ◆KADOKAWA=刊
- ◆定価=1,870円(税込)
用語、記号、種類… 「知らなかった」が満載 覚えるより楽しんでほしい
町田校 校舎責任者皆さんは時報を知らせる電話番号を知っていますか。実は「教科書」がすでに略されたことばであると聞いたら、驚く人が多いでしょう。この本は、暮らしの知識から、知る人ぞ知るマニアックなことまで、知りたいこと、覚えていると役立つことを広く教えてくれる本です。たとえば「洗濯表示」。衣類についている洗濯方法を示したマークで、実にたくさんのマークがあります。これを見て「じゃあ自分の服を調べてみようか」と、おうちの方と一緒に確かめてみても楽しいでしょう。「大人も知らなかった」というマークもきっとあると思います。
算数・国語・理科・社会の4教科に含まれる内容、たとえば地図記号や同音異字、あるいは「円周率」「近代の年号」「臓器の位置とはたらき」など、覚えておくと中学受験に直接役立つものもたくさんあります。「元素記号」や「パソコンのショートカットキー」などは、中学・高校生になってから役立つと思います。
「覚えなさい」というと気が重くなるようなことも、この本なら、たとえば「徳川15代将軍」のページでは、親しみやすい自動販売機のイラストで紹介してくれるなど、読むのが楽しくなるようなモチーフやデザインで見せてくれるので、気軽に読んで自然に身につくと思います。
おしなべて最難関校に合格する子や在籍する生徒は、一見無駄と思えるような知識を持っているものです。
身近なところに置いて、勉強のちょっとした合間などに絵本感覚で読んでください。低学年でも楽しめますし、大人の方が読んでも発見があります。また、親子一緒にページをめくれば話がふくらむでしょう。楽しく読みながら知識の幅を広げ、知的好奇心を育んでいただければ幸いです。
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