Booksコーナー
※お好きな本のタイトルをクリックして下さい。その本に関する内容が、表示されます。
掲載月一覧 | 2024年9月|2024年8月|2024年7月|2024年6月|2024年5月|2024年4月| 2024年3月|2024年2月|2024年1月|2023年12月|2023年11月|2023年10月 |
Books目次へ△ |
---|
『ブルーラインから、はるか』
-
- ◆林けんじろう=作
- ◆坂内拓=絵
- ◆講談社=刊
- ◆定価=1,540円(税込)
- ■対象:小学校中学年向け・小学校高学年向け
生意気な下級生と しまなみ海道を走破!? 何も起こらないわけがない!
広島県尾道市に住む庫汰郎、通称コタは、両親がけんかばかりしていて家にいたくないため、夏休みは毎日、図書館で過ごしています。そこで出会ったのが同じように毎日図書館に来ている風馬です。コタより2歳年下なのに、コタを「キミ」呼ばわりする生意気な少年で、最初にコタが話し掛けたときなど、「うるさいっ」と突っぱねてきました。そんな風馬がある日、「自由研究に付き合ってほしい」という謎の依頼をしてきました。自由研究とは、瀬戸内のしまなみ海道を今治まで自転車で走破するというものでした。
親しくもない、感じの悪い年下の小学生と、全長70kmのサイクリングコースの往復走破に挑むのだから、何も起こらないはずがありません。そもそも風馬の自転車はクールなクロスバイクなのに対し、コタは母親の赤いママチャリ。かっこ悪いしスピードも出ないし、コタは自分でもなぜこんなことに付き合っているのかわからなくなります。でも風馬には自由研究の名を借りたこの挑戦に、別の大きな目的がありました。
体力だけが自慢の6年生のコタと、賢くてしっかり者の4年生の風馬。対照的な2人のやりとりがおもしろく、コタの尾道弁と軽いボケが物語のアクセントになっています。トラブル続きの道中を経てようやく今治に到着し、そこで初めて風馬の目的を知ったコタ。自分の弱さを知ったうえで立ち向かっていく風馬を見て、本当はそのがんばりをほめたかったのに、「おまえのチャリは、ほんまええチャリじゃの」としか言えないコタ。全編にコタの優しさがにじみ出ています。
『ちきゅう 地底のなぞを掘り出せ!』
『深海ロボット 海のふしぎを調べろ!』-
- ◆『ちきゅう』山本省三=作、ハマダミノル=絵
- ◆『深海ロボット』山本省三=作・絵
- ◆くもん出版=刊
- ◆定価=各1,650円(税込)
- ■対象:小学校低学年向け・小学校中学年向け
見よ!地球の謎を掘り起こす 海底と地底のマシンたちの すごさを!
深い海底やその下の地層には、地球の謎を明らかにする手掛かりがたくさんあります。たとえば、海底の奥深くにある泥にいた生き物や化石を調べれば、大昔の地球の様子を知るヒントが得られます。地震後に深海に掘った穴から断層の温度を調べれば、地震が発生したときの断層の様子がわかります。深海の海底を探れば、貴重な金属が含まれる宝の山が見つかることもあります。
地球の内部を探る地球深部調査船「ちきゅう」、危険な場所の調査が得意な深海ロボット「かいこう」など、深海と地底で活躍する海のマシンたちを紹介するシリーズです。迫力ある絵とわかりやすい説明で、日本が誇るマシンたちのすごさが伝わってきます。
『小学生のくらしと税金&社会保険』
-
- ◆さんきゅう倉田=監修
- ◆なのなのな=漫画・イラスト
- ◆主婦と生活社=刊
- ◆定価=1,595円(税込)
- ■対象:小学校低学年向け・小学校中学年向け・小学校高学年向け
学校も公園も病院も 小学生の生活だって 税金が支えている
税金というと、小学生にはあまり関係のない話のように思えます。でもそんなことはありません。学校で勉強ができるのも、病院で治療が受けられるのも、近所の公園で遊べるのも税金があるからです。
「税金とは何か」「なぜ税金を払わなければならないのか」「税金は何に使われているか」「税金は誰が決めているのか」「社会保険とは何か」など、税金と社会保険の基本について、元国税局勤務のお笑い芸人が、漫画やイラストを使って、子ども目線でわかりやすく教えてくれます。読めば税金を知ることは社会を知ることだとよくわかります。さらに深く学びたい人向けに、ワークシートも付いています。
『トクベツキューカ、はじめました!』
-
- ◆清水晴木=作
- ◆いつか=絵
- ◆岩崎書店=刊
- ◆定価=1,540円(税込)
- ■対象:小学校中学年向け・小学校高学年向け
1年に1日だけ、好きな日に 学校を休めるなら どんな日に休む?
その小学校には、1年のうち1日だけ好きな日に学校を休んでいいという特別休暇の制度があります。好きな場所に行ったり、家族や友だちと過ごしたり。その日は何をするのも自由なのです。そんな「トクベツキューカ」をめぐる五つの物語を収めた連作短編集です。
たとえば、寒さが苦手なため、雪の日に休もうと決めていた子もいれば、親友と自転車で東京をめざそうとする子もいます。特別休暇を大事に使おうと思ううちに、それまで休みがちだった学校を休まなくなった子もいます。5年生の冬から始まり、次の冬で終わる、特別な一日をめぐる物語。そのラストには、最初の物語の場面が鮮やかによみがえり、さわやかな感動を呼びます。
『アップサイクル! ぼくらの明日のために』
-
- ◆佐藤まどか=作
- ◆ポプラ社=刊
- ◆定価=1,760円(税込)
- ■対象:小学校高学年向け
古き良き明日のために ぼくたちが始めた わくわくするプロジェクトとは
幼なじみの紫月、転入生の王ちゃんと共に、社会科のグループ研究に取り組むことになった丈。紫月の姉で発明家の茜が、古いカーテンからおしゃれなトートバッグを作ったのを知って、「アップサイクル」をテーマにすることに決めます。3人はさっそく古い黒板を使ってテーブルの試作品を作りますが、廃棄物の入手、運営費の調達など、問題は山積みでした。
「アップサイクル」とは、捨てられるはずのものに、新しいアイデアを加えて、違う使い道のものとして生まれ変わらせること。中学生たちの現実味がなかった取り組みが、議論と試行錯誤を繰り返しながら、少しずつ社会とつながる形あるものになっていきます。
『悪いことはなぜ楽しいのか』
-
- ◆戸谷洋志=著
- ◆筑摩書房=刊
- ◆定価=880円(税込)
- ■対象:小学校高学年向け
「悪いこと」について きちんと考えてみると 見えてくるものがある
禁止されていることをついやってしまったとき、わくわくしたり楽しくなったりした。そんな経験がある人は少なくないでしょう。いけないことだとわかっていても、そんな気持ちになるのはなぜでしょう。その理由がわからなければ悪いことは避けられません。「悪いことを考えることは、結果的に良いことを考えることになる」と著者は言います。
「自己チュー」「意地悪」「復讐」「自傷行為」「空気を読まないこと」「反逆」の六つの「悪いこと」を取り上げ、楽しい理由を探っていきます。著者の学生時代の経験や名作からの引用など、具体例を用いた説明はわかりやすく、ちょっと変わった入り口から入る倫理学の入門書となっています。
『「サザエさん」の昭和図鑑』
-
- ◆AERA編集部=編集
- ◆朝日新聞出版=刊
- ◆定価=1,650円(税込)
頭を柔らかくして 楽しく「社会」を学べる 「昭和」が詰まった一冊
巣鴨校 校舎責任者サピックスの授業では、何かを説明するとき、よくたとえ話を出して説明します。社会科では、たとえば歴史の摂関政治を説明するときなど、サザエさんの家族構成を例に出すこともあります。昔の生活スタイルや働き方の変化についても、「サザエさんでこういうのがあるでしょ?」なんて言うと理解しやすいように思います。でも最近はサザエさんを知らない子どもたちが増えてきて、ちょっと残念です。
サザエさんの漫画には、昭和の時代を生きる人々の生活ぶりや考え方、起こった事件や世相が色濃く反映されています。この本ではそれを日用品、事件、生活習慣、仕事、遊び、食べ物などの項目別に分け、1ページ1テーマで、関連する4コマ漫画を二つずつ掲載しています。といっても皆さんが知らないものも多いと思いますから、最初は「これってなんだろう」と自分がわくわくするものから読むといいでしょう。漫画の下に関連する写真と説明文が出ていますが、できれば先に説明を読まず、漫画を見てちょっと考えてみてください。オチがわからなければ、家の人と一緒に考えてみても楽しいと思います。
1ページの中で漫画を楽しんだり説明を読んだり写真を見て納得したり。これは歴史を勉強するときのヒントにもなります。文字だけのノートもいいですが、自分で絵を描いて説明を加えてみる、あるいは地図を描いたり資料を写したりしてみる、自分だけの「オリジナルノート」は、中学受験に向けての「お守り」になるでしょう。
この本に出てくるものには、今はなくなってしまったものがたくさんある一方、形を変えて残っているものもあります。そこから「今あるもので何が30年後、50年後に残っているのかな」なんて考えてみてもおもしろいと思います。絵が描けるなら、最近はやりのものをテーマに、4コマ漫画を作ってみてはどうでしょう。机に向かって文字を読むばかりが勉強ではありません。頭を柔らかくして、楽しく勉強してほしいと思います。
◎学校関連リンク◎
◎人気コンテンツ◎