Booksコーナー
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Booksコーナーでは、小学校低学年から高学年までを対象とした読み物や、保護者の方向けの図書を、新刊中心に紹介しています。学習の合間などに、ぜひ読んでみてください。
『長浜高校 水族館部!』
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- ◆令丈ヒロ子=作
- ◆紀伊カンナ=絵
- ◆講談社=刊
- ◆定価=880円(税込)
- ■対象:小学校高学年向け
高校のクラブで水族館!? 研究活動もやれば
人気の魚ショーもやります!
愛媛県立長浜高校には全国でも珍しい「水族館部」があります。校内で水族館を運営し、月に一度、一般公開もしているのです。特にハマチが輪くぐりをするハマチショーは大人気です。部長は2年生の井波あきらです。1年前の4月、あこがれの水族館部に入ったときは、担当の生き物の餌やり、水槽の清掃と水替え、水温や照明の管理など、やることが多くてびっくりしました。それでも大好きな生き物たちに囲まれて充実した毎日を送っていたのですが…。
水族館部は生き物の世話をするだけではありません。繁殖班、研究班、イベント班に分かれて班活動もしています。研究班には日本学生科学賞で入賞した部員もいてハイレベル。とはいえ相手は生き物なので、いくらがんばって繁殖や研究に取り組んでも、思うようにいくとは限りません。繁殖用のプランクトンが増えなかったり、研究の実験材料が手に入らなかったり、人気者の魚が死んでしまったり。次々と困難が降りかかるなか、部員たちの気持ちにも行き違いが生まれます。あきらたちはどう乗り越えていくのでしょうか。
実在する高校の水族館部の活動を、事実をもとに小説化しています。一時は応募者不足で学校存続の危機にまで直面した長浜高校。わが校の未来を背負った部員たちの起死回生の活躍に注目です。
『あらしの島で』
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- ◆ブライアン・フロッカ=文
- ◆シドニー・スミス=絵
- ◆原田勝=訳
- ◆偕成社=刊
- ◆定価=1,870円(税込)
- ■対象:幼児向け・小学校低学年向け
想像してごらん 嵐の前の海の様子を
入り江に続く砂利道を、ザクッザクッと踏んで降りて行く。林を抜けると黒い雲が低い空に広がっていた。風が吹きつけてだんだん強くなる。ゴウゴウと音がして、木が大きく揺れている。カツン、カツン、枝がぶつかる音がする。そう、ここは嵐がくる前の海です。
島に暮らす兄と妹が、嵐がくる前の海を見に行きます。海沿いの道を歩き、灯台の前を通り過ぎ、空っぽになった街を通って。風の声、波の音、まばたきする光、雷の地響き。五感に訴えかけながら、圧倒的な描写力の文章と絵が、壮大な自然の力を伝えます。
『小学生記者がナガサキを記事にする
みんなに伝えたい戦争や原爆のこと』-
- ◆前田真里=著
- ◆くもん出版=刊
- ◆定価=1,430円(税込)
- ■対象:小学校中学年向け・小学校高学年向け
身近にある戦争の痕跡
伝えたい平和の大切さ小学生が全国から長崎市に集まり、街の中で戦争に関する記者活動を行う、そんな企画があります。参加者は事前に地元で取材をして、記事を書く宿題があります。愛知県半田市の横井百菜さんが取材したのは、半田市内の戦闘機工場の倉庫だった建物です。調べてみると、小学生が戦闘機の部品作りをしていたことがわかり、驚きました。
横井さんをはじめ、企画に参加した小学生5人を紹介します。長崎での活動を終えた小学生たちが、地元で戦争や原爆について伝えようとしている姿に、この事業の大きな意味を感じます。
『さくら図書館のひみつ』
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- ◆西村友里=作
- ◆ゆーちみえこ=絵
- ◆国土社=刊
- ◆定価=1,540円(税込)
- ■対象:小学校中学年向け・小学校高学年向け
自分と同じ名前の その子はいったい誰?
家族と一緒に、ひいおじいちゃんが住む町に引っ越してきた悠也。新しい学校にも慣れたころ、学校で不思議なことが起こります。自分の名前「ももたにゆうや」と書かれた古い本が、学校の落とし物として次々と出てきたのです。「何これ?もう一人のぼくがいるの? ぼくはタイムスリップしたの?」
謎の鍵を握るのは、ひいおじいちゃんです。彼の知られざる過去と、現代を生きる悠也とのつながりとは何なのでしょうか。昔の子どもたちが生きた時代の、悲しい現実から起きた一つのミステリーを、主人公と共に解き明かします。
『スタートライン 風のなかへ』
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- ◆本田有明=作
- ◆酒井以=絵
- ◆金の星社=刊
- ◆定価=1,540円(税込)
- ■対象:小学校中学年向け・小学校高学年向け
また一緒に走ろう きみは親友でライバル
担任の先生に勧められて、親友と一緒になんとなく陸上クラブに入った4年生の逸輝。入ってみると意外に楽しく、自分に持久力があるのがわかって、走るのが好きになります。そんななか飛び込んできたのは、小学生駅伝大会開催のニュースです。陸上クラブのみんなは、誰が代表選手に選ばれるのか気になり始めました。
逸輝はライバルに勝って、駅伝の選手になれるのでしょうか。箱根駅伝の選手だったじいちゃんをはじめ、家族の応援を得ながら、親友と共に陸上の楽しさと厳しさを知っていく主人公の姿を描きます。
『Garden 8月9日の父をさがして』
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- ◆森越智子=作
- ◆童心社=刊
- ◆定価=1,980円(税込)
- ■対象:小学校高学年向け
終わりはない、誰もが
あの日を抱えて生きている故郷の長崎を離れ北海道で就職、結婚した英知。父はすでに亡くなっていますが、遺品のなかにあった被爆者手帳を見て驚きます。父は爆心地に近い旧制中学の生徒でしたが、原爆が投下された時間は、疎開先の隣町に帰っていて、一命をとりとめました。でも手帳を見ると、父はなぜかその日に爆心地に戻っていたのです。
原爆から逃れ平穏な生活を送ったと思っていたのに、重大な健康被害と向き合い、それを隠していた父。同級生の多くを失ったなか、被爆地で生き抜いた父。長いときを経て明らかにされる、被爆者の思いが胸に迫ります。
『デブの国 ノッポの国』
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- ◆アンドレ・モロア=作
- ◆長新太=絵
- ◆辻 昶=訳
- ◆集英社=刊
- ◆定価=935円(税込)
戦争を始めた 二つの国が仲直り
今の世界でもできるはず
高田馬場校校舎責任者主人公は太っちょの兄エドモンと、やせっぽちの弟チェリーです。仲の良い兄弟はひょんなことから、地下にあるデブの国とノッポの国に、それぞれ分かれて行くことになります。ところがその二国の間に戦争が起きて、二人は敵同士になってしまいます。一方の国はもう一方の国に占領されます。でも国同士が交わるうちに敵の良い点を認めて仲直りする、そんなお話です。
ウクライナやパレスチナに見るように、今も世界では戦争が続いています。「自分の考えは正しい」「相手の考えは間違っている」。そんなことを思うところから争いは起こります。お互いに考え方が違っても、相手の良いところを認め合って力を合わせていくことが大事です。異なる多様な価値観を認め、受け入れる気持ちがあれば、ほかの国の人とも仲良くなれるのです。作者は第二次世界大戦の時代に生きた人ですが、そんな現代につながることをこの物語は教えてくれます。
わたしはオーケストラで今でもバイオリンを弾きます。学生時代はパートのリーダーとして大所帯を束ねる立場でもありました。「みんながまとまって、そして楽しく演奏するためには、自分はどうすればいいのか」。そんなことをいつも考えていました。それは社会に出るための大事な経験だったと思っています。
皆さんも学校に行けばいろいろなことがあると思います。時には思いどおりにいかないことがあって、誰かとけんかしてしまうこともあるでしょう。でも、そういうときに「ちょっと待てよ」と立ち止まって、相手の立場に立って考えてみてください。それはとても大切なことだと思います。
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