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中学受験は、少子化のなかでも激戦が続く
2025年度の中学入試が一段落しました。近年、関西圏では少子化が進行しています。そうしたなかで、各中学校は出願者を集めるべくさまざまな工夫をしており、その効果か、関西圏で中学受験をする人の割合は上昇傾向にあります。今年度の入試状況について、詳しく見ていきましょう。
少子化が急速に進む関西圏
今年度も中学入試の出願率は上昇
最初に、関西圏全体の受験概況です。文部科学省の令和6年度「学校基本調査」によると、2024年5月1日現在の関西2府4県(滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県。以下「関西圏」)の小6児童数は16万7145名でした。昨年度と比べて3140名、1.8%の減少となり、確実に関西圏でも少子化が進んでいることがわかります。詳細を見ると大阪府は1.4%減ですが、兵庫県は2.6%減、京都府は3.0%減と府県によって差があります。
2016年度入試を受験した世代の関西圏小6児童数は18万6305名でしたので、この10年足らずの間に2万人近くも児童数が減少したことになります。
このように関西圏全体で少子化が進むなか、2025年度の関西圏の中学入試における統一解禁日午前の出願者数は1万8337名(速報値)で、前年度から約2.0%の増加となりました。関西圏の小6児童数全体に対する初日午前の出願者数の割合(以下、「出願率」)は11.0%となり、昨年度(10.6%)よりも上昇しました。全日程の総出願者数は6万6021名(速報値)で、こちらも前年度と比べて3.0%の増加となっています。
図表1 関西2府4県の小学校在籍者数と解禁日午前の出願率の推移
「トップ9」の人気は不動だが
一部には大阪府の私立高校無償化の影響も
ここからは、各校の動向を見ていきます。まずは、最難関校グループ「トップ9」(灘・甲陽学院・神戸女学院・大阪星光学院・四天王寺・東大寺学園・西大和学園・洛南高等学校附属・洛星)についてです。過去10年間の出願者数推移は次ページの図表2のとおりです。9校の総出願者数は、年度ごとの差はあるものの、おおむね6500名前後で安定しています。先ほど述べたとおり、この10年間で関西圏の小6児童数が約2万人減少するなかでも出願者数を維持しており、人気は不動といってよいでしょう。
このように全体的には人気を維持している「トップ9」ですが、各学校の出願者数を見ていくと、大阪府の私立高校無償化の影響が感じられる部分も見られます。最も顕著であったのが、甲陽学院の出願者数の減少と大阪星光学院の出願者の増加です。大阪星光学院は3科・4科選択入試を導入していますが、今年度はⅡ型(3科目)の出願者が前年度に比べて約40名増加しました。3科目入試を実施している甲陽学院の出願者が減少していることと合わせると、男子の3科目受験生のうちの一定数が甲陽学院よりも大阪星光学院を志望したのではないかと考えられます。この要因として考えられるのが、先ほど挙げた大阪府の私立高校無償化であり、東大寺学園や西大和学園で今年度の出願者が減少している一つの要因になっている可能性もあります。また、その影響は、進学先を選ぶ際にも見られました。
図表2 トップ9(最難関校グループ)の直近10年間の出願者数の推移
(人)
年度 学校名 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | 対前年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
灘 | 656 | 683 | 735 | 731 | 775 | 687 | 652 | 745 | 747 | 743 | ▲ | 4
甲陽学院 | 395 | 382 | 423 | 411 | 410 | 410 | 344 | 381 | 394 | 342 | ▲52 |
神戸女学院 | 255 | 260 | 249 | 262 | 240 | 272 | 229 | 254 | 229 | 249 | 20 |
東大寺学園 | 884 | 947 | 965 | 934 | 954 | 925 | 902 | 967 | 970 | 902 | ▲68 |
西大和学園 | 1,497 | 1,427 | 1,352 | 1,394 | 1,462 | 1,525 | 1,503 | 1,468 | 1,453 | 1,384 | ▲69 |
大阪星光学院 | 741 | 683 | 755 | 769 | 737 | 749 | 727 | 737 | 707 | 753 | 46 |
四天王寺 | 609 | 519 | 634 | 711 | 770 | 767 | 696 | 707 | 678 | 706 | 28 |
洛南高等学校附属 | 857 | 871 | 880 | 910 | 868 | 881 | 775 | 883 | 914 | 931 | 17 |
洛星(前期) | 446 | 501 | 480 | 470 | 468 | 409 | 449 | 444 | 471 | 461 | ▲10 |
合計 | 6,340 | 6,273 | 6,473 | 6,592 | 6,684 | 6,625 | 6,277 | 6,586 | 6,563 | 6,471 | ▲92 |
高槻は人気上昇に伴い難度も高止まり
神戸大学附属は日程変更で男子の出願者が減少
次は、「トップ9」に続く難関進学校7校(図表3)についてです。高槻は、2017年の共学化以降、出願者を大幅に増やしてきました。その後、一度は人気上昇が落ち着いたのですが、2023年度の入試から再び出願者が増加してきています。近年は高槻を第一志望にする受験生も多く見られるようになり、人気の上昇に合わせて入試の難度も上昇しています。特に2日目午後に実施されるB日程は、「トップ9」の学校に引けを取らない難度にまでなっており、要注意です。
図表3 難関進学校の直近3年間の出願者数の推移
(全日程合計)
学校名 | 府県 | 男女 | 出願者数(人) | |||
---|---|---|---|---|---|---|
2023 | 2024 | 2025 | 対前年 | |||
高槻 | 大阪 | 共学 | 2,060 | 2,217 | 2,268 | 51 |
須磨学園 | 兵庫 | 共学 | 1,025 | 933 | 899 | ▲ | 34
夙川 | 兵庫 | 共学 | 814 | 713 | 658 | ▲ | 55
六甲学院 | 兵庫 | 男子 | 898 | 916 | 914 | ▲ | 2
帝塚山 | 奈良 | 共学 | 1,819 | 1,805 | 1,604 | ▲201 |
清風南海 | 大阪 | 共学 | 1,435 | 1,912 | 1,774 | ▲138 |
神戸大学附属 (一般) |
兵庫 | 共学 | 963 | 974 | 781 | ▲193 |
須磨学園、夙川、清風南海は出願者を減らしました。須磨学園と夙川の2校は、2021年度入試で大幅に出願者を増やした後は減少傾向が続いており、短期間で一気に難化した反動が続いていると考えられます。清風南海の減少も、前年度大幅に出願者を増やした反動と見られます。入試日程を3日目の午後に変更した神戸大学附属は、女子はほぼ横ばいでしたが、男子は200名近く減少しました。3日目の午前には東大寺学園や洛南高等学校附属の入試が行われることから、男子の出願者は減少が予想されており、そのとおりの結果となりました。
順天堂大学との連携を打ち出した金蘭千里や
一部共学化した滝川・親和が出願者を増やす
図表4には、さらにそれに続く有力進学校をまとめました。金蘭千里は、昨年末に順天堂大学と高大連携の協定を締結したことで話題になり、前年度を大きく上回る出願者を集めました。また、滝川は2024年度から、親和は2025年度から一部のクラスで共学化しましたが、滝川は前年度に引き続き好調で、親和も順調に出願者を集めました。開明は大学合格実績が好調なこともあってか、人気が高止まりしています。
図表5には関関同立の付属校・系属校を掲載しました。前年度までは少子化のなかでも出願者数を維持している学校が多く、「堅調」といえる状況でしたが、今年度は出願者を減らす学校が目立ちました。
図表4 有力進学校の直近3年間の出願者数の推移
(全日程合計)
学校名 | 府県 | 男女 | 出願者数(人) | |||
---|---|---|---|---|---|---|
2023 | 2024 | 2025 | 対前年 | |||
大阪女学院 | 大阪 | 女子 | 390 | 416 | 400 | ▲ | 16
大阪桐蔭 | 大阪 | 共学 | 1,048 | 920 | 1,003 | 83 |
大谷(大阪) | 大阪 | 女子 | 876 | 780 | 753 | ▲ | 27
開明 | 大阪 | 共学 | 2,038 | 2,142 | 2,144 | 2 |
金蘭千里 | 大阪 | 共学 | 1,097 | 1,039 | 1,232 | 193 |
神戸海星女子学院 | 兵庫 | 女子 | 254 | 292 | 235 | ▲ | 57
親和 | 兵庫 | 共学 | 798 | 762 | 825 | 63 |
三田学園 | 兵庫 | 共学 | 1,327 | 1,090 | 969 | ▲121 |
清風 | 大阪 | 男子 | 1,743 | 1,512 | 1,556 | 44 |
滝川 | 兵庫 | 共学 | 608 | 840 | 1,003 | 163 |
奈良学園 | 奈良 | 共学 | 769 | 693 | 737 | 44 |
白陵 | 兵庫 | 共学 | 570 | 543 | 514 | ▲ | 29
雲雀丘学園 | 兵庫 | 共学 | 1,088 | 1,042 | 944 | ▲ | 98
明星 | 大阪 | 男子 | 1,247 | 1,055 | 1,370 | 315 |
図表5 関関同立系の直近3年間の出願者数の推移
(全日程合計)
学校名 | 府県 | 男女 | 出願者数(人) | |||
---|---|---|---|---|---|---|
2023 | 2024 | 2025 | 対前年 | |||
関西大学第一 | 大阪 | 共学 | 516 | 458 | 593 | 135 |
関西大学中等部 | 大阪 | 共学 | 571 | 431 | 385 | ▲ | 46
関西大学北陽 | 大阪 | 共学 | 1,092 | 1,052 | 1,055 | 3 |
関西学院中学部 | 兵庫 | 共学 | 740 | 753 | 770 | 17 |
関西学院千里国際 (一般) |
大阪 | 共学 | 101 | 115 | 113 | ▲ | 2
啓明学院 | 兵庫 | 共学 | 566 | 594 | 523 | ▲ | 71
帝塚山学院 | 大阪 | 女子 | 1,279 | 1,504 | 1,545 | 41 |
同志社 | 京都 | 共学 | 457 | 534 | 507 | ▲ | 27
同志社香里 | 大阪 | 共学 | 1,277 | 1,360 | 1,431 | 71 |
同志社女子 | 京都 | 女子 | 756 | 733 | 662 | ▲ | 71
同志社国際(一般) | 京都 | 共学 | 299 | 273 | 298 | 25 |
立命館 | 京都 | 共学 | 894 | 853 | 636 | ▲217 |
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