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最新中学入試情報
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サピックス生の「前受け入試」の状況
1月の受験は減少し、12月の受験が一般化
ここからは、サピックス関西校舎の受験生（以下、サピックス生）の受験状況について触れていきます。まずは、統一解禁日前の入試、いわゆる「前受け入試」についてです。2025年度におけるサピックス生の「前受け入試」に限った平均受験校数は約1.0校でした。「コロナ禍」以前は1月に受験するケースが目立ちましたが、近年は12月中の受験が大幅に増えています。今年度は全体の件数のうち75％以上が12月中の受験で、その大半が岡山（B方式）でした。
1月には、愛光、北嶺、香川誠陵、函館ラ・サールなどの入試が行われますが、2府4県の入試本番直前に感染症に罹患することを警戒して、直前の受験を避けようとする動きは今年度も顕著に見られました。
統一解禁日以降の短期決戦化がより加速
午後入試を活用し、早目の合格校確保を
図表6 サピックス生の日程・時間帯別受験率
（2025年度）
| 1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 | 5日目以降 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 午前 | 100% | 75.3% | 43.4% | 13.3% | 1.2% |
| 午後 | 68.7% | 67.5% | 25.3% | 1.2% |
続いて、統一解禁日以降の動向を見ていきましょう。今年度の受験生1人当たりの平均受験校数は約3.9校でした。なお、2日間入試を行う学校を受験した場合や同じ学校を2回受験した場合は、いずれも2校とカウントしています。
図表6は、今年度のサピックス生の日程・時間帯ごとの受験率（全生徒の何%がその日程・時間帯に受験したのか）を示したものです。近年は、初日午後、2日目午前、2日目午後の受験率に差がないことが多かったのですが、今年度も同様の結果になっています。
後半の日程では受験校の選択肢が非常に限られる状況が続いており、特に今年度は神戸大学附属が3日目の午後に入試日程を動かしたことによって、その傾向がより強くなりました。そのことも影響してか、3日目午前の受験率が以前よりも低く、4日目以降の受験率は大幅に下がる結果となっています。
できれば最初の2日間で合格校を一つは確保しておくことが望ましい状況となっており、次年度以降についてもこの状況に変わりはないと思われます。
初日午前は有力校の入試が集中する日程で、2日目午後も高槻、西大和学園、須磨学園といった上位校の入試が集中します。そのため、初日午後や2日目午前で合格校を確保しようというケースが多く見られました。ただし、灘や甲陽学院を受験する場合は2日目午前も同じ学校の受験で埋まってしまうなど、受験パターンの組み方によって、どの日程で合格校を確保するのがベストかは大きく変わります。受験生の保護者の皆さまには、綿密な受験スケジュールを立てて入試に臨ませることが求められます。
志望校決定は急がなくてもよいが
早めの情報収集を心がけたい
近年は、入試科目の設定が多様化してきており、科目選択の種類を増やしたり、英語選択入試を導入したりするケースが多く見られます。加えて、加点制度を導入する学校も増えており、英語・数学・漢字など各種検定試験の資格保有者に対して一定の点数を与える制度を設けている学校は非常に多くなっています。また、同じ学校を複数回受験すると、特定の回の試験において加点される制度を設ける学校も増えてきています。
もちろん、どんな入試でも合格できるような実力を身につけられるよう、努力を積み重ねることが最優先であることはいうまでもありませんが、情報をきちんと集めたうえで、自分にとって有利な条件で試験を受けることも、合格を手にするためには非常に大切です。いざ受験をする際に慌てなくて済むように、こうした情報にはアンテナを張っておくことが必要です。
また、志望校の選定について、第一志望を実際に決めるのは6年生の夏くらいでも十分に間に合いますが、早い段階から文化祭などの各種の学校行事に参加して、直接学校の雰囲気を感じておくことは非常に重要です。実際に、お子さんを連れて学校見学をしたことで、「この学校に通いたい！」と本人が強く思い、その後の受験勉強の原動力になったという例は多くあります。情報収集以外の意味でも、直接学校を訪問する機会は多く設けるようにするのがよいでしょう。
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