受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/関西情報

充実した授業と行事で育てる
共創力・自創力・発創力。
国公立大学への可能性を全員に

開明中学校・高等学校 校長 林 佳孝 先生

卒業生の約3分の2が国公立大へ
総合型選抜や学校推薦にも強い


約4万5000冊の蔵書がある、明るく開放的な図書館。昼休みや放課後は生徒たちでにぎわいます

立見 大学合格実績を拝見すると、卒業生の約3分の2が国公立大学に進んでいます。近年では京都大学の特色入試をはじめとする総合型選抜や学校推薦型選抜などでも多くの合格者を輩出されています。

 国公立大学の合格者の1~2割が、総合型選抜や学校推薦型選抜での合格者です。それが本校の大きな特色だと思いますが、わたしは、それは行事が多いことの成果の一つだと考えています。研究発表などの機会も多いので、自分の研究テーマに深く興味を持ち、それが、総合型選抜や学校推薦型選抜でアピールできる要素になっているのです。

立見 貴校は、「開明大学」といわれる、卒業生の有志が現役生の大学・学部選択などをサポートする団体も有名ですね。この「開明大学」は、具体的に、どんな活動をしているのでしょうか。

 毎年8月に、大学生と社会人を合わせて50人前後の卒業生が集まり、高1生を対象に、「学部別講座」と「全体会」の2部構成でイベントを実施してくれます。「学部別講座」は大学での学びを学部別に紹介するもので、理学講座・工学講座・農学講座・医療講座・教育講座・経済経営学講座・法学講座・社会人講座などの実績があります。「全体会」では、高校生と大学生・社会人が一堂に会し、大学生になるに当たって必要なスキルを学ぶワークショップをしたり、車座になって一人ひとりの悩みに答える座談会を行ったりしています。この「開明大学」は、卒業生たちが立ち上げてくれた団体で、ありがたいことに、準備も当日の運営も卒業生たちがやってくれるので、われわれ教員は、ほぼノータッチです。

立見 キャリア教育としては、ほかにどんな取り組みをされているのですか。

 学年集会にも卒業生を呼ぶことがあります。どんな話をするかは卒業生に任せていますが、基本的には、生徒たちは、大学はどんなところか、中学・高校時代はどんな思いで過ごしていたかなどといったことを聞いています。中高全生徒を対象に、最先端の研究をしている研究者の方などを招いて講演会を行うこともあります。最近では遺伝医学・ゲノム医学の世界的権威である中村祐輔博士や、超ひも理論で知られる京都大学教授の橋本幸士先生などをお招きしました。

立見 中学入試についてお聞きします。2025年度入試から制度を少し変更されるそうですね。

 はい。ただし、大きく変えるわけではありません。本校の入試は従来、「一次前期(4科)」「一次後期(午前4科、午後3科)「二次(4科)」の大きく三つがあり、一次前期と一次後期の合格発表はまとめて、一次後期の試験が終わった翌日に行っていました。しかし、一次前期の発表を早めてほしいという要望が多かったため、2025年度からは、「前期(4科)」「中期(午前4科、午後3科)」「後期(4科)」とし、合格発表は、それぞれの試験日の翌日に行うように変更しました。

集合写真

立見 それでは最後に、貴校をめざす受験生と保護者の方に、メッセージをお願いします。

 入学時のコースが「スーパー理数」と「理数」のどちらになるかは、あまり深刻に受け取らないでください。それは受験した時点での到達点に過ぎず、授業の効果を上げるために、習熟度別でコース分けをしているだけだからです。そこからどれだけがんばるかで、将来はいくらでも変わります。

 勉強は受験のためだけにするものではなく、人間として幅広い知識や深い教養を身につけるためにするものです。そうすれば、社会に出てから人のために力を発揮することができますし、それが自分自身の幸せにもつながります。

立見・中川 本日はありがとうございました。

集合写真

24年12月号 さぴあインタビュー/関西情報:
目次|5

ページトップ このページTopへ