さっぴーの社会科見学へ行こう!
「魔」をまどわせる |
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▲靴 中国 20世紀後半 |
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靴 中国 20世紀後半▶ |
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「見て、トラをかたどった、子ども用の靴や帽子が展示されているよ。トラは中国では神獣とされていて、子どもの衣服などに用いて、子どもが『魔』に弱い存在だと思われないようにしたんだって」 |
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「子どもや女性は、特に『魔』から守るべきものとして考えられていたんだね」 | ||
「インドネシアの大蛇の姿があしらわれた腰巻き、中国の五毒(カエル・サソリ・クモ・ヘビ・ムカデ)が縫い込まれたベストも強そうな印象があるよ。毒などを持つ生き物を取り入れて、『魔』を寄せ付けないようにしたんだね」 | ||
「こっちには迷路のような模様の肩掛けがあるよ。『魔』を迷わせて閉じ込めるんだって。魔除けの方法もさまざまだね」 |
魔除けの「赤」 |
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▲ドレスの飾り アフガニスタン |
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ドレスの飾り |
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「ここからは1階の展示室に入るよ。血や炎、太陽を連想させる赤は、人間の生命にもかかわる特別な力を持つと考えられたから、『魔』を払う力も期待されたのね」 |
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「同じ赤でも、国によって魔除けとされるものは違うね。島国の日本はサンゴ、ヨーロッパでは赤い毛糸、中央アジアのトルクメニスタンは紅玉髄(カーネリアン)などが用いられているよ」 | ||
「青の展示物もあるね。西アジアのシリアや、アジアとヨーロッパにまたがるトルコでは、魔除けの色として青が使われてきたのね」 | ||
「あ、黒もあった。西アフリカでは、黒が『魔』を閉じ込める色とされ、黒く染める『泥染め』という伝統的な染色技法もあるそうだよ」 |
祈りと願い |
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▲セクトン・チョゴリ 韓国 1950年代 |
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「ここでは、『魔』から身を守るためのお守りや護符(お札)を紹介しているよ」 | ||
「お守りというと、受験の合格祈願などで持っていく、小さなものを想像したけど、大きな首飾りや着物もあるんだね」 | ||
「あ、4本の腕を持つ人間の体と、片方の牙が折れたゾウの頭をした、この神様の絵は見たことがあるよ。インドの民族宗教、ヒンドゥー教の神様であるガネーシャだ」 | ||
「国によって信仰が違うことがよくわかるね」 | ||
「子どもの成長を願うものもあるよ。韓国の子どもの伝統衣装『セクトン・チョゴリ』は、袖の5色の縦じまに『すくすく成長してほしい』という願いが込められているんだって」 |
頭にもご用心!
頭頂部や後頭部は、自分の目で見られないため「魔」が侵入しやすいと考えられていた。だから、帽子にも「魔」が嫌うモチーフをたくさん取り入れて、魔除けにしたんだ。細かい模様を刺しゅうしたトルクメニスタンの帽子や、疫病に効くといわれる唐辛子の模様を刺しゅうしたウズベキスタンの帽子など、いろいろなものがあるよ。
◀▲(上) チュビチェイカ(帽子) ウズベキスタン 1980年代 (下) タヒヤ(帽子) トルクメニスタン 20世紀後半
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