そこが知りたい!
入試では、女子校を中心に面接を行う学校もあります。「参考程度」に扱うことが多いようですが、重視する学校もあるので手を抜くことはできません。自信を持って筆記試験に臨むためにも、面接対策を万全にしておきましょう。ここでは、面接の心構えや基本的なマナー、よく聞かれる質問内容を紹介します。
面接の形式は4パターン 志望校に合わせた対策を
最近では、面接試験を行う学校はかなり少なくなってきました。その一番の理由は、受験生への負担を減らして受験をしやすくするためです。また、合格発表を即日で行ったり、同じ日に午前・午後、2回の入試を実施したりする学校が増え、面接の時間が取りづらくなっていることも影響していると思われます。しかし、見方を変えれば、そのような状況でも面接試験を行う学校は、ある程度その内容を重視しているといえるでしょう。学校側が面接を行う意図としては、次のようなことが挙げられます。
●面接を行う意図
筆記試験ではわからない、受験生の人柄を見る (協調性や積極性など)
報告書(調査書、通知表)の 不明点・疑問点を確認する
入学への強い希望や意思、 入学後の学習意欲があるかどうかを確認する
保護者が学校の教育方針や校風(宗教)を 理解しているかどうかを見る
合格者をどのくらい出すか決めるための参考に、 受験生の併願校を調査する
では、実際には、面接はどのように行われるのでしょうか。実施時期については、筆記試験の前に面接日を設けている学校や、1次試験(筆記試験)通過者に対して2次試験として実施する学校もありますが、多くの学校では筆記試験の終了後、その日の午後に続けて行っています。
面接の形式には、大きく分けて四つのパターンがあります。右の図のとおり、「受験生のみの個人面接」「受験生のみのグループ面接」「受験生と保護者の同伴面接」「保護者のみの面接」です。なかには、受験生・保護者それぞれに実施する学校もあります。パターンによって対策が異なるので、受験する学校の形式を事前に調べておきましょう。
●面接形式4パターン
面接の心構えと基本マナーは 本番までに押さえておく
面接を受ける心構えと準備
面接では筆記試験とは違って、特別に良い点を取ろうとする必要はありません。多くの学校では、形式的な礼儀作法よりは、むしろ子どもらしく、素直で、生き生きとしているかどうかを見ようとしています。「自分の自然な姿を見てもらう」つもりで前向きに臨みましょう。
事前の準備としてまず必要なことは、願書に記入した内容の確認です。面接では、多くの場合、学校に提出した願書を見ながら質問されます。答えることと、願書に書いたこととの食い違いを避けるためにも、記入し終わった願書は、提出する前に必ずコピーを取るなどして、手元に残しておきましょう。報告書(調査書)の提出が必要な学校の場合は、その項目をチェックし、学校側がどんな内容を知りたいのかを把握しておくことも大切です。
もちろん、質問されたことに対して、きちんと答えられるよう準備をしておくことも重要です。次のページに「面接でよく聞かれる10の質問」をまとめています。一般的な面接では基本となる質問ですので、参考にしてください。ただし、答えを丸暗記して、棒読みのように話すのでは印象がよくありません。その場の話の流れに沿って、面接官の目を見て話すようにしましょう。
服装と髪型は清潔感が第一
小学6年生としてふさわしい服装・髪型であるかどうかがポイントです。受験しようとする学校の校則に明らかに違反するような髪型は好ましくありません。
服装は特別に新調する必要はありませんが、目上の方に会うことを考えて、派手なものは避け、落ち着いた色調のものを選ぶほうがよいでしょう。ボタンやホックなどの付属品が取れていないかどうかにも気をつけてください。
最も避けたいのは、「不潔でだらしない」という印象を与えることです。爪はきちんと切っておくなど、清潔で好感を持たれる身だしなみを心がけてください。
なお、保護者の方は、男性は無難にスーツで、女性は派手なアクセサリーや化粧は避け、上品で控えめな装いで臨みましょう。
ことば遣いで気をつける点
目上の人と話をするということを念頭において、最低限のルールさえ守れば、それほど心配する必要はありません。面接はことば遣いのテストではないため、形式よりも話の中身や態度が重視されます。質問に答えるときは「です」「ます」調を使い、返事は「はい」「いいえ」とはっきり言うなどの基本的なルールさえ守っておけば、問題はないでしょう。
注意したいのは、家族や身内について話すときです。つい「お父さん」「おばあちゃん」「お兄ちゃん」「おばさん」とふだんのように言ってしまいがちですが、身内に敬称をつけるのは好ましくありません。「父」「祖母」「兄」「おば」と言うように意識しましょう。友だちの名前を出す場合も、呼び捨てや「○○ちゃん」などと言わずに、「○○くん」「○○さん」と言いましょう。
もし、自分が知らないことや答えにくいことを聞かれた場合でも、慌てる必要はありません。落ち着いて正直に、「わかりません」と答えましょう。その場で取り繕って、ごまかしや知ったかぶりをすることだけは避けてください。また、質問の意味がわからなかったり、聞き取れなかったりした場合には、遠慮せずに「もう一度お願いします」と言って、きちんと確かめましょう。
●実際の面接の流れ
①控室
控室に入ったときから面接試験は始まっています。必要もないのに、室内をうろうろしたり、友だちと大きな声で話したりするのはやめましょう。控室での態度があまりにも悪い場合は減点される可能性もあります。静かに着席して順番を待ちましょう。
②入室・着席
自分の名前や受験番号が呼ばれたら、大きく元気な声で「はい」と返事をし、ドアを軽く2回ノックして「失礼します」と断って入室します。入室したら、ドアは後ろ手に閉めるのではなく、ドアのほうにきちんと向き直って静かに閉め、体を戻して面接官の先生に向かって一礼します。椅子の横まで行ったら、今度はしっかりと頭を下げ、自分の受験番号と名前に続けて「よろしくお願いします」とあいさつします。そして、「お掛けください」と言われてから着席します。
③応対
会話中の姿勢や視線はとても重要です。背筋を伸ばして深く椅子に腰掛け、手は軽くひざの上に乗せるようにします。きょろきょろしていると、落ち着きがないという印象を与えてしまいます。顔を上げて、面接官の先生の目を見て大きな声で答えるようにしましょう。答えは「はい」「いいえ」、語尾は「です」「ます」で統一すること。
④退室
面接官から「では、これで終わります」などと終了のことばが出たら、静かに立ち上がって椅子の脇に立ち、「ありがとうございました」と言いながら礼をします。ドアの前まで行ったら面接官の先生のほうに向き直り、「失礼します」と軽く一礼して、ゆっくりとドアを閉めて退室します。
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