そこが知りたい!
STEP5 入試前日までにやっておくこと
事前に下見をして交通経路を確認 前日は気象情報の確認も必要
体調を整える
こうして万全の準備を整えていても、入試当日に受験生本人が体調を崩してしまっては何にもなりません。生活のリズムが変わる冬休みからは、お子さんの体調管理に一層気を配り、睡眠と食事はしっかりとるようにさせましょう。保護者やほかの家族の体調管理も同様に重要です。家族全員で手洗いやうがいを励行し、感染症対策に努めましょう。
●持ち物チェックリスト
受験票
鉛筆(10本以上)
鉛筆削り
輪ゴム(鉛筆を束ねるため)
消しゴム(2〜3個)
定規・コンパス(募集要項を確認)
下敷き(無地)
上履き、靴入れ(募集要項を確認)
ハンカチ、ティッシュ、タオル
合格パスポート手帳(サピックスで配布)
合格Vバッジ(サピックスで配布)
メモ帳
腕時計(計算機能など、時計以外の機能が
ついているものは不可。
持ち込み禁止の学校もある)
カイロ、マフラー、手袋など(※)
マスク(予備も用意)、アルコール消毒液
愛着のあるノート、テキスト、お守り
交通系ICカード(Suica、PASMOなど)
現金(緊急時のタクシー代など)
常備薬、ばんそうこうなど(※)
弁当、飲み物、あめ玉など(※)
雨具(場合によっては替えの靴下も)(※)
※必要に応じて準備
交通経路を確認する
できれば入試当日と同じ曜日・時間帯に、予定する交通経路で受験校の下見に行くことをお勧めします。電車の混雑状況や乗り換えにかかる時間なども把握できます。追い込みの時期なので、勉強に時間を使いたいと考えるかもしれませんが、一度下見をしておけば、入試当日に不安なく移動できるはずです。
また、当日は何らかの事情で交通機関が乱れることも考えられるので、第二、第三の代替ルートも確認しておきましょう。移動中に学校に連絡を取ることが必要になるかもしれませんので、携帯電話には受験校の電話番号を登録しておいたほうがよいでしょう。
入試前日の過ごし方
入試前日は、本人も保護者の方も気持ちが落ち着かないことと思います。まずは当日に持っていくものをきちんと準備しておきましょう。右のような持ち物チェックリストを手元に置いて、お子さんと一緒に、一つずつゆとりを持って確認してください。
前日は夜遅くまで勉強することは絶対に避けましょう。早めに就寝して、体調を万全にすることが何よりも大切です。何かを勉強しないと落ち着かないという場合は、漢字練習や「コアプラス」など、基本的な問題に軽く取り組む程度にしてください。
先輩たちの話では、これまで勉強してきたノートやテキストを積み重ねて、「こんなにやってきたのだから大丈夫」と自分に言い聞かせると、気持ちが落ち着くそうです。
最後に、気象情報の確認も忘れないようにしましょう。当日が大雪になると交通機関が乱れる可能性があります。早めに対策を考え、落ち着いて行動できるようにしておくと安心です。
STEP6 入試当日に注意したいこと
集合時間の30分前には学校に到着し 心を落ち着かせて待機しよう
家を出るまで
入試当日は、思わぬトラブルが起きる可能性もあるので、余裕を持って行動するように心がけましょう。
午前入試の開始時刻は、ほとんどの学校で8時30分~9時に設定されています。脳が活発にはたらくのは、起床してしばらくたってからといわれているので、当日は早めに起床したいところです。朝食は必ずとり、トイレも済ませて、忘れ物がないかどうかをチェックしてから出掛けましょう。
また、交通機関の状況を早い段階で確認してください。何らかの事情で交通機関に乱れが発生している場合は、各学校のホームページを確認しましょう。開始時間の変更などが告知されている場合もあります。
家を出てから試験会場に入るまで
移動時間を計算し、集合時刻の30分前には学校に到着するように家を出ます。1時間以上も前に学校に到着する受験生もいますが、学校によっては試験会場に入れる時間が決まっているので、それまで外で待つこともあります。1年で最も寒い時期なので、体を冷やさないように注意しましょう。
学校までの移動には、原則として公共交通機関を使いましょう。何らかの交通トラブルで到着が遅れても、公共交通機関を利用していた場合は配慮してもらえる可能性が高いためです。なお、友だちと待ち合わせをして会場に向かうことはお勧めできません。万が一どちらかが遅れてしまった場合、お互いに余計な心配をすることになります。不安な気持ちを抱えたまま、試験に臨むことにもなりかねません。
試験会場に到着したら、係員や掲示物の指示どおりに行動してください。試験によっては受験生と保護者を合わせて何千人も集まるので、雰囲気にのまれてしまうかもしれません。しかし、それはみんな同じです。これまでの努力を思い出し、自信を持って堂々とした態度で臨みましょう。ただし、リラックスし過ぎて、友だちとふざけ合ったり、大きな声を出したりして周りに迷惑をかけてはいけません。あまりにも態度が悪い場合は、学校にチェックされる可能性もあります。
なお、ほとんどの学校では、試験会場への携帯電話の持ち込みを禁止しています。試験中に突然、携帯電話の呼び出し音が鳴ると、周りの受験生にたいへん迷惑で、本人も動揺してしまいます。不正行為を疑われる可能性もありますので、お子さんが試験会場に入る前に、保護者の方が預かるようにしましょう。また、試験終了直後は構内がとても混雑します。お子さんと携帯電話で連絡を取ることができないので、事前に待ち合わせ場所を決めておいたほうがよいでしょう。
試験会場では
試験会場に入って、自分の席に荷物を置いたら、まずはトイレを済ませましょう。席に着いたら、ノートやテキストなどを開いて、心を落ち着かせてください。
試験が始まったら、まず用紙に受験番号と名前を忘れずに書きます。記入する欄は1つとは限らないので、記入漏れには注意してください。あとは合格をめざして、終了まで全力を尽くすのみです。
付き添いの保護者は
体育館や講堂を保護者控室として開放している学校もあります。学校によっては、感染症対策のため、控室を設けない可能性もあるので、ご注意ください。なお、設置される場合は、試験中にお子さんの体調が悪くなって保護者が呼び出されることも考えられるので、可能であれば終了まで控室で待機していたほうが安心です。
●サピックス卒業生と保護者が振り返る
これを持っていって助かった
セロハンテープ受験票を机の上に固定するため。
段ボールや厚紙がたがたする不安定な机の脚の下に挟み込み、安定させるため。
ウエットティッシュ汗をかいた手をふいたり、顔を拭ってリフレッシュしたりするのに便利。
大きめのタオル雨や雪でぬれた体、バッグなどを拭くため。
替えの靴下雨や雪でぬれたときの予備として。不快感や体の冷えを防ぐ。
小さな手提げ袋(エコバッグなど)試験会場に持ち込めるものだけを移し替えるのに重宝。
整腸薬突然の下痢や腹痛に備えて(できれば水なしで飲めるものを)。
裁縫道具・染み抜き・くし・手鏡面接前に服装を整えるため。
中学入試では、答案用紙に書いた答えのみによって合否が決まる学校がほとんどです。ここでは、答案の作成における六つの重要なポイントを紹介します。
① 解答はていねいに、正しい欄に
解答欄を間違えて記入すると、致命的な結果につながるので、十分に注意しましょう。文字は採点者が読みやすいように、ていねいに書くことが大切です。
② 最初に全体に目を通し、解けそうな問題から進める
まずは、問題全体に目を通しましょう。第1問から順番に解く必要はまったくありません。難問が最初に出されている場合もあるので、時間内に1点でも多く取るためには、解けそうな問題から始めるべきです。
難問に時間を割き過ぎて時間が足りなくなると、誰しも焦ります。冷静さを失えば簡単な問題でもミスすることがあるので、時には「この問題は誰も解けない」と割り切って後回しにするくらいの勇気も必要です。
③ 手を動かしながら解決への糸口を探していく
問題文を眺めていても糸口が見つからないときは、手を動かしながら考えていきましょう。手掛かりになりそうな語句に下線を引いたり、図や表にわかった数字を直接書き入れながら条件を整理したりしているうちに、解き方がひらめくということはよくあります。
④ 満点が無理なら中間点や部分点を狙うことも重要
記述式の問題では、中間点や部分点が与えられるケースもあります。たとえば算数なら、最終的な解答が間違っていても、途中の考え方が正しければ点数につながるということです。こうした“粘り”の差で合否が分かれることもありうるので、途中式を書く欄があったらきちんと書き、終了時刻まで粘りに粘りましょう。
⑤ ケアレスミスに注意して、基本問題で確実に得点を
解答を「ひらがな」や「カタカナ」で記入するよう指定されている問題や、字数制限のある問題では、指定を守らなければ減点対象となる場合もあります。そんなもったいないミスは絶対にしないようにしましょう。
ほとんどの学校では、6〜7割得点すれば、まず合格圏内です。そのためには、得意分野で点数を稼ぎ、特に、受験生全員が正解できるような基本的な問題は確実に得点しましょう。
⑥ 最後に必ず見直しを。できれば問題文から読み直す
問題をひと通り解き終わったら、終了の合図があるまで、見直しをします。問題を解き直すことも大切ですが、その前に、もう一度問題文をしっかり読み直してみましょう。思い込みで出題の意図を取り違えているかもしれませんし、字数制限などを見落としているかもしれません。
どんなに万全の準備をしていたとしても、入試当日に予想もしていなかったトラブルに直面することはあり得ます。「電車が遅れた」「受験票を忘れた」「試験中に具合が悪くなった」などです。そんな緊急事態が発生したときに落ち着いて行動できるよう、さまざまなトラブルについての対処法を頭に入れておきましょう。
Q遅刻しそうになったときは?
A学校に連絡して遅れる理由を伝えましょう
大雪対策五つのポイント
❶ 前日と当日の朝には気象情報を確認する。
❷ 雪が予想される場合は、長靴や着替えなどを準備しておく。
❸ 別の交通経路を確認。
地下鉄を中心に利用し、自家用車は使わない。
❹ 早めに起床し、余裕を持って行動。
遅刻しそうになってもあきらめない。
❺ 状況次第では、学校の近くのホテルに前泊する。
時間に余裕を持って早めに家を出たとしても、交通機関のトラブルなどが原因で遅刻してしまう可能性はあります。遅刻しそうになった時点で、まず学校に連絡しましょう。電話を掛けたら、受験番号と氏名を伝えたうえで、遅れる理由とおおよその到着時刻を伝えます。ほかにも同様のトラブルに巻き込まれ、学校に連絡したいと考えている受験生がいることを考慮し、用件のみを簡潔に伝えることを心がけてください。
自家用車やタクシーが渋滞に巻き込まれた場合の遅刻は、個人的な理由とみなされますが、公共交通機関のトラブルが原因のときは、その受験生が不利にならないように配慮してもらえるのが一般的です。実際、過去に大雪や地震で交通機関のダイヤが大幅に乱れたときは、試験開始時刻を遅らせたり、遅刻した受験生については別室での受験が認められたりしたケースがあります。あきらめず、まずは学校に連絡を入れましょう。
Q忘れ物に気づいたときは?
Aその学校の教職員に申し出ましょう
受験票や筆記用具など、忘れ物をする受験生は毎年必ずいます。受験票を忘れてしまった場合は、係の人にすぐに申し出ましょう。出願者本人と確認されれば、受験票を再発行してもらえるはずです。万が一のときに備えて、受験番号は控えておき、受験票はコピーを取っておくことが大切です。筆記用具を忘れた場合も、係の人などに伝えましょう。これも、学校で貸し出し用の筆記用具を用意していることがほとんどです。
忘れ物をしたことで心配なのは、気持ちが動揺してしまうことです。保護者の方は、自分が慌ててしまうのではなく、お子さんを落ち着かせて、平常心で試験に臨めるように努めてください。また、お弁当を含め、試験会場内で使用する持ち物は、なるべく最初から受験生本人に持たせるようにしておくとよいでしょう。
Q試験中に具合が悪くなったら?
A我慢せずに、手を挙げて試験監督に知らせましょう
この時期は体調を崩しやすいため、試験が始まってから突然、発熱・悪寒・頭痛・腹痛などに襲われることもあり得ます。そんなときは遠慮せずに手を挙げて、試験監督にそのことを伝えましょう。状態によっては、保健室など別室での受験を認めている学校もあります。当日、受験前から体調を崩している場合も、試験が受けられそうな状態なら、学校に相談してみましょう。翌日以降も試験が続くようなら無理は禁物ですが、どうしても受験したい学校であるならば、あきらめないで申し出ることが大切です。
◎学校関連リンク◎
◎人気コンテンツ◎