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進学校 ▶ 桜蔭中学校
中学受験、親としての学び
E.Tさん ●お子さんの名前 Yさん
娘がサピックスに入室したのは、4年生の秋、娘が同級生に薦めていただいたことがきっかけでした。当時は賛成しつつも、私自身親としても心構えができていたわけではなく、勉強は本人任せ、内容も進捗も、まったくフォローしていませんでした。
サピックス5年生の授業は、子ども任せで容易にこなせるほど甘いものではありませんでした。5年生の後半、クラスが大きく下がったことがあり、それがわが家にとって1回目の転機になりました。「親としてできるサポートをすべてしよう」と気持ちが切り替わったように思います。
具体的には、マンスリーテストを一つのゴールにして、それに向けてどう予定を立てるか、タスクをこなすか、軌道修正をかけるかといった実務的なことから、どうやって目の前のことを楽しむか、どうやってストレスを逃がすか、しんどい結果が出たときどうするかといったメンタルの大切さも教えるようにしました。
そうして親としても試行錯誤を重ねるうちに、中学受験の意義や、サピックスのすばらしさがよくわかるようになりました。家庭学習だからこそできること、それは学習を通じて人生を教えること、愛情を伝えることです。いかに生きるか、親の考えを一つの生きた事例として本気で子に伝え、またその際に、どんなときも(教えるときも、ほめるときも、叱るときも)愛情を伝えること。そうすることで、その先に待ち受けている試験の合否にかかわらず、中学受験というイベントを100%すばらしい親子の経験にできると確信するようになりました。
親も真剣に取り組むようになって半年、家庭学習を重視するサピックスの方針の意義が体感として理解できるようになったころ、平常授業のクラスが上から1~3番目のクラスで安定するようになりました。そして6年生の10月、娘が「志望校を桜蔭中にしたい」と言い出したのが、わが家にとって2回目の転機でした。どうして桜蔭中に行きたいのか? サピックスの先生は娘の気持ちをていねいに確認してアドバイスをくださいました。SS特訓も迅速に桜蔭コースに変更してくださり、大規模校とは思えないきめ細やかなサポートに驚きました。そして、「自分の意志で道を選んだ」という経験の成せる業なのか、この選択が大いに幸いし、娘はそれまで以上に生き生きと勉強するようになりました。
このように書くと順風満帆なように見えるかもしれませんが、実際は入試直前まで笑いあり涙ありの日々、それでも努力をやめず、「いつも楽しむ気持ちを忘れずに」という心構えで娘を応援してきました。
2月1日、桜蔭中の受験を終えた帰り道、三つ重ねたアイスクリームを食べながら「今から時間を巻き戻したとしても、もうあれ以上は勉強できない。悔いはないね。全力でやったね」。娘とそう話しました。晴れて第一志望校合格をつかんだ娘の強い意志とひたむきな努力に、心から拍手を送りたいと思います。
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