受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2024年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 女子学院中学校

3月生まれ、のんびりさんの中学受験

K.Sさん お子さんの名前 Rさん

 「理科満点かも! サピックスの志望校対策プリントでやった問題がたくさん出た!」
 女子学院中の試験を終えての開口一番、娘のことばに「さすがに満点はないでしょう」と思いながらも本人が力を出し切れたことがわかり、うれしく思いました。
 サピックスには4年生の夏期講習からお世話になりました。3月生まれで、のんびりしたわが子には敷居の高い塾でしたが、入室テストは意外にも高得点で、いちばん上のクラスからのスタートでした。しかし、喜んだのも束の間、復習をおろそかにしたことで、数か月後にクラス落ちし、保護者もうまくサポートできず、しばらくつらい時期が続きました。この時期は、「基礎力トレーニング」は答え丸写しで満点を捏造し、「一人で勉強する」と自室にこもっては、YouTubeやゲームに興じるなど、怠惰な生活を送っていました。新6年生になったタイミングで、運良くまたいちばん上のクラスに入ることができましたが、相変わらず基礎トレや漢字などの日課をおろそかにする娘に私の怒りは収まらず、連日不毛な母娘バトルがありました。
 娘の勉強への向き合い方に変化が見られたのは、遅まきながら冬期講習のときです。
 算数は優秀なお友だちと点数を競うことが楽しかったようで、演習を通じて成績が飛躍しました。ケアレスミスは最後までなくなりませんでしたが、娘の特性と割り切りました。
 国語は、わが子の場合、音読が功を奏しました。授業で扱ったおもしろい物語文や購読していた中高生新聞、『重大ニュース』を音読して、私に解説してくれました。理科や社会で習った用語を新聞で見つけると、学びが実生活と結びついていることを実感し、喜んでいました。
 社会は制限時間内にどれだけ知識を吸収できるか、ストップウォッチを片手に取り組みました。遊びの要素が必須でした。
 理科は本当に苦労しました。平均偏差値50未満、1月の浦和明の星中には合格したものの、自己採点では2割と絶望的でした。すぐにサピックスの先生にご相談し、優先課題をご教示いただき、知識が不十分な生物と地学を中心に徹底的に取り組みました。苦手な天体は、5年生のテキストにまで戻って見直しました。驚くことに、あらためて読むとかなり理解できるようになっていました。先生から「無理にやらなくてもよい」と言われていた「コアプラス」は、入試2日前に「やっぱりやる!」と娘が言い出し、2日間で3周しました。椅子の上で正座をし、私が呼びかけてもまったく聞こえないほどの凄まじい集中力でした。
 入試前夜、娘は緊張して寝つけず、迎えた2月1日、睡眠不足で得意な算数が思うようにできなかったそうです。しかし、これまで苦手だった理科と国語で点が取れたことで、合格できました。試験直前に先生が娘の特性に合わせて取り組む課題を取捨選択してくださったので、少ない負担で効率良く勉強できたのだと感謝しております。
 わが家の場合、親ができることは限られていました。寄り添うこと、待つこと、見守ること、受験を通じて親も成長させてもらいました。

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