受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2024年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 渋谷教育学園幕張中学校

自分で考え、決める

D.Sさん お子さんの名前 Yさん

 「何の勉強をしたほうが良いだろう?」
 「どこに本当に行きたいんだろう?」
 「本当に受験したいのかな?」
 3年生で入室して以来、我々親が一番やったことは、勉強に一緒に取り組むことではなく、受験勉強に関することは娘に「自分で考え、自分で決める」ように問いかけることでした。
 「自分で考える」習慣をつけさせようとしたことにはいくつかのポイントがあります。

⒈何がわからないのか、何を先生に聞いたほうが良いのかを本人が自覚する

 5年生以降は日々の勉強量や仕方も本人に考えさせていて、課題を本人がより自覚するようになりました。先生に聞こうとする姿勢が積極的になり、知識の定着につながりました。

⒉なぜ受験したいのかの理由を明確に持つ

 理由が立派かどうかではなく、なぜ受験をし、この志望校なのかを具体的に持つことで勉強の目的がクリアになり、毎月のテストの目標もクリアになりました。

⒊覚悟が決まり、最後まで頑張る

 本人は「勉強は本当に大変だった」と言っており、自分で考え、決めることで覚悟が決まり、スイッチが入りました。
 これは、直前期の気持ちのコントロールや最後のひと踏ん張りの姿勢にも影響を与えました。

 我々がやったことは、考えるための材料(志望校情報、見学、先生のアドバイス等)を提供することと心身のサポートでした。
 このようにできたのは、先生方が一人ひとりの生徒をよく見て頂いていたからです。入室当初は塾に通っていても勉強の仕方を親が見たほうが良いと思っていましたが、声のかけ方、頑張るべきこと等、細かく多くのアドバイスを頂きましたので、勉強自体には中途半端に関与しないほうが良いと実感しました。
 我々はその分、志望校の情報を5年生の早いタイミングから調べ、足を運びました。志望校は何回か見に行ったり、メディアでの露出情報も見せたりして、本人が入りたいのかどうか、入った後をイメージできるかなど話していました。
 勉強はSAPIXに任せ、親は本人が自分で考えられるように材料とサポートを提供する形が奏功したと思います。
 そういったベースの上で、心構えについては常に娘と会話していました。SAPIXで聞いたAKB(あきらめない、感謝、Believe)に加えて、「やりきる力、あきらめない力、分析する力」が大事だと伝え、分からなくてもやりきる、最後の1秒まであきらめない熱量と、分からないことを分析して認識する冷静さを持つように伝えていました。
 自分がなぜ受験したいのか、何が足りないかを日々考えられるように促しながら、少し俯瞰して心身や心構えをケアする、勉強それ自体ではないところに親の力を使うことで我が家の場合は合格につながっていったと思います。信頼のおける先生が大勢いらっしゃるので家庭では先生方ができないことを考えて行っていくこともあるのではないかと思っています。最後に、先生方そして刺激を常に娘に与えてくれた友人の皆様に感謝いたします。本当にありがとうございました。

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