４年生の秋、ふと息子が「中学受験の勉強がしたいから塾に行きたい！」と言いました。「どうしてそう思うの？」と聞くと、「学校のお友達が塾に行って中学受験の勉強をしているから、僕もやってみたい！」と言いました。「中学受験をするなら今よりも勉強を頑張らなきゃいけないし、遊ぶ時間も少なくなるけど大丈夫なの？」と聞くと、「うん！ やってみたい！」と目を輝かせました。内心、大丈夫かな～と思いつつも家族会議を開いてよく話し合い、中学受験に挑戦することに決めました。
　11月の入室テストを受け12月からサピックスに入ることになり、息子は大喜びでした。初日の授業が終わった後、「今日はどうだった？」と聞くと、「算数が難しくて全然分からなかった。でも、一つ一つやっていけばできるようになる気がする！」と意欲的な様子でした。今まであまり見たことがない息子の様子に、少しだけ成長を感じました。
　５年生、６年生と通塾日が増え忙しくなる毎日でも息子は「サピックスの授業が楽しい！」と通塾日を楽しみにしていました。しかし、家庭学習に全く集中していない時もありました。時には中学受験をやめるかどうかの話し合いに発展したこともあります。そんな時も息子は「絶対にやめたくない！」の一点張りでした。息子の熱意は私達の想像以上のものでした。
　入試当日の朝はとても緊張していましたが、サピックスの先生方の入試応援動画を見て「あ！ ○○先生だ！」と笑顔になり、緊張がかなりほぐれたようでした。受験教室に向かう息子の背中に成長を感じながら、いろいろな思いが込み上げてきました。とにかく無事にこの日を迎えることができてよかったという思いと、今までお世話になったサピックスの先生方の顔が浮かんできました。
　試験終了後、息子に「どうだった？」と聞いてみると、「いつも先生が言っていた、落ち着いて！という言葉が聞こえてきたような気がして落ち着いて問題を解くことができたよ」と言いました。落ち着きのない息子に普段から落ち着いて問題に取り組むように導いてくださった先生方のおかげだと思います。
　合格発表の時間になり、学校のホームページを開いてみると息子の受験番号が載っていました。「あった！ 合格だ！」と喜んでいました。私もほっとしました。いろんなことがありましたが、サピックスに通って中学受験に挑んでよかったと思います。サピックスに通うことができて息子は一回りも二回りも成長をしたと思います。中学入試の時に胸につけていったサピックスのＶバッジは、今でも息子の宝物です。