受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2024年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 早稲田中学校

山あり谷あり、それでも終わりよければ全てよし

N.Mさん お子さんの名前 Tさん

 2月2日に早稲田中学の合格を確認できた時、これまでのことが走馬灯のように蘇りました。親子で一緒に通ったSAPIX通塾初日のこと、初めて最上位クラスに入った日のこと、数ブロック落ちするほど成績が低迷したこと、通塾途中の電車で食物アレルギーが発症し慌てたこと。
 振り返ると本当に山あり谷ありの3年間、特に最後の1年は崖もありました。在籍したクラスは全部で7つありました。テストの成績が乱高下し、特に6年生になってからは3連続で総合偏差値50以下、国語は30半ばというときも。また、試験範囲がなくなった10月マンスリーでは3教科で偏差値50以下、総合偏差値を7も落とし、クラスも3ランクダウン。
 日々の勉強がなかなか結果に表れず、過去問を解いても合格最低点にたどり着かずと、確固たる自信が持てない中での本番突入になってしまいました。
 得点開示のある1月校に合格はしましたが、ミスも多く、思う程の成績は出ませんでした。そのような中、さらに不安に追い討ちをかけるような出来事が勃発。
 塾からの帰宅途中で「サピックス合格Vバッジ」を落とし、大事な「家の鍵」を紛失し、おまけに「足首を捻り」自力で歩けないという、「落とす・なくす・こける」の不吉な3連発。正直このときは「運にも突き放されてしまった」と思いました。
 しかし、ここでまさかの奇跡が…。夜、ダメ元で家まで歩いてきた道を戻り、暗闇の中で合格Vバッジを探していると、前方に車のライトに照らされて光るものが! 近づいて見てみると、塾のカバンについていたはずのわずか2センチ四方の小さな合格Vバッジ。幸運にも見つけることができ、手元に戻ってきたのです。「まだ終わりじゃない! 最後まであきらめてはダメ!」。そう感じた瞬間でした。
 この奇跡で本人も心機一転、その後は市川、東邦と無事に合格。この合格は心に余裕を持たせてくれました。さすがに渋幕には力及びませんでしたが、先生からすぐにフォローの電話、最後の授業時には励ましの言葉をいただき、無事に2月1日を迎えることになりました(妻は31日にコロナに罹患してしまい、息子に感染しないかヒヤヒヤでしたが)。
 早稲田当日はこれまでとは異なり、朝からかなりリラックスした雰囲気でした。入り口で別れ、会場に入っていく息子の後ろ姿は、気負いもなく普段と変わらぬ様子。周囲と馴染んでおり4月からここに通う姿が目に浮かんできました。試験時間が終わり会場から出てきた息子の表情からは、ベストを尽くした満足感が滲み出ていました。受験を通して大きく成長した姿を実感することが出来、本当に嬉しく思いました。
 最後になりましたが、息子が毎回楽しく塾に通い続けることができたのも、ご指導してくださった先生方、お世話になった受付や警備の皆様方、そして切磋琢磨した仲間たちのお陰です。3年間、本当にありがとうございました。

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