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父と息子の受験狂騒曲 ~受験もサッカーも~
A.Mさん ●お子さんの名前 Sさん
聖光学院の第1回入試の合格発表は不合格。2月3日の入試を終えたばかりの息子にそのことを告げると、「まじ?」と、まさかの表情。その日の午後、普通部もまさかの繰上候補。合格可能性は毎回80%だったのに。1月受験の早稲田佐賀は特待合格、そのときの私たちは受験の成功を疑いませんでした。この時点で合格校が一つもないのは本当に苦しく、身をえぐられる思いでした。
息子が4年生の4月、「テストを受けて合格しないと入れない塾があるけど、受けてみる?」と聞いてみると、即答で「受けてみる!」。ダメ元で入室テストを受け、入室、中学受験という選択肢もあるなと漠然と思っていただけだったわが家の中学受験への挑戦が始まりました。
最初は下位クラスからのスタート、息子は「授業がすごく楽しい」とうきうきで通っており、有名塾はすべて塾にお任せでいいんだと親はノータッチでした。ところが、最初の組分けテストは悲惨な結果、息子は顔を真っ赤にして大泣きしました。本人と話し合い、やり方を変えなければと、夫のスイッチが入り、夫が算数と理科、私が国語と社会を担当し、次のマンスリーテストで成果を出すべく対策することにしました。夫はすべての復習内容に日にちを振り、息子は学校から帰って、サッカーの練習の前に確実にこなすようにしました。土日はサッカーの練習や試合で丸一日取られることもあるので、平日学校から帰ると遊びに行くことはなくなりました。父と息子、母と息子、マンツーマンでテスト前に対策をし、最初はとにかくできない問題が多く、夫もヒートアップしてしまい、ぶつかり合う日々、家庭が荒んでいくなか、それでも息子は受験をやめるとは言いませんでした。次のマンスリーテストでクラスが上がり、子どもの笑顔を見て、このやり方に自信を持ち、4年生の12月には最上位クラスまで上がることができました。
息子は地元のサッカーチームに入っており、土日の授業が始まるまでは塾以外の週4でサッカーをやっていました。土日の授業が始まるとき、私はサッカーは休ませようと思っていましたが、夫が譲らず、平日週3サッカー、週4塾、空いている時間はすべて復習という日常が始まりました。6年生の夏には中学ジュニアユースのセレクションを受け、これでやっとサッカーはひと休みかと思いきや、結局入試直前までこの日常は続きました。
土日の授業が始まるころ、塾の先生から「もうお父さんは手を放しても大丈夫ですよ」と言われ、息子は自主的に与えられたテキストを淡々とこなし、復習、テストの解き直しを徹底してやり、組分けテストやマンスリー実力テスト、サピックスオープンを一喜一憂しながらも楽しみながら進めていきました。
2月4日、聖光学院の第2回入試。この時点で合格は1校もないなか、息子が受験生受付へ向かう後ろ姿を見て、私も夫も涙が止まりませんでした。2月5日に聖光学院に合格。最後にここまで導いてくださった先生方、合格がなかったときに力強く励ましてくださり、ありがとうございました。
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