受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

緊急分析 2024年度首都圏中学入試の動向:
12|3

駒場東邦と早稲田が人気
麻布、武蔵、栄光学園などは減少

 次に、2月1日以降に入試を行った東京都と神奈川県の男子校と共学校男子の状況を見ていきます。開成の応募者は昨年より30名減って1259名になりましたが、その昨年が近年では最多でした。受験者は3名減っただけで、実質倍率に変化はありません。同校は創立150周年を迎えた2021年、高校の教室などが入る新校舎のA棟が完成し、2023年夏には、特別教室などが入るB棟と、図書館などが入るC棟も完成しました。こうした要因もあって、引き続き高い人気を維持しているといえます。麻布は92名減少して826名、武蔵は55名減少して546名でした。どちらも約1割の減少です。

 増加したのは駒場東邦で、611名から644名になりました。ほかに増加したのは攻玉社①、サレジオ学院A、芝①、巣鴨Ⅰなどです。例年、女子のほうが多い渋谷教育学園渋谷①は、男子のみ増加で、海城①、本郷①は大きく減少しました。

 早稲田①は25名増加し855名になりました。同校は進学校と付属校の両方の側面を持ちますが、卒業生のほぼ全員が推薦で系列大学に進学できる早稲田大学高等学院中学部は49名減少し416名になりました。慶應義塾普通部も減少でしたが、早稲田実業学校は5年ぶりに増加に転じ、男子は52名増えました。

 1日午後入試では獨協が好調で100名以上増加しました。獨協医科大学への推薦枠があることが注目されています。

 2日は栄光学園が100名以上減少し、昨年の816名が今年は705名となりました。聖光学院①も減少で、渋谷教育学園渋谷②も1日とは異なり減少しています。増えたのは渋谷教育学園幕張②で、男子は332名から371名になりました。この日も攻玉社②の増加が目立ちました。桐朋②、本郷②も増加しましたが、城北②、巣鴨Ⅱ、世田谷学園②などは減少しました。付属校・系属校では、慶應義塾湘南藤沢が増加に転じたほか、学習院①、明治大学付属明治①、明治大学付属中野①が好調でしたが、2日に1回だけ入試を行った青山学院は減少です。

 3日は前述したように筑波大学附属駒場が増加したほか、早稲田②も好調でした。69名増で1460名となり、近年では最多です。前日に増加した学習院②と明治大学付属明治②はこの日も増加でした。海城②は1日に続いて減少となりましたが、浅野は数を維持しています。

 4日の巣鴨Ⅲ、5日の本郷③は2年連続の増加でした。難関校志望者の4日、5日の応募先として定着しています。聖光学院も4日の②は増加し、7年ぶりに応募者750名を超えました。

横浜雙葉が一般入試を2回実施
湘南白百合1日午後は算国とも受験可に

 女子校と共学校女子の状況はどうだったでしょうか。今年、創立100周年を迎える桜蔭は昨年の629名から減少して591名になりましたが、2月1日が日曜日に当たった2015年と昨年以外では近年で最多です。新校舎(東館)の工事が行われていましたが、昨年秋に完成し、教育環境がいっそう充実しました。

 昨年は700名ちょうどだった女子学院は8名の増加で、ほとんど変化がありませんでした。雙葉も昨年とほぼ同じ約400名となっています。この両校は今年、4年ぶりに面接を実施しました。

 2021年、2022年は面接を中止したものの、2023年は復活させた学習院女子Aは、今年は正式に面接を廃止したということも影響したのか、大きく増加しました。東洋英和女学院Aは2年連続の増加ですが、昨年増加した立教女学院(一般)は減少しました。

 フェリス女学院は19名の減少で431名になりました。横浜雙葉の一般入試は従来、1日午前に1回だけでしたが、今年は2日午前にも行いました。その分、1日の定員が減りましたが、応募者は1日だけで比較してもむしろ増加しました。

 鷗友学園女子①、吉祥女子①、洗足学園①といった近年人気の学校群は、1日午前はそろって減少しました。渋谷教育学園渋谷①も女子は減少です。早稲田実業学校は男子と同様、女子も5年ぶりに増えましたが、男子ほどの大幅な増加ではありませんでした。

 湘南白百合学園の1日午後入試は、昨年は算数・国語の選択制でしたが、今年は算数・国語の両方を受験できるようになり、算数が大きく増加しました。東京女学館と普連土学園も、1日午後入試の応募者を大きく増やしました。普連土学園は午前入試もすべて増加しています。

 2日は、新設の横浜雙葉②に306名が応募しました。同日に入試を行う白百合学園(一般)と湘南白百合学園(一般4科)はやや減少しました。吉祥女子②は昨年並みでしたが、渋谷教育学園渋谷②、洗足学園②、豊島岡女子学園①は減少しました。明治大学付属明治①は男子と同様に増加で、青山学院は減少でした。慶應義塾湘南藤沢は、女子は男子とは異なり増加しませんでした。

 3日も学習院女子Bと明治大学付属明治②が増加する一方、鷗友学園女子②と豊島岡女子学園②は減少しました。2月4日の豊島岡女子学園③、5日の渋谷教育学園渋谷③、洗足学園③はいずれも減少でした。この3校は2月に3回行われる入試のすべてで応募者減です。高倍率の厳しい入試状況が続き、敬遠されたとみられます。

 なお、来年は2月2日が日曜日に当たります。日曜日の礼拝を重んじるプロテスタント校である青山学院は、入試日を3日に変更することをすでに発表しています。

(取材協力/森上教育研究所)

2月入試 主な男子校・共学校男子の応募者の増減(2023年→2024年)
2月入試 主な男子校・共学校男子の応募者の増減(2023年→2024年)
2月入試 主な女子校・共学校女子の応募者の増減(2023年→2024年)
2月入試 主な女子校・共学校女子の応募者の増減(2023年→2024年)
緊急分析 2024年度首都圏中学入試の動向:
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2024年度
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2024年度中学入試特集

首都圏2024年度中学入試レポート緊急分析 2024年度首都圏中学入試の動向

関西圏2024年度中学入試レポート緊急分析 2024年度関西圏中学入試の動向
速報 主要校の2024年度入試結果DATA一覧

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