さっぴーの社会科見学へ行こう!
1作字 |
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「この建物は、大正時代に建てられた大日本印刷の事務棟だったのか。時計台もあるよ。青空に映えていい感じ!」 |
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「館内では、活版印刷の流れを六つの工程に分けて紹介しているよ。最初は『作字』ね。活版印刷では、まず文字を作るところからスタートするのね。活字の元になる『原図』を、1文字ずつ紙に書いてデザインするよ」 | ||
「原図ができたら、これに沿って活字の型となる『母型』を作るよ。わあ、展示されている、針が付いた機械を見て。これを使って、真ちゅうの板に文字を彫刻して母型を作るんだね」 | ||
「母型は同じ文字でも、書体ごと、文字のサイズごとに用意しなきゃならないから、昔の大日本印刷は約30万本の母型を持っていたのね。すごい数だなあ」 |
2鋳造 |
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「次は『鋳造』だね。活字鋳造機に母型をセットして、そこに360℃に熱したどろどろの鉛合金を流しこむ。そしてすぐに水で冷やすと、固まって1本の活字が出来上がるのね」 | ||
「活字はそのまま印刷に使うものだから、高さや幅、文字の中心などがそろっていないと、印刷にむらができてしまう。だから1本1本、品質をチェックする必要があるんだね」 | ||
「チェック用の道具も並んでいるよ。たった1文字の活字を作るだけでもこんなに手間がかかるなんて、昔は大変だったんだなあ」 | ||
「ちなみに、活字を作るときに鉛を使うのは、鉛が柔らかくて加工しやすいから。繰り返し使ううちに傷がつくため、古くなった活字は溶かして再利用していたそうだよ」 |
3文選 |
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「次は『文選』のコーナーだ。うわあ、『ウマ』と呼ばれる木の棚に、ひらがな、カタカナ、そして基本となる約2500種類の漢字が詰まっているよ。ここから原稿に合わせて1文字ずつ活字を拾って、文章にしていくことを『文選』っていうんだね」 | ||
「漢字は見つけやすいように、よく使う順に並べられているよ。特殊な漢字は別の棚にあるから、もし原稿で使われていたら、その棚を探す必要があるんだって」 | ||
「あっ、棚の横に文選の体験コーナーがあるよ! 『文選工』と呼ばれた職人さんが作業している映像を見てみると…。おおお、やっぱり動きがスムーズだな」 | ||
「よーし、わたしも挑戦してみる! うーん、活字が多すぎて、なかなか目的のものが見つからない。職人さんは1文字を2~3秒で見つけるっていうからすごいよね」 |
アルバイトの文選工も活躍
日本では、19世紀後半に活版印刷が一気に普及した。明治時代から昭和時代にかけては、特定の会社に所属せず、仕事に応じていろいろな会社で働く文選工もたくさんいて、あちこちの現場に顔を出していたそうだよ。宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』にも、主人公のジョバンニが文選のアルバイトをする場面があるから読んでみて。
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