受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さっぴーの社会科見学へ行こう!

施設見学 極地調査の様子を学べる 国立極地研究所 南極 ・北極科学館にやってきました!

南極観測の歴史

女の子 「うわぁ、館内は貴重な資料でいっぱい。まずは南極観測の歴史から見てみよう。日本が初めて南極探検を行ったのは、100年以上前の1911~12年だったのね」

男の子 「初探検を支えた木造船・開南丸の模型や、1950年代の観測隊が使った犬ぞりの実物も置いてあるね。当時の旅は、本当に命がけだったんだろうなあ」
女の子 「あっ、雪上車! これは日本が1968年に陸路で南極点到達をめざしたときに、特別に開発したものなのね。観測隊はこの車で5か月かけて、海沿いの昭和基地と南極点を往復したんだ」
男の子 「こっちは歴代の南極観測船の模型だね。初代の宗谷、2代目のふじ、3代目と4代目のしらせ。どの船も氷を砕きながら進む機能を持っているんだ」

発見昔の雪上車のボディーは黒

さっぴー 南極はとにかく寒く、平均気温も北極より低いので、1968年に南極点に向かったときは雪上車のボディーを黒く塗装したんだ。黒は太陽光を吸収しやすく、暖房効果を高められるからだよ。現在の雪上車は、雪のなかでも目立つように赤色やオレンジ色に塗られているよ。

大気・氷から地球環境を探る

男の子 「えっ、この氷は南極から持ち帰った本物なの!? ふうん、南極の氷は大気の泡を含んでいて、溶けると泡がはじけるんだ。耳を澄ますと…。本当だ、パチパチと音がしてる!」

女の子 「壁際には長いドリルも横たわっているよ。太古の南極の様子を探るために、これで氷床の表面から3000mも下にある、72万年前の氷を掘り出したんだって。すごい仕事だなあ」
男の子 「氷の状態の解説もあるね。氷の粒の氷晶、ハスのように水面に浮かぶ蓮葉氷…。ひと口に氷といっても、たくさんの種類があるんだなあ」
女の子 「見て、小さな気球がつってある。これに気象観測装置のラジオゾンデを付けて飛ばし、大気の状態を調べるのね。この観測は1日に2回、世界同時に行うのが基本なんだって」

コラム TACHIHIオーロラシアター

「TACHIHIオーロラシアター」写真

 館内のいちばん奥の一角には、直径4mの全天ドームを備えたシアターがあるんだ。ここで終日上映されているのは、研究員が南極・北極で撮影してきた本物のオーロラ映像だよ。神秘的な美しさに浸ってみて。きっと息をのむよ。

23年12月号 さっぴーの社会科見学へ行こう!:
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