受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

そこが知りたい!

合格までの最後の10か月を完全解説サピックスは「受験学年」をこう指導する

9月から始まるSS特訓 同じ目標を持つ仲間と
励まし合い高め合って力を伸ばす

 秋を迎えると、いよいよSS特訓が始まります。9月から1月までの日曜日に行われるSS特訓は、受験当日に最大限の実力を発揮できるようにするための集中特訓で、「志望校別講座」と「単科講座」の2種類の授業によって構成されています。

 「志望校別講座」では志望校別に分かれたコースで、それぞれの学校の出題傾向に照準を合わせた学習を進めていきます。一方、「単科講座」は全部で6講座。苦手科目や弱点分野を克服する、あるいは、さらなる実力アップを図るために、教科別に設定されています。自分の志望校の出題傾向やその時点での実力に合わせて2講座を選択し、受講します。

 こうして1回のSS特訓では、「志望校別講座」が4コマ(各80分)と「単科講座」が2コマ(各100分)実施され、9時から18時45分まで、昼食を挟んで合計520分の授業が行われます(※)。「こんなに長時間なのか」と驚くかもしれませんが、本格的な志望校対策を行う、サピックスが最も自信を持っている講座です。

 非常にハードな印象を受けるSS特訓ですが、卒業生に話を聞くと、「つらかった」と答える人はほとんどいません。むしろ「同じ学校をめざす友だちができて楽しかった」などと、良い思い出として振り返る卒業生が大半です。その理由として、溝端先生は「同じ志望校をめざす仲間と、同じ教室で学ぶことで、一体感が高まるようです」と説明します。

 気持ちを一つにして、くじけそうな友だちを励ましたり、逆に自分が励まされたりすることで、子どもたちはこの大変な時期を乗り越えていくことができます。自分と同じ学校を志望する生徒は、普通ならライバルですが、サピックス生は「負けるものか」と思う一方で、「仲間と一緒に合格して、春から希望する学校に通うぞ」という強い気持ちを抱いています。それが日々の学習を支える原動力となっているのです。

※講習や特訓の日程および時間帯は、年度により異なることがあります。

合格の可能性を探る公開模試 多角的に合格の可能性を分析
入試本番に近い環境で自分の力を試す

 SS特訓と並行して、9月から12月にかけて行われるのが「合格力判定サピックスオープン」「学校別サピックスオープン」という公開模試です。

 「合格力判定サピックスオープン」は、知識力や解法力、問題処理能力を問うもので、SS特訓のカリキュラムの一環として実施されます。受験校を絞り込むための目安となる基礎学力の定着度を測り、それを踏まえて10校までの志望校の合格可能性を判定します。

 一方の「学校別サピックスオープン」は、学校別に作成された“予想問題”に挑む公開模試です。対象となる学校の出題傾向を徹底的に分析したうえで作問するため、「学校別サピックスオープンに出たものとよく似た問題が、実際の入試で出題された」ということが何度もあります。

 これらの公開模試のなかには、サピックスの校舎以外に、中学校会場でも受験できるものがあるため、本番さながらの雰囲気を体験できます。2024年度の「合格力判定サピックスオープン」は、浅野中・鷗友学園女子中・栄東中・芝中・渋谷教育学園幕張中・聖光学院中・豊島岡女子学園中などで実施されました。

 このように、サピックスの公開模試では、本番に近い環境で自分の力を試すことができるので、精度の高い判定や弱点補強の指針が得られます。

年間スケジュール ※関西校舎では、後期スケジュールが一部異なります。
●年間スケジュール

25年4月号「そこが知りたい!」シリーズ Vol.1:
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