そこが知りたい！
生活面
睡眠時間をしっかりと確保する
何より大切なのは体調管理
入試本番が近づいてくると、つい無理をしてしまいがちですが、計画どおりに学習を進めるためにも、体調管理に注意を払うことが何よりも大切です。まず必要なのが睡眠。頭と体の疲れをしっかり取るよう心がけましょう。
睡眠不足になると疲れがたまり、体調を崩しやすくなるだけでなく、集中力も低下します。学習効果を高めるためにも、睡眠時間は十分に確保しましょう。また、特に気をつけたいのが、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症です。できる限りの対策をしましょう。
さらに、ウイルス性胃腸炎などにも注意が必要です。家族みんなで手洗い・消毒を励行しましょう。インフルエンザなどの予防接種を受ける場合は、早めに済ませておくと安心です。
規則正しい生活を送り
時には息抜きをしてリフレッシュ
本番が近づいてきても、できるだけそれまでのペースを守り、規則正しい生活を送ることが大切です。多くのご家庭では、学習のなかに息抜きを上手に組み込んで、お子さんがリラックスできる時間を作っていました。
「運動不足を解消するように心がけていました。サピックスからの帰路は、たいてい公共交通機関ではなく、親とジョギングや徒歩で帰宅しました。その際の会話も気晴らしになっていたかもしれません」（筑波大学附属駒場中）
気分転換になればと、時間を決めて、ゲームや趣味などを認めていた保護者の方も多いようです。この場合に気をつけなくてはならないのは、時間を区切って、学習と休息のめりはりをきちんとつけることです。
その他
受験は「結果」だけではなく
経験から得たものをこれからに生かす
この時期に特に大切なのは、お子さんがこれまで積み重ねてきた努力を信じてあげることです。お子さんの力は入試当日まで伸びます。保護者の方が先にあきらめてしまってはいけません。お子さんが本番で力を発揮できるようにサポートしてください。
入試が始まってから、たとえ不合格になった学校があったとしても、そこから十分に挽回できます。「満足な結果が得られなかったことで、逆に気合が入った」という声もありました。
「不合格も経験しましたが、先生は『彼女は、大きく失点してしまった後は、ものすごく集中して、必ず良い点を取るんですよ。だから次は大丈夫です！』と言ってくださいました。わたしが知らない娘の姿を、先生は見てくださっていること、また、そんな娘の姿があることに、胸が熱くなりました。先生は、娘にもアドバイスをして勇気づけてくださいました。不合格にもめげず、受験会場に入っていく後ろ姿は、とても頼もしかったです」（鷗友学園女子中）
直前期のラストスパートで、一気に集中力を高めて躍進することもあります。この段階では本人を信じて見守る姿勢が大切です。
「息子の直前1か月のがんばりは本当に過去にも見たことがないくらい勢いのあるものでした。わからない問題は解けるようになるまで何度も取り組み、不安をなくしていきました。受験勉強をみずから責任を持ってやるようになった姿を見て、うれしくなりました」（早稲田中）
入試の結果はもちろん大事ですが、受験から得られるものは、「結果」だけではありません。さまざまな収穫が得られたという意見も多く寄せられました。
「合格をつかんだ感触を、娘には忘れないでほしいです。同時に、先生やスタッフの皆さまや勉強仲間をはじめ、ここに書ききれないくらい多くの人への感謝の気持ち、また、健康で平穏に過ごせる日々の尊さも、忘れないでほしいです」（広尾学園中）
「中学受験を通して、息子は『最後にがんばったけど、最初からもう少しがんばっていたらトータルで楽だったかも』と感じたことでしょう。長い人生のなかで受験は一つの過程に過ぎず、息子にとって重要な局面は今後いくらでもやってきます。この経験を胸に、これから勉強や部活、趣味などに緩急をつけて取り組み、彼らしい人生を送ってほしいと思います」（駒場東邦中）
「2月1日の前夜に先生がくださった激励電話での、『結果よりもここまで来られたことがすごい』ということばがすべてだと思います。受験を経験した息子にとって、いちばんよかったことは、『勉強のおもしろさを知ったこと』だと思います」（桐朋中）
「サピックスでは、多くの優秀な友だちに囲まれ、切磋琢磨しながら、常に高みをめざして努力する経験ができました。この経験こそが、息子が中高6年間を過ごしていくうえで、貴重な財産になっていくと思います」（聖光学院中）
中学受験は、お子さんの人生において、夢や目標を実現するうえでの一つの通過点です。「みずから学ぶ姿勢が身についた」「周囲で支えてくれる人たちへの感謝の気持ちが湧いてきた」という本人の声もあります。合格以外にも得られるものは大きいのだと、受験生活を大きな視点でとらえることも、サポートするうえで必要になるのではないでしょうか。
すべての保護者の方に、この中学受験が「実り多きものだった」と振り返っていただけるよう、サピックスでは入試までの残りの日々を全力でサポートしていきます。
- 24年12月号「そこが知りたい！」シリーズ Vol.5：
- １｜２
「直前期、家族みんなで体調管理に気をつけるようにし、睡眠は9時間ほどとるようにさせました。疲れたときは、温かいはちみつレモンを作って飲ませると、『おいしい』と飲んでリラックスできたようでした。最後は、悔いの残らないように、全力を出し切ってほしいと願うだけでした」（聖光学院中）