そこが知りたい!
受験学年の6年生にとって、勝負の夏がやってきます。約40日間の夏休みをどう過ごすかが来春の入試結果に大きく影響するからです。サピックスでは、「夏期講習」と「夏期集中志望校錬成特訓」の二つの特別講習を開講します。秋以降のより実戦的な受験対策に備えて、夏休みにはどのように学習を進めていけばよいのでしょうか。この春、志望校への合格を果たしたサピックス卒業生の声も交えながら、夏休みの過ごし方をご紹介します。
18日間の「夏期講習」と
5日間の「錬成特訓」を実施
6年生の夏休みといえば、志望校も絞り込まれ、受験本番への意識が高まってくる時期です。9月から始まる難関校SS(サンデー・サピックス)特訓や、志望校の過去問演習などの本格的な受験対策を前に、まとまった学習時間を確保できる貴重な期間なので、より有効に活用するために、受験生としての自覚をしっかり持って、悔いのないように過ごしたいものです。
サピックスでは、7月下旬から「夏期講習」を開講します。日数はお盆休みを挟んで18日間です。5年生のとき(20日間)より2日少なくなりますが、一日当たりの講習時間は6時間で、一日3時間だった5年生のときに比べると2倍になります。
13時30分からの講習の場合、まずは30分の小テスト二つに続いて、14時30分から100分授業を3コマ行い、19時30分に終了という編成になっています(授業時間帯は、校舎・日程によって異なります)。
そして、夏の総仕上げとなるのが、8月後半に行われる「夏期集中志望校錬成特訓」です。これは、志望校の出題傾向に焦点を当てた内容の濃い授業を、一日360分、全5日間の日程で行うものです。秋からの実戦的な受験勉強を前に、志望校をしっかりと意識し、本番に向けてモチベーションを高める狙いがあります。実際に受講したサピックスの卒業生からも、「夏期講習では、わからないところは授業で理解しようと意気込み、復習も完璧にすると決めて臨んだので、秋になって結果を残すことができた」「錬成特訓では、同じ学校をめざすライバルでもあり、仲間でもあるクラスメートのがんばりを見て、『本気で取り組まなくては』と気持ちが引き締まった」などという感想が多く寄せられています。
●2023年度 6年生夏期特別講習スケジュール
夏期講習(全18日間)
■日 程 7/21(金)~8/18(金)のうち18日間
■時 間 13:30~19:30(100分授業×3コマ+小テスト30分×2コマ)
※日程・時間・休講日は校舎によって異なります。 ※上記日程に加え、8/26(土)にテストを実施します。
夏期集中志望校錬成特訓(全5日間)
■日 程 8/17(木)~24(木)のうち5日間
■時 間 13:30~19:30(80分授業×4コマ+小テスト40分)
※日程は校舎によって異なります。 ※一部の校舎では開講しません。
規則正しい生活を心がけ
「総復習」と「基礎固め」を徹底
6年生の夏休みは、まとまった学習時間を確保できる絶好の機会です。夏期講習のある日かない日かにかかわらず、毎日同じように規則正しい生活を心がけ、家庭学習に集中しましょう。
ポイントとなるのが、学習の内容です。サピックスの授業では、6年生の夏休み前の段階で、すべての教科で受験に必要な基礎知識を学び終えています。そのため、夏期講習では、4教科とも徹底した総復習が行われます。ここできちんと基礎力を定着させておけば、秋以降に応用力・実戦力を鍛えるための確かな土台となります。つまり、夏休みは「まだ完全には定着していない基礎力を固めるための時期」なのです。
なかには、少しでも先に進みたいと考えて、難度の高い問題や志望校の過去問に手をつけるお子さんも例年いますが、志望校の過去問に取り掛かるのは、夏期講習を終えてからでも十分間に合います。基礎が固まっていない状態で難問や過去問に取り組んでも、満足のいく結果が出るはずもなく、学力を積み上げていくことにはなりません。
夏休みはこれまでに習ったところの「総復習」と「基礎固め」に重点を置きましょう。そして、サピックスの講師の指示に沿って、『有名中学入試問題集』などでさまざまな傾向の問題に触れておくことも重要だと考えてください。
●サピックス生は夏休みにこれだけ勉強した
上の円グラフは、今春のサピックス卒業生に行ったアンケートの結果です。家庭での学習時間について、サピックスのある日は、60%以上が「3時間以上」と回答。一方で、サピックスのない日は、半数以上が「7時間以上」と答えています。
全教科をバランスよく復習し
弱点克服と基礎力アップをめざす
全教科にわたって基礎力をバランスよく定着させるためには、これまでに学習した範囲のなかで自分はどこが苦手なのかをしっかりと把握して、弱点の克服に努めることが大切です。夏休みの間にその弱点分野にじっくりと取り組み、苦手意識をなくしておきましょう。秋以降はSS特訓も始まり、受験対策が本格化していくため、腰を据えて弱点に向き合う時間は取れなくなります。
麻布中に進学したY・Kくんは、次のように振り返ります。「夏期講習では基礎固めを意識してこつこつと学習に取り組みました。苦手な理科は寝る前に『コアプラス』で知識をつけました。夏期講習が終わると、周りは少し気が抜けた雰囲気がありましたが、ぼくは気を抜かないように気をつけました。国語と算数は時間をかけて思考力を磨く必要があるので、秋以降も力を入れました」
一方、雙葉中に進学したI・Tさんは、「6年生の夏休みは、毎日、復習を怠らず、確実に頭に入れるように、それまででいちばん勉強しました。特に苦手な算数は、全分野を復習するチャンスなので、ノートを使って1問ずつ解くことを何度も繰り返しました」と話します。
まとまった学習時間を有効に使って、苦手な分野を克服するとともに、どの教科もバランスよく復習を行い、全体的な基礎学力の底上げをめざしましょう。
- 23年8月号「そこが知りたい!」シリーズ Vol.3:
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