受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

緊急分析 2024年度関西圏中学入試の動向:
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関関同立の付属校は引き続き堅調
“関大系列”は昨年度の反動で微減

図表5 関関同立系の直近3年間の応募者数の推移(全日程合計)

 続けて、大学付属校を見ていきましょう。図表5は関関同立の付属校・系属校の応募者数推移をまとめたものです。表に掲載した12校の総応募者数は8662名で、昨年度の8519名よりもやや増加しました。近年の傾向どおり「関関同立の付属校・系属校は少子化が進むなかでも堅調」といえる状況でした。ただ、系列ごとに見ると、昨年度の反動で“関大系列”3校が微減でしたが、逆に“関学系列”の学校は微増でした。隔年現象でもあり、全体としては安定した人数を集めています。

「前受け入試」の状況
12月の受験が一般化

 統一解禁日前の入試、いわゆる「前受け入試」についても触れておきます。新型コロナウイルスの流行によって、前受け入試の状況は大きく変わりました。

 以前は、統一解禁日の直前、つまり1月の第1週から第2週にかけて受験をするのが一般的でしたが、新型コロナの流行が始まってからは、本番直前にリスクを負いたくないと考える受験生が増加し、12月中に前受け入試を済ませてしまう動きが目立つようになりました。主な学校は、岡山(B方式)で、この3年間で出願者数は、1645名→1754名→1941名と増えています。

 もちろん、1月に前受けする受験生がいなくなったわけではありません。関西会場を設ける愛光、北嶺、香川誠陵、函館ラ・サールが中心ですが、特に今年度は統一解禁日が13日と早かったために、直前の前受けを控える動きが見られました。

サピックス生の受験状況
午後入試の受験率は高止まり

図表6 サピックス生の日程・時間帯別受験率(2024年度)
図表6 サピックス生の日程・時間帯別受験率(2024年度)

 ここからは、今年度の関西校舎のサピックス生(以下、サピックス生)の入試動向に触れていきたいと思います。まずは、前受け入試からです。2024年度は、全体の68.7%の生徒が12月に前受け入試に臨みました。そして全体の22.9%の生徒が1月中に前受けしました。コロナ禍後、12月中の前受け入試が一層定着していることがこのデータからも読み取れます。

 続いて、統一解禁日以降の動向を見ていきましょう。直近3年間の受験生1人当たりの平均受験校数は4.41校→4.20校→4.07校と推移しています。なお、2日間にわたって入試を行う学校を受験した場合や、同じ学校を2回受験した場合は、いずれも2校とカウントしています。

 図表6は、今年度のサピックス生の日程・時間帯ごとの受験率(全生徒の何%がその日程・時間帯に受験したのか)を示したものです。近年、初日と2日目の午後の受験率が上昇傾向にありますが、今年度も同様の結果になっています。関西全体として午後入試を活用した受験パターンが浸透してきているので、早ければ最初の2日間で受験が終わってしまう“超短期決戦”になっています。最近は、1日目の午前・午後、2日目の午前・午後と2日間で4回の入試を受けることも珍しくなくなってきており、とにかく早い段階で合格校を一つは確保できるように、午後入試を駆使して受験パターンを組むのが一般的です。その際、午前入試の終了時刻と、午後入試の集合時刻によっては、移動が間に合わない場合も出てきます。試験会場の移動距離を考慮したうえで、受験校を検討していきましょう。

図表6 サピックス生の日程・時間帯別受験率(2024年度)
図表6 サピックス生の日程・時間帯別受験率(2024年度)

 また、3日目以降は、前の日程の入試結果によって、何種類かの受験パターンを想定しておくことも大切です。インターネット出願が主流になった今、出願自体は直前でも間に合うケースが多いですが、直前の出願ができない学校もいくつかありますので、慌てないためにも、事前の情報収集とシミュレーションはしっかりとしておきましょう。

学校選びは急がなくてもよいが
情報は早めに収集するのがよい

 志望校自体は、5年生の後半から6年生の夏にかけて決めれば十分に間に合いますが、実際に学校に行ったことがないと、「ホームページや学校ガイド、偏差値表などで名前は知っているが、学校のイメージが持てない」ということが起こり得ます。6年生になると学習のほうが優先され、学校見学の時間をとりにくくなります。第一志望にするような学校は、4~5年生のうちに文化祭などの機会を利用して訪問し、そのほかの学校は、6年生になったら保護者の方が学校説明会などに幅広く行くのがよいでしょう。偏差値表の上のほうにある学校が必ずしも本人にとってのよい学校とは限りません。本人が明確な目標を持つことはとても大切です。そのためにも、いろいろと話し合いましょう。 「○○部に入りたい」「短期の海外留学をしたい」「ボランティア活動に興味がある」のほか、「図書館の居心地」「自習室や食堂の充実に関心がある」など、本人のこだわりがわかれば、そこから調べていきましょう。学校によりさまざまな特徴があります。距離が遠くても電車で席に座れたり、乗り換えがなかったりすれば疲れ方も違います。初めから絞り過ぎると、選択の幅が狭くなります。初めは幅広く見て回るようにしましょう。

緊急分析 2024年度関西圏中学入試の動向:
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2024年度
中学入試特集目次
2024年度中学入試特集

首都圏2024年度中学入試レポート緊急分析 2024年度首都圏中学入試の動向

関西圏2024年度中学入試レポート緊急分析 2024年度関西圏中学入試の動向
速報 主要校の2024年度入試結果DATA一覧

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