未来を期待される学校
(「24年11月」より転載/24年10月公開)
学校行事は生徒主体の運営
各学年で行う宿泊行事も充実
広野 6年間を過ごすうえで、学校行事も非常に大事だと思いますが、どんな行事を実施していますか。
尾﨑 体育祭、学園祭、合唱コンクールの三大行事が主流です。運営は生徒が主体となって自分たちで議論して進め、教員はあくまでもサポートに徹します。ただし、学園祭は学術ベースで開催します。たとえば、展示や発表は、本科であればこれまでに学んだゼミでの成果、インターであればプレゼンテーションなどです。学術的な学びを大切にしているので、模擬店を出す際に損益分岐点なども考える必要があります。それぞれの出店場所を決めるときにも、「校舎の入り口に近い場所の値段は高め、逆に奥まった場所は安め」のように場所代を設定し、入札をするといったことも行っています。
広野 おもしろい試みですね。宿泊行事は実施していますか。
尾﨑 中1では、まずは入学直後に開催される2泊3日のオリエンテーションがあります。これは生徒同士が絆を深めて、お互いを知るイベントです。「本校でどう過ごしたいか」を考えさせるプレゼンなども行っています。今年は「これから先に起こりうることを想定した劇を自分たちでつくる」といったことも実践しました。中2の林間学校では、クマと人間の関係性をはじめ、野生の生態系について調べる研修を行い、中3では京都・奈良の研修に出掛けて、日本文化を学びます。京都・奈良の研修は、海外生活が長いAG生にとっては新たな学びがあるようです。(※中3の研修は、行き先を海外に変更することを含め、新プログラムを構築予定)
広野 まずは、これから先の6年間をどう過ごすかを考えることから始まり、日本の伝統を勉強したうえで、その先に海外研修プログラムを用意しているのですね。進路指導についての特徴や工夫も教えていただけますか。
尾﨑 本科もインターも、キャリアプログラムは意識的に入れています。面談においては、コーチングのような形で、「生徒が本当にしたいことは何か」を中学の段階から引き出すようにしています。また、総合型選抜や小論文の対策には、これまでも力を入れていたので、その伝統を生かしつつ、これから先の入試でもより強化する予定です。16名の外国人教員から得た情報を活用し、海外大学に関しても「どんな大学があるか」「奨学金が必要か」などを正確に伝えていきます。
広野 受験生とその保護者の方にメッセージをお願いします。
尾﨑 今年は3期生を迎え、中1にハイブリッドクラスを開設するなど、新しい施策を打ち出しましたが、今後も学びをどんどん進化させていきます。これまでに確立してきた本科とインターの教育も、しっかりと成果が出てきているので、「多様な環境で、さまざまな人たちと接しながら、国際色豊かな英語環境で学んでいきたい。世界市民をめざしていきたい」という方には、ぜひ本校の受験を考えていただければと思います。
ONE POINT CHECK サピックスのワンポイントチェック
同校はクラブ活動においても、生徒の主体性を尊重。上限週3日の活動日のなか、活動目標の設定や練習日程、練習メニューは生徒がみずから決めています。さらに、インテリジェンス・ワークシートといった専用プリントでセルフチェックするなど、勝敗や成果だけではない学びを大事にしています。また、クラブを新設するには、規定人数を集め、プレゼンを行って教員や上級生の許可を取るなど、PBL型授業で身につけた力を発揮する場にもなっています。
INFORMATION
学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。 |
生徒インタビュー
多様な環境のなかで 切磋琢磨しながら 充実した学校生活を送る
R.Yさん(前列左・中2本科)、Y.Yさん(前列右・中3インターSG)、
L.Pさん(後列左・中2インターAG)、K.Tさん(後列右・中3本科)
広野 この学校を志望した理由を聞かせてください。
K.Tさん 苦手な英語を克服するために、英語に特化した学校に行きたいと思ったからです。帰国生も多く、多様な考えを持った人と出会えるのではないかという期待もありました。
Y.Yさん 星美学園小学校からの内部進学でインターSGに進みました。SGを志望した理由は、仕事で英語を使う父の姿にあこがれたからです。
R.Yさん カトリックの世界や校風にあこがれたことがきっかけです。かわいい制服にもひかれました。
L.Pさん 小学校はインターナショナルスクールだったので、自分の強みは英語にあると考え、インターAGを志望しました。入学後は、個性豊かな人たちと共に、一般的な日本の中学校での経験ができて、とても楽しい学校生活を送っています。
広野 所属しているクラブについて教えてください。
K.Tさん 野球部です。中1のときの部員は4名でしたが、今は3期生までそろい、13名になったので対外試合を行うこともできます。
Y.Yさん テニス部所属です。アカデミーに入っていて、全国大会への出場経験もあります。今後もがんばって実力を伸ばしていきます。
R.Yさん ダンス部です。活動日は週3日なので、ふだんは気持ちにも余裕がありますが、大会前の練習はかなりハードです。
L.Pさん 吹奏楽部です。部員数は十数名ほどで、まだあまり多くはありません。ぼくはクラリネットを担当しています。
広野 得意教科とその理由を教えてください。
K.Tさん 社会が得意です。中2の定期テスト前に勉強会を開催し、先生も交えて友だちと苦手分野や授業の復習をしたことで、成績が上がりました。PBL型授業は、自分の意見を主張できるだけでなく、人の意見を聞いて、新たな発見ができるところがおもしろいです。
Y.Yさん 数学です。先生が個別に作成してくださる、思考力を鍛えるようなさまざまな問題に挑戦するうちに得意になりました。
R.Yさん 国語が得意です。特に国語のPBL型授業で、自分が知らないことを論理的に考え直すのが得意になりました。今日の授業でのトリガークエスチョンは「常識とはどのように生じるのか」でした。みんなの意見を聞くのも毎回楽しみです。
L.Pさん 数学です。小学生のときは算数が大嫌いでしたが、入学後は、先生が苦手な分野を楽しく学べるように指導してくださったので、数学に興味を持つようになりました。おかげで計算力もどんどん向上し、今ではいちばん得意な教科です。
広野 入学後、成長したと感じるのはどんなところですか。
K.Tさん 思考力です。今、生徒会長を務めていますが、生徒主体の運営なので、会議などを通して、思考力を駆使することが多く、その積み重ねで成長したと感じています。
Y.Yさん 英語力です。小学生のときに英検®準2級を取得したものの、2級は不合格でした。しかし、中学では自然に英語を耳にする環境になって、リスニングのスコアが伸び、昨年は2級を取得することができました。
R.Yさん コミュニケーション力と主体性です。小学生のときは委員などに立候補もできないほど内気な性格でしたが、この学校で帰国生をはじめ、多様なタイプの人と話しているうちに、コミュニケーション力が上がっていました。発言の機会も多く、みんなをまとめるような役割も担うようになりました。
L.Pさん 自信を持てるようになったところです。入学前は自分の意見に自信が持てず、発言なども控えていました。しかし、「日本語が難しい」と言っている人たちが、臆することなく自分の意見を日本語で伝えている姿を見て、自信を持たなければいけないなと気づかされました。それからは、苦手なことでも恐れることなく、率直に話せるようになってきたと思います。
※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
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