未来を期待される学校
(「24年11月」より転載/24年10月公開)
サレジアン国際学園
中学校高等学校
新校舎建設や新しいクラス編成で
21世紀に必要な力を育てるための
学習環境をさらに充実させる
所在地〒115-8524 東京都北区赤羽台4-2-14
交通JR「赤羽」駅より徒歩10分、東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道「赤羽岩淵」駅より徒歩8分
TEL03-3906-0054
女子校として75年の歴史を刻んできた星美学園中学校高等学校は、2022年度から共学化し、サレジアン国際学園中学校高等学校として始動しました。新体制として3年目を迎えた現在、星美学園から続くカトリック精神に基づいた教育を大切にする一方で、「21世紀に活躍できる『世界市民』の育成」をめざして、着実に進化を遂げています。今回は募集広報部部長の尾﨑正靖先生と4名の生徒の方々に、サレジアン国際学園の魅力や特徴、教育内容などを存分に語っていただきました。
2027年に使用開始予定の
新校舎プロジェクトが進行
広野 現在、新校舎のプロジェクトが進んでいると聞きました。具体的な内容を教えてください。
尾﨑 2027年の使用開始をめざし、現校舎がある北区赤羽台の学校法人星美学園の敷地内、大聖堂横の本館跡地に、サレジアン教育の中核となる学び舎を建設します。地下1階、地上5階建ての校舎には、物理・化学・生物の実験室に加え、専門的な研究活動を支援するサイエンスラボ、食堂、カフェ、体育館、ラウンジなど、さまざまな施設が備わる予定です。
広野 それぞれのスペースも非常に余裕がありそうですね。
尾﨑 新校舎の規模は現在の約1.4倍あるので、生徒一人当たりのスペースも広くなります。生徒たちが自由にディスカッションやプレゼンテーションをするスペースも意図的につくりました。また、サイエンスラボは実験室と同じくらいの広さにして、大学の研究室で使用するレベルの機材を置く予定です。ほかにも、高性能のパソコンを扱うデータサイエンス室など、理系の設備を充実させ、研究をより深められるような環境を整えていきます。
広野 みずから学びたいという生徒には絶好の環境ですね。敷地も広く、校舎のスペースにも余裕があると、さらに伸び伸びと過ごすことができそうですね。
尾﨑 はい。新校舎の北側は荒川を挟んで埼玉県になるので、のどかな雰囲気も感じることができると思います。もともと高台の立地なので、完成したら、最上階のテラスからは富士山やスカイツリーに加えて、遠くの山々まで望むことができるのではないでしょうか。
今年度から中1をハイブリッドクラスに
本科とインターAG・SGが混在
最先端のラボや多様なラウンジ空間、カフェや体育館などを収容し、既存校舎に比べて約1.4倍の規模となります
広野 サレジアン国際学園として開設してから3年が経ちましたが、生徒たちの様子はいかがでしょうか。
尾﨑 前身の星美学園はおとなしい生徒が多かったので、そういったタイプの生徒を“手厚くフォローする”という教育体制から、“帰国生も多い環境で、しっかりと自律・自立させる”ことが主体の教育に変わり、それが定着してきました。おとなしい生徒もいれば、積極的にアピールするのが好きな生徒もいますが、PBL(Project Based Learning)型授業などの多様な学びを取り入れることによって、教育の幅が広がったと感じています。
広野 クラス編成やその特徴を教えていただけますか。
尾﨑 本校では、本科クラスとインターナショナルクラス(インター)の2コース制をとり、インターは、そのなかでさらに英語が堪能なアドバンストグループ(AG)と、これから英語力を伸ばすスタンダードグループ(SG)に分かれています。ただし、ホームルームクラスは今年度の中1から本科・AG・SGの生徒を混在させた、ハイブリッドクラスになりました。
広野 本科生もAG生との接点が多くなるのですね。英語が堪能な生徒と同じ教室で過ごし、「こんなふうに話せるようになりたい」と、勉強に励む生徒も増えそうですね。
尾﨑 そうですね。帰国生が中心のAGには積極的に発言する生徒も多いので、本科やSGの生徒も触発されて、どんどん意見を言うようになりました。こうしたメリットもあり、「ハイブリッドクラスにしてよかった」と実感しています。
広野 授業はどのように進めているのですか。
尾﨑 本科・AG・SGが一つのクラスに在籍しているので、時間割が五つあり、それぞれの生徒が大学の授業のように教室を移動しています。ただし、体育・美術・音楽などの実技教科と国語は一緒に授業を受けています。
広野 それぞれのコースの特徴を教えてください。
尾﨑 本科の大きな特徴は、中2から各自が興味・関心のあるゼミに所属し、テーマを決めて探究活動に取り組む点です。中1では、ゼミの準備期間として研究の基礎となるアカデミックスキルを学ぶので、正式な活動は中2から始まります。インターの英語の授業は、AG・SGともに週10コマに及びます。AGの授業は英語はもちろん、数学・理科・社会もオールイングリッシュです。一方、SGでは英語のみオールイングリッシュで学びます。AG・SGともに、本校に在籍している16名の外国人教員から英語の指導を受けています。AGとSGは、中2以降もホームルームの時間などを同じ教室で過ごすので、6年間にわたる日常的な交流のなかで英語力を伸ばせます。
なお、本科も高3で英検®準1級を取れるようなカリキュラムを組んでいます。英語の授業は本科でも週8時間設け、そのうち4時間はネイティブ教員が主導し、英会話などを通してコミュニケーション力を磨きます。文法の授業でも、「自分の好きなものをみんなにアピールしよう」といったプレゼンテーションを取り入れています。インターの生徒だけでなく本科生も、ゼミなどで培った探究の成果をもとに、海外大学進学を視野に入れています。
広野 本科とインターで共通する部分はありますか。
尾﨑 PBL型の授業を行っているところです。PBL型授業は、正解のない、もしくは複数の正解があるような問いを教員が投げ掛けるところから始まり、グループディスカッションなど相互通行型の学びを通して、論理的思考力を養うものです。こうした教育は、これから先の時代に特に必要になると考えています。また、今年度から、中1~高2までの中間テストを廃止しました。その分、空いた時間をディスカッションなどを行うPBL型授業に利用しています。各科目の評価は、期末テストが5割、授業やレポートなど日常的な学びが5割で行っています。
※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
サレジアンネットワークで広がる
多彩な国々との異文化交流
広野 前身の学校から続く、カトリック教育は現在も継承されているのでしょうか。キリスト教の教えを知っているのと知らないのとでは、海外からの来訪者と交流や会話をする際に大きく差がつくような気がします。
尾﨑 本校は、前身の星美学園のころから創立者のドン・ボスコの教えを継承したカトリックの心の教育を大切にしています。教育目標は「21世紀に活躍する『世界市民』の育成」ですが、おっしゃるとおり、カトリックの精神を知るのは、世界市民としてこれから海外に出ていく際に、非常にプラスになると考えています。
このカトリック校のつながりは、グローバル教育にも生きています。最も大きな特徴は、世界97か国にサレジアンのネットワークを持つ姉妹校があるという点です。たとえば、今年の7月には、アジア・太平洋地域のサレジアンシスターズの学校から、15か国300人ほどの生徒がフィリピンに集結し、地球規模の問題やドン・ボスコの教えについて、考えを共有し合う「CIAOユースキャンプ」というイベントが開催されました。本校からも希望制で高校生が参加しています。このほかにも、フィリピンでストリートチルドレンを支援するボランティア研修が行われるなど、姉妹校との文化交流は盛んです。
広野 新設された研修や復活したプログラムもありますか。
尾﨑 隔年で開催する、ASEAN諸国の姉妹校の生徒を本校に招待するインターナショナルウィークを新設しました。昨年はフィリピン、香港、オーストラリアから生徒が訪れ、ディスカッションなどを通して、文化交流をしました。次回は参加国を10か国に増やしたいですね。今後は、サレジアンネットワークを使ったプログラムをさらに設けていく予定です。
広野 中長期の留学プログラムも実施しているのでしょうか。
尾﨑 本科とSGではイギリス、アメリカ、カナダなどに留学できる3か月~1年間のプログラムを用意しています。またAGは、国内にある本校に通いながら、海外校である西オーストラリア州の学校のカリキュラムも同時に履修し、両国の卒業資格を得られるデュアル・ディプロマ・プログラム(DDP)の制度を高2から導入します。英語圏の海外校の卒業資格を得ることで、海外大学への選択肢も広がります。
夏休みに行われたCIAOユースキャンプには、アジア・太平洋地域のサレジアンシスターズ姉妹校の生徒たちが約300人集まりました
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