受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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2024年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 桜蔭中学校

この2年間で経験した、全く異なる二つの受験

M.Iさん お子さんの名前 Mさん

 我が家はシングルインカム・完全ワンオペである、と言えばお察し頂けるかと思う。そんな事情もあり、またピアノやスイミングに忙しかった娘は2歳上の兄のサピックス教材を使って塾に行かなくても受験できるレベルの学校にしようと当初は考えていた。しかしその兄が開成中合格という大金星をあげ、俄かに欲が出た私は「やはり娘にも同じチャンスを」と新5年生の3月という中途半端なタイミングで入室を決意。娘はとても喜んでいた。
 母親の私としても兄の時の経験を生かし、より落ち着いてサポートができるだろうと当初は思っていたが、たった2学年差でも息子と娘の受験は全く違うものであった。

①2年前はコロナ禍真最中。息子の小学校も休校、サピックスもオンライン授業、私も在宅勤務。四六時中自宅で顔を合わせてお互いストレスが溜まったが、2年後の今回は真逆。私がどうしても仕事を優先しなければならない立場となり、出張が増え、家に戻ってもまた仕事。塾の送迎が無い夜は接待や会食も頻繁に入った。息子も部活で帰宅が遅く、娘はその間誰もいない家で一人勉強した。恐らくカンニングをしたり、休憩と称して長時間ダラダラしたりということも1回2回ではなかっただろう。娘をほったらかしにしておきながら、勉強の様子がリアルタイムで見えない不安とイライラを娘にぶつけたこともあった。今となっては反省している。

②2年前、息子が勉強中、娘は静かに横で勉強や読書をしてくれていたが、今回娘が受験勉強の最中、息子は反抗期の真最中。学校の成績は落ちるわ、これまで何事にも優先してきた部活を突然変えると言い出すわで、勉強をしている娘の横で母親と兄が大ゲンカ。想定外の横やりに、私は精神的にも消耗した。

 このように、我が家を取り巻く受験環境は2回ともそれぞれ大きく異なるものであったが、常に変わらなかったものがある。サピックスである。良質な教材を浴びるように学び、帰宅後娘はいつも興奮気味に説明してくれた。兄がお世話になった先生もまだいらっしゃったため、娘も嬉しそうだったし私もとても心強かった。11月の桜蔭中の学校別サピックスオープンで算数が20点しか取れなかった時にも先生が落ち着いて相談に乗ってくださった。娘の良い部分も要改善部分もストレートに伝えてくださり、志望校の選択も「大丈夫でしょう」と自信を持って背中を押して下さったおかげで余計なことを考えずに済んだ。息子も娘もサピックス一本で最高の結果を勝ち取った。サピックスの先生方には心から感謝している。
 私は常日頃子供達に「家族一人ひとりが、それぞれ自分のやるべきことを全力で頑張っていれば、家族として必ず良い結果を出すことができる」と伝えている。これからも我々親子を取り巻く環境は変わり続けると思うが、周囲のサポートに感謝し、親子それぞれが目指す方向に向かって地道に、真摯に、そして楽しく努力を続けていきたいと考えている。

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