受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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2024年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 早稲田中学校

マイペースな息子の受験

S.Hさん お子さんの名前 Yさん

 息子は4年生からサピックスにお世話になりました。我が家は主人が海外赴任、母である私が仕事で日中家にいないことから、下校後の息子は大変自由な状況で、4年生~5年生中頃までは、よく勝手にサピックスをさぼり親を唖然とさせる…という状態でした。塾をさぼる度、さぼるくらいなら辞めなさい!と激怒するのですが、その度に息子は「塾がつまらないんじゃない。勉強以外にやりたいことが多いんだー!(要はゲームがしたい)」と反論するという不毛なやりとりの繰り返しで、我が家みたいにちゃんと子供の様子を見てあげられない家庭が中学受験に挑戦するなんて所詮無理な話だったのでは…と何度も悩みました。でも一貫して息子は「サピックスを辞めるつもりは一切ない」という姿勢を貫き通しており、であればもう少し様子をみようと、色々なことに目を瞑ってやりすごす毎日でした。
 ところが5年生後半にもなると、周りの友達が勉強に本気を出したり、中学校の文化祭に行ってやっと受験を自分事として捉えられるようになったりした影響で、サピックスをさぼることは自然となくなり、家でもサピックスでの様子を積極的に話してくれるようになりました。この頃から、やっと我が家は「中学受験」に対して、本当の意味で真剣に取り組み始めることが出来たのかと思います。しかし、我が家が第一志望の学校をきちんと決められたのは6年生のサピックスでの最後の面談の直前、11月頃でした。実はこの頃、受験生の親として私は大失敗をしています。仕事が忙しくサピの保護者会にいけず動画も見られなかったことから、過去問対策を始めるタイミングを理解していなかったのです…。本来であれば10月頃から着手するべき過去問に対し、面談の頃に「赤本を自分で買って進めなければいけない」という事実を知り、12月から慌てて息子にやらせるという失態ぶりでした。私としては冷や汗ものだったのですが、息子はマイペースで、「まだ2か月あるからなんとかなるでしょう」とのほほんとした態度でした。そして、結果的に併願校含めほとんどの過去問を最低限やり切ってくれたので、思えばこの息子のマイペースぶりに、私は何度か救われていたのかもしれません。
 迎えた受験期、最初の受験校の試験会場に入っていく息子の姿はサピックスに通い始めた頃には想像もできなかったほど逞しくなっていました。息子だけではなく、試験会場に入っていく子供たちを見て感動したことを覚えています。結果としては、1月の併願校を一つ落としてこれも親の私は絶望したものの、本人は至って淡々としており、迎えた2月1日の本命校も落ち着いて受験して見事合格を勝ち取ってくれました。合格を知ったときの息子の本当に嬉しそうな顔は忘れられません。息子にあきれることなく応援してくれたサピックスの先生、そして志望校別コースで一緒に戦ってくれたお友達に感謝して、体験記を締めたいと思います。

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