受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2024年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 巣鴨中学校

算数との闘い

A.Nさん お子さんの名前 Yさん

 「今 女 画(いま なんじ かぎれり)」
 巣鴨中の説明会にて、校長先生からご紹介いただいた言葉です。息子はこの漢字三文字を紙に書いて壁に貼り、これを励みに奮闘しました。言葉の意味は最後に記しますが、まずは息子の「算数との闘い」について書きたいと思います。
 小学校3年生の夏期講習から入室した息子は読書と歴史が大好きで、自然と国語と社会が得意教科になり、放っておくとその2教科ばかり勉強していました。一方で算数はなかなか勉強に身が入らず、気づくと寝ているか本を読んでいるかで、親が指摘すると逆ギレしてまた勉強から逃げる…という悪循環に陥っていました。できていない問題について親が教えて「わかった」と言っても、また同じ問題を間違え、テストでも間違えて…を繰り返し、6年生になっても偏差値がほとんど上がらず頭を抱えました。
 今こうして思い返してみると、闘いの転機となる出来事が2つあったと思います。
◆転機1:質問教室を活用
 先生にバカだと思われるんじゃないかと不安に思っていたようで、6年生になっても全く利用していませんでしたが、夏期講習でデイリーチェックの点数が全生徒に開示され、周りの生徒が自分よりもできていることを痛感し、本人もさすがにマズいと思ったのかようやく行くようになりました。行ってみると、思っていたよりも優しく丁寧に教えていただいたことで安心し、それからは授業の度に質問教室に行くようになりました。それにより先生と仲良くなり、先生への信頼感がさらに高まったことで授業にも積極的に参加できるようになったようで、以前よりも授業の話や、先生の話をするようになりました。(入試直前に聞いたのですが、3~4年生時は授業がわからなくて寝ていたそうです…。それで基礎が出来ていなかったのかと腑に落ちました。)
 もっと早くに質問教室に行かせていれば、とも思いましたが、息子が自分から「行く」と言って行ったことが良かったのだと思います。それからは以前よりも勉強に自発的に取り組むようになり、過去問中に寝ることも減りました。(全くゼロではありませんでしたが…)
◆転機2:過去問から解く姿勢を学ぶ
 秋になっても「式を書かない」「字が汚い」ことからミスを連発していましたが、過去問が始まってからは、解答用紙に式を書く必要があることで、式を書くことを心がけるようになり、自然と字も丁寧に書くようになっていきました。それによってミスが減っていき、正答率が上がることを本人も実感することで、また次回も気を付ける…という好循環となりました。
 「今 女 画」。校長先生より、論語からの引用で「自分の限界を自分で決めない」という意味と教えてくれました。息子はこの受験で算数との闘いに打ち勝って自身の限界を突破し、成功を掴んでくれました。今後の人生でもさらなる限界を乗り越えて大きく成長していくと確信しています。

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