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進学校 ▶ 聖光学院中学校
息子の背中と逆転の涙
M.Iさん ●お子さんの名前 Aさん
「サピの授業、楽しい!」
授業中の先生との対話が大好きな息子。その日に先生から教わった事を楽しそうに親に問題形式で話し始める姿を見て、何度も胸が熱くなりました。自分で分からないところは調べ、興味がある内容は図鑑や本を読んで熟考する。そんな自調自考を体現する息子が、算数の成績に陰りが見え始めたのは6年生の春頃でした。
10月下旬。算数は依然伸び悩み、プリバート入室も打診しましたが、先生は真っ直ぐな目で「このままで良いです」との返答。そこで始めたのが質問教室に必ず毎週通い、算数と他教科の勉強割合を9対1にすることでした。楽な方に流れがちな息子の気持ちを諭し、時には衝突しながら、基礎固めから繰り返し、何度も問題を解きました。それでも難関中の算数は難しく、偏差値50台前半が定位置で、志望校判定テストも第一志望は合格可能性20%と厳しい状況が続きました。学校見学で一目惚れの聖光学院は算数の割合が高く、途轍もなく大きな壁に感じました。1月に入り息子の不安も最高潮となり、苛立ちも見られましたが、妻の献身的なマインドコントロールのお陰もあり、落ち着いて過ごせました。
第一志望、運命の2月2日。校舎から出て来た息子は、ガクっと肩を落とし、「算数で計算ミスした」と。帰宅し確認すると、難しい立体図形や場合の数に果敢に挑戦し、余白目一杯に計算過程を書いた問題用紙が…あまりにも過酷な努力とがむしゃらに困難に立ち向かう姿を想像して思わず涙しました。
結果は不合格。1月の併願校も2戦1勝。その頃からの口内炎も一段と大きくなり、精神状態はボロボロ。前泊予定のホテルに移動中の電車内では、かける言葉も見つからない。「明日…合格したい。友達と同じ中学に入りたい」と自らを鼓舞し、絞り出すように出た言葉に「努力は裏切らない。最後まで諦めず頑張ろう」と声を掛けるのが精一杯でした。
2月4日。過去最大級の倍率の中、試験会場に向かう息子は大きく堂々としていました。試験後の表情は晴れやかで、「算数結構できたと思う」と。合否はどうであれ、受験を通じて困難を克服した息子の姿を見て「中学受験をやって良かった…」と思えた瞬間でした。
2月5日。朝9時……
様々な感情が渦巻く中、息子のクリックで開いた桜背景の2文字は一生忘れません! 家族で抱き合い、号泣し、泣き崩れました。つい数年前まで意識すらしなかった息子の背中が、とっっても大きく誇らしい背中になったのを感じました。最後まで諦めず貫いた最高の成功体験は、必ずや将来の糧になるでしょう。
最後に、これまで息子をご指導くださったプロフェッショナルな先生方、スタッフの皆様、特に親子で大変お世話になった算数の先生、かけがえのない友人、そしていつも隣で息子の精神的支柱となった妻に、この場を借りて心より感謝を申し上げます。本当に有難うございました。
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