受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2024年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 甲陽学院中学校

穴だらけの伴走

M.Kさん お子さんの名前 Tさん

 息子は6年生になるときにサピックスに転塾という形で入室した。4年生の夏期講習前からお世話になっていた関西大手塾。息子は常に通塾を面倒くさがり、隙あらば休もうとしてよく私と険悪な雰囲気になっていた。どの塾であれ、6年生の拘束時間は5年生よりも増える。息子本人は難色を示していたが、もし結果として成績が下がることになっても、息子との受験後の関係に亀裂を生じたくないと思い、私が強く推す形でサピックスに転塾した。
 拘束時間は関西最小限だろうサピックス。最初は少人数の授業に戸惑っていた息子も家でのんびり過ごせる時間が増えたことで、逆に授業や家庭学習に集中できるサイクルをつくっていったように見えた。以前は毎回休む理由を探していた通塾も、休んだ分、その後の皺寄せが辛いからか、むしろ「休むと後が大変だから行かないと」と言うようになり、親としては変化に驚くばかり。6年生前期は日曜日に何の予定もなく、「日曜日に家庭学習をこなさねばならないようなリズムを作ってしまうと後期から大変になる」という先生のアドバイス通り、日曜日は本当にのんびり過ごしていた。
 私は正直、勉強面では一切ノータッチ。プリントの整理、過去問のコピーと進捗管理、解答を管理する目的で過去問の丸つけだけはしていた。
 過去問の管理すら、理科を一度も解いていないことが受験前日に発覚した学校があったほど穴だらけ。
 息子が何が得意で何が苦手かも、今何を学習しているかも知らないままで終わった。
 ただ、塾の話は常にしていて、どんなクラスメイトがいて、どんな先生の授業を受けているかはよく息子から聞いていた。その点サピックスは保護者会で多くの先生が壇上に立ってくれるので、先生の人となりを息子と共有できてとてもありがたかった。
 結果として息子は想定以上の伸びを見せてくれ、平常クラスも一度も変わることなく、土特・SS共に勧められた最上位校コースで頑張り続けることができた。それでも塾の実績重視で最上位校を受験するよう言われることはなく、息子本人の志望を最優先に、気が緩まないよう、誘導しないよう、導いてくれた先生方には感謝しかない。
 激励電話で「初めてこんなに長く話しました」と言われるほど、コミュニケーションをうまく取れる息子ではなかったが、先生方の目の確かさには何度も感動した。少人数ならではの細やかさで、拘束時間が短くとも、このカリキュラムと先生方を信じてついていけば、関西のどの学校の受験にも十分すぎるほど対応できるということを、今迷っている人にはぜひ知ってほしいと思う。

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