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進学校 ▶ 麻布中学校
伴走
I.Yさん ●お子さんの名前 Hさん
「伴走」。まさにこの言葉が的確と思える3年半だった。子がサピックスに入室したのが3年生の7月、そこから約3年半の伴走が始まったのだった。
そもそもなぜこんな大変な思い、週何日かの塾通い、そして毎日の勉強をするのか。子にはこれを訊かれる前にこの命題の解説を事あるごとにしていた。勉強をすることで人は知識を得る。知識は人を豊かにする。どこへ行っても何をしても、知識が根底となって幹となり、その人を形成するからだ。同じものを見ても知識のあるなしで何を連想するかが全く変わる。そして知識・体験の豊富な人の話は面白い。面白い人の周りに人は集まる。君にはそんな人になってほしい。そして少なからずとも大学進学までは勉学の習熟度によって進学先などの選択肢が大きく変わってくる。君には多くの選択肢を持ってほしい。だから今勉強をするのだ、と。子も納得してくれ、子が走り私が伴走する、そんな毎日を過ごした。
基本的な勉強のスタイルはサピックスの教材をフルに頼るもので、国語社会・算数理科の二系統、平日は塾の次の日に前日のテキストからどこをやってどこをやらないか、これを毎朝指示し、帰ったあともしくは翌朝に添削や不明点の解説、土曜日曜の塾のない日は平日間に合わなかった箇所を主にやり、理解度が低いものは重点的におさらいなどをする、オーソドックスなやりかただと考えている。
幸いなことに子は算数が得意だったこともあり、おそらく多くの子がそこに時間を多く割くであろうこの教科にそこまで多くの時間を取られずに済んだのは彼にとっても私にとっても救いだったと思う。その代わり国語での物語文の読み方や記述式の解答のまとめ方、理科・社会の教科では表面だけでなく深い理解のための時間に多くの時間を使った。テレビやネットのニュースを一緒に見て、その事象の奥にある様々な利害関係や、日常の起こる様々な自然現象の仕組みなどを解説したり、とにかく教える工夫をした。子が楽しく頑張れるように親も頑張った。
その甲斐あってか、もしくはなくてもなんとかなったのかは今となってはわからないが、子の受験本番での結果は華々しいもので、どこに進学するかの悩みはなかなか味わえないものだったはずだ(子自身は進学先のためにSS特訓を積んできたこともありほぼ迷いはなかったようだが)。
途中、不安もあり市販の中学受験用のドリルを買うこともあったが結局はそれらはほぼ開くことはなくサピックスの教材だけで手一杯だった。これを読む方々には是非サピックスのテキストを全面的に頼って欲しいと願う。
時には怒ってしまうこともあり後悔も絶えない受験勉強の日々の伴走だったが、子がこの先信頼できる仲間に出会い、楽しい学校生活を送ることを何よりも願っている。
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