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最新中学入試情報
進学校 ▶ 麻布中学校
待ち続けた4年間
Y.Iさん ●お子さんの名前 Kさん
「このコースで麻布に受かったら、私、受験体験記書きますよ…」
元々絶対書かない気でいましたが、6年生前期の保護者個別面談でこうお話ししてしまったので、今こうして筆を執っております。初志貫徹としか言いようのない受験です。2年生でたまたまスケジュールが合ったので、何気なく行かせた初めての文化祭が麻布でした。マイペースな息子らしさを生かすには高校受験より中学受験の方がよさそうだ、とは思い始めてはいましたが、具体的な志望校は考えていなかった頃です。息子はそこで見た鉄研と油そば、そして何より彼が集団の中で見たことのなかった「自由」に圧倒されたのだと思います。
上の学年になるほど難しくなると懸念し新3年生で入室しましたが、その時点での成績は全体の真ん中くらいでした。思えばまだ幼くて、テストも最初のうちは2教科目の後半は疲れて真っ白、ということもありました。正直なところ、低学年からの入室は必要不可欠ではないとは思いますが、早生まれの息子には塾やテストに慣れる、という点で意味があったと思います。
そこから目覚ましく…は伸びませんでしたが、こつこつと伸び、5年生の終わり頃には「まあ、これくらいなら箸にも棒にも掛からない、とまでは言われないか」という辺りをキープするようになりました…が、またやはり6年生の前半の成績はもたつき、散々やきもきさせてくれました。授業にもそれなりについていき、親からも先生方から見ても「本当にわかっていないことはない」はずなのですが、肝心のテストで必ずミスをする、致命的に苦手な教科は何もないはずなのに4科の得点がどうしても揃わない、等のスランプの連続。ついに3年生の入室時のコースに逆戻りか?というところに至り、冒頭の言葉が出たわけです。
先生方は、塾泣かせとも言える息子を根気強く待ってくださったと思います。特に算数には苦労しましたが、マイペースな息子もたまには弱気になることもあり、先生に「僕は算数が苦手だから」とこぼしたことがあったようですが、先生は「僕はKくんに算数が苦手、とは言って欲しくないんですよ」と夫に力強く仰り、そしてこの言葉通りに各教科の先生方が最後には引き上げてくださいました。そして息子は最後まで良くも悪くも彼らしさを失うことなく努力を続け、何とか受験日に間に合わせて熱望校に辿り着きました。
1月校(この学校も素晴らしい学校でした)と麻布しか受からない、という非常に「らしい」結果でしたが、何よりこの受験を通して、夫と私は息子のことを今までより更に好きになれました。我が子としての無条件の愛情を感じる存在としてだけではなく、一人の人間として彼の様々な長所を見て、尊敬することができました。また、受験勉強の名を借りて、たくさんの話、意見交換をした過程も家族の宝物になったと思います。この機会を与え、そして支えてくださった全ての皆様に、心から感謝を申し上げます。
2024年度中学入試 受験体験記 |
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