受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあ職場見聞録

さぴあ職場見聞録 第39回/レコード会社

 音楽業界では、音楽を制作したり演奏したりする人やグループのことを「アーティスト」といいます。皆さんも、大好きなアーティストがいるのではないでしょうか。その楽曲を多くの人に届ける役割を担うのが、レコード会社です。どんな仕事をしているのか、ソニー・ミュージックレーベルズで多くの制作部門を束ねる太田伸太郎さんにお聞きしました。

アーティストを
発掘して楽曲を制作
デジタル配信やCDで
多くの人に届ける

音楽を届ける仕事

「アーティスト・アンド・レパートリー」通称「A&R(エーアンドアール)」と「プロモーター」はレコード会社の社員の仕事です。CDなどの営業を行う「パッケージ営業」、配信会社への営業を担う「音楽配信営業」は、レコード会社、あるいはそのグループ会社の社員が担当します。音楽活動以外の仕事も含めたスケジュール管理は、アーティストが所属している芸能事務所の「マネージャー」が行います。レコーディングを担当する「ディレクター」は、音楽的な知識や経験・スキルがないとできない仕事で、フリーランスとして活動している人も多いのが特徴です

A&Rが関係者をコーディネート

株式会社
ソニー・ミュージックレーベルズ
第1レーベルグループ
ゼネラルマネージャー
太田 伸太郎 さん

 レコード会社は、アーティストと一緒に楽曲を制作し、デジタル配信を行ったり、CDとして販売したりする会社です。さらに、ミュージックビデオの制作、ライブなどの映像ソフトの制作・販売もしています。

 扱う音楽のジャンルや方向性、ターゲットにより、「レーベル」と呼ばれる部門を複数持っているのが一般的です。レコード会社には、アーティストの音楽制作を担う制作部門と、宣伝を担当するプロモーション部門とがあります。

 制作部門で働いているのは、主に「A&R(アーティスト・アンド・レパートリー)」という職種の社員です。A&Rは1組から複数組のアーティストを受け持ち、担当アーティストに関するすべての仕事にかかわります。具体的には、アーティストを発掘し、どういうターゲットに向けてどのように売るかというマーケティング戦略を立て、そのアーティストと契約し、楽曲を制作・販売します。

 作詞・作曲はアーティスト自身が行う場合もありますが、A&Rはどういう楽曲にするかをアーティストと話し合います。そして、編曲家、レコーディングに参加するスタッフ、CDジャケットやミュージックビデオを作る映像制作スタッフ、カメラマン、衣装のスタイリスト、ヘアメイクアーティストなど、アーティストの創作活動を支える多くの才能あるスタッフをコーディネートして仕事を進めます。

 さらにA&Rは、プロモーション部門と連携して宣伝業務も行います。アーティストのSNSやYouTubeで情報を発信したり、ライブイベントやテレビの音楽番組に出演させてもらえるように依頼したり、ドラマや映画などの主題歌に起用してもらう「タイアップ」をはたらきかけたりすることが、その具体例です。また、「ベストアルバムを出そう」など、アーティストに提案するような商品企画もA&Rの仕事です。

コミュニケーションが何より大切

 A&Rが大切にしなくてはならないのは、アーティスト本人はもちろん、サポートする人たちと同じ目標を持ち、信頼し合って活動できること。そのためにコミュニケーションは欠かせません。さまざまな人とかかわる仕事だといえます。

 レコード会社のA&Rに興味を持った小学生の皆さんは、物語の登場人物の気持ちを読み解いたり、自分の考えをことばにして相手に伝えたりすることができるよう、国語の力を磨くとよいと思います。音楽が得意かどうかは問われません。「音楽が好き」ということだけで大丈夫です。多くのことに幅広く興味を持ち、たくさんの人と付き合うなかから学ぶ姿勢を養っていってください。

ソニー・ミュージックレーベルズに所属するアーティスト

乃木坂46乃木坂46

郷ひろみ郷ひろみ

音楽を中心に、アニメ、ライブ、キャラクター、ゲームなどエンターテインメント全体を扱うソニーミュージックグループ。その音楽分野を担うレコード会社のソニー・ミュージックレーベルズには、多様な個性を持ったレーベルがたくさんあります。たとえば、写真で紹介している乃木坂46、郷ひろみは「Sony Music Records」、ちゃんみな、HANAは「NO LABEL MUSIC」というレーベルに所属しています

sappy

ちゃんみなちゃんみな

HANAHANA

持続可能な社会への取り組み『Rebloom Flower Project』

まだ楽しめるうちに花が捨てられてしまう「フラワーロス問題」。その解消に貢献できるよう、ソニーミュージックグループでは、所属アーティストのライブ会場に届いたお祝いの花を回収して活用する取り組み『Rebloom Flower Project』を実施しています。回収した花は、キャンドルやサシェなどの小物の製作に使用する、押し花にしてメッセージカードを作り、小児がんと闘う子どもたちにプレゼントするなど、さまざまな形で活用されています

第39回/レコード会社:
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