さぴあ職場見聞録
株式会社三菱UFJ銀行
人事部(採用)
白石 智輝さん
前半のページでは、銀行の主な業務や社会に対して担っている役割などを見てきました。ここでは、支店での法人営業の経験を持ち、現在は人事部で採用を担当している三菱UFJ銀行の白石智輝さんにご登場いただき、仕事の内容や、やりがいなどについてお聞きしました。
株式会社三菱UFJ銀行
人事部(採用)
白石 智輝さん
Qどんな仕事をしているの?
白石 銀行では、各部門を2~3年の単位で異動し、さまざまな仕事を経験します。三菱UFJ銀行を中核とする総合金融グループの「MUFG」には、信託銀行、証券会社、クレジットカード会社、リース会社などの関連会社があるため、そのような会社へ出向するケースもあります。
わたしは、2021年に入行してから2年間は東京都の町田支店に勤務していました。その後、2023年からは人事部に配属が変わり、現在に至ります。
町田支店では、法人営業として製造業などの中堅中小企業や学校法人を担当しました。顧客には、部品を海外で生産している製造業もありましたが、そうした会社が困るのは、ドルと円の為替レート(交換比率)が日々変わること。1か月前は1ドルが150円だったのに、今は1ドル160円などというように為替レートが変化すれば、それに応じて部品の代金も変わってしまうため、製品全体の値段をなかなか決めることができません。その解決策として、銀行が顧客に行う提案の一つに、「為替提案」というものがあります。ある一定の期間、その会社と銀行との間で為替レートを固定させる契約の提案などのことです。
また、得意先のブランドのキャンプ用品を製造している会社を担当したこともありました。当時はちょうどコロナ禍で、「密」を避けられるレジャーとしてキャンプがブームになったことは、小学生の皆さんも覚えているかもしれません。そこで、その会社はブームに乗り、自分たちの作りたい商品を企画して製造し、自社ブランドのキャンプ用品として店舗で販売することにしたのです。しかし、そのような新しい事業を立ち上げるには、多額のお金がかかります。そこで、三菱UFJ銀行が必要な資金をご融資(貸し出し)しました。その会社が手掛けた自社ブランドのキャンプ用品がお店に並んだのを見たときは、本当にうれしかったです。
三菱UFJ銀行には次のような部門があり、行員はさまざまな仕事を経験します。
●国内の各支店/個人客や中小企業を担当。
●営業本部/東京・名古屋・大阪にあり、担当エリアの大企業を担当。
●海外部門/グローバルに事業を展開している日本企業や海外企業を担当。現在はアジア地域に力を入れています。
●市場部門/顧客から預かったお金をよりふやすため、株式や債券、外国為替などに投資して運用します。そのため、どのように運用したら損する可能性を極力抑えて利益が得られるか、データを分析しながら考えます。
●デジタルサービス部門/インターネットを使ったサービスなどを使いやすくする仕事です。理系出身の行員が多く働いています。
三菱UFJ銀行のディーリングルーム。ここでは円、アメリカドル、ユーロなど多くの国・地域のお金を取引(売り買い)しています
支店のハイカウンターでは、素早い対応が求められる預金の出し入れや振り込みの手続きなどを行います
いつでもどこでも口座のお金を管理できるように、スマートフォンアプリやインターネットサービスの開発もしています
Q仕事のやりがいは?
白石 配属先で担当する仕事によって、いろいろなやりがいがあると思います。わたしが経験した支店での営業職では、他行ではなかなか融資ができないお客さまでも、それまでのお取引を通じて、三菱UFJ銀行がそのお客さまのことを理解している場合などは、融資が可能なケースもありました。そうした場面で、「三菱UFJ銀行さんだからできた」とか、「白石さんだからできた」とお客さまから言ってもらえたときが、いちばんやりがいを感じました。
逆に、支店の営業職で大変なのは、自分がしっかりがんばらないと、担当しているお客さまの未来が変わってしまうかもしれない場面がたくさんあることです。たとえば、計画している新しい事業を実現できなかったり、最悪の場合は倒産してしまったりすることもあります。とても苦しい状況もありますが、逃げずにその案件と向き合うことでこそ、乗り越えた後の信頼関係が強化できるのだと思います。
銀行で最も大切なのは「信頼」と「信用」です。お客さまから見れば、担当者は変わっていっても、三菱UFJ銀行とは長年の付き合いになります。ですから、前の担当者たちが築いてきた三菱UFJ銀行の信用とお客さまとの信頼関係を裏切らないよう、誠実に接することが大切。わたしはそれをいつも意識しながら、支店での仕事をしていました。
白石さんは支店で法人営業を経験した後、人事部に配属されました。現在は2025年卒業予定の新卒採用を担当。採用のための各種セミナーを運営したり、大学主催の就職活動イベントなどに登壇したり、インターンシップ(就業体験)で来ている学生に対して仕事の指示を行ったりしています。「2年間、支店で法人営業を経験して感じた三菱UFJ銀行の魅力を学生に伝えることが今の仕事です。学生からの質問を自分のなかでかみ砕いて考えると、新しい気づきが得られることもあります」
Qどうして銀行員になったの?
三菱UFJ銀行は、ANA NEOが提供するメタバース空間(インターネット上に構築された仮想空間)にも出店。メタバース空間における新たな金融サービスの在り方を検討しています
白石 幼いころから、いろいろなことに興味を持ち、新しいことには真っ先に飛びつく、好奇心旺盛な子どもでした。そうした性格が銀行員につながるかどうかはわかりませんが、銀行はいろいろな業種の会社とかかわるので、わたしにとってはそれがとても楽しいです。
銀行に勤務することを意識し始めたのは、大学生になったばかりのころです。人が何か新しいことをするときには、まずお金が必要になりますが、銀行ならそうした人たちにお金を貸すことで、資金面から新しいチャレンジを応援できます。自分には、世の中を良くするアイデアを生み出す発明家のような仕事はできませんが、アイデアを持っている人を応援できる仕事をしたいと思い、銀行員を選んだのです。
銀行のなかでも三菱UFJ銀行を選んだのは、やはり日本で最も大規模な銀行だからです。お客さまの数もいちばん多いため、それだけ多くの人々のお役に立てると考えました。
銀行にはいろいろな仕事があるので、自分の得意なことを生かせる可能性が高いです。そのため、そうしたことに人一倍努力できる人が、銀行員に向いているのではないかと思います。
三菱UFJ銀行は、ANA NEOが提供するメタバース空間(インターネット上に構築された仮想空間)にも出店。メタバース空間における新たな金融サービスの在り方を検討しています
- 第37回/銀行:
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