子育てインタビュー
豊かな心と考える力を育む
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人間形成の土台を築くために
子どもたちに「ほんもの体験」を
「本物や自然との出合い体験が子どもの感性や考える力を大きく伸ばし、将来をたくましく生き抜く力を育む」。そうした考えに基づき、さまざまな体験イベントを提供している企業があります。今回は、株式会社MPandC(エムピーアンドシー)で「モーリーキッズ ほんもの体験」の企画や運営を担当している鈴木愛さんにインタビュー。体験イベントの内容や教育的な効果、親子での楽しみ方などについてお話を伺いました。
楽しく考えられる教材に魅力を感じ
わが子をサピックスに入室
広野 そうした多彩なプログラムは、どうやって企画されるのですか。
鈴木 チームメンバーと一緒に考えています。自分が子どもだったら何がうれしいのか、保護者だったらどういう体験を子どもにさせたいかなど、自分の子育て体験を振り返りながら企画しています。最近では、保護者の方から中学受験に結び付くような催しを開いてほしいという要望もいただくようになりました。今後はこういったご意見も取り入れながら、プログラムを増やしていく予定です。
広野 鈴木さんのお子さんは、サピックスに通塾して中学受験を体験し、栄光学園、そして東京大学の理科Ⅲ類に進学されたそうですね。どのような子育てを心がけていましたか。
鈴木 「親が楽しんでいると、子どもも本気で楽しめる」と考えて、親も子も何事にも全力で楽しむようにしてきました。見送りの時はいつも「楽しんで!」と声を掛けていましたね。試験も嫌なことも楽しいととらえる、そんなポジティブマインドを持ってほしいとの願いからです。また、小さいころから一人の人間として接し、本人の意思を尊重してきました。必要に応じてアドバイスはしましたが、「こうしなさい」と頭ごなしに指示をしたことはありません。親が強制してうまくいかないと、親のせいにしたくなります。でも、自分で悩み、考え、選択した道は自分の責任としてとらえるようになるものです。
本物の体験への思いについては、わたし自身の経験も影響しています。わたしの場合は中学受験で詰め込みを体験して学ぶことに楽しさを見いだせなかったので、できるだけ実験や体験でわくわくして、いろいろなことに興味を持ってほしいと考えていました。化石に興味を示したときは、日本地図を一緒に見ながら福島や群馬、埼玉県などに化石を掘りに行きました。昆虫に関心を持ったときは、一緒に採集に行き、カブトムシ、ヤゴ、チョウ、テントウムシ、カマキリをつかまえ、羽化する様子などを観察しました。近くの海や池に毎週のように魚やザリガニ、小さなエビを採りに行きましたし、野菜の苗を植え、収穫もしました。実験教室やスポーツ体験にも積極的に参加しましたね。それは通塾後も一貫していました。子どもが興味を持ったときを逃さない、そして熱中できる環境を整えるということが、最も大切だと思います。本人も大学合格後、「小さいころ、毎週のように自然体験をさせてもらったことに感謝している。熱中してとことんやったことが良かった」とコメントしてくれました。
広野 塾や進学先はどういう観点で選んだのですか。
鈴木 サピックスは、教材がわかりやすく、楽しく考えられるように工夫されていた点に魅力を感じて、本人と話して入室を決めました。栄光学園については、広々とした敷地でサッカーができること、そして先生と生徒の距離が近くて、先生方の生徒への愛があふれていることが決め手となりました。
広野 栄光学園は生徒の自主性を尊重し、一人ひとりの長所を伸ばす学校です。大学進学後はもちろん、社会に出た後まで通用する本質的な学びを大切にしていますから、ご家庭の方針にぴったりの選択でしたね。
子どもの自立心を育むために
あえて保護者と離れる体験も必要
MPandCのカンパニーマスコット・モーリーくんと一緒に
広野 サピックス生の保護者の方々も、勉強以外にさまざまな体験をさせようと工夫されていて、頭が下がる思いがします。知的好奇心を刺激する本物の体験には、ほかにどんな教育効果があるとお考えですか。
鈴木 わたしたちが「ほんもの体験」を提供する際に心がけているのは、プログラムに付随して、いろいろな社会経験を積むということです。貸し切りバスではなく、切符を買って公共交通機関で移動して、そこでのマナーも学ぶといったことですね。また、親子で共通体験をして、それについて語り合ってほしいとも考えています。保護者の方が付き添わない収穫体験プログラムなどでは、収穫した野菜や果物を家庭に持ち帰って一緒に食べてもらうようにしています。
また、子どもだけで参加するプログラムの場合、異年齢でチームを作るので、年下の子の面倒を見るなど、きょうだいのいない家庭では経験できないことにもチャレンジします。そうした様子などもご家庭に報告しながら、お子さんの成長を一緒に味わえるようにしています。
広野 あえて保護者と離れるという経験も、ときには必要なのでしょうね。
鈴木 一緒に参加したい、そばで見ていたいという保護者の方々からの要望は少なくありません。ただ、子どもの自立心を育むという目的があるので、子どもだけで参加するプログラムを多く用意しています。子どもだけになると、親の目を気にせずに伸び伸びと振る舞って、いつもはできないことにチャレンジしようとする傾向があります。ときには親子が離れてみるのもよいと思います。
また、それとは別に、保護者世代が釣りや虫捕りの経験がなく、子どもとどう遊んでよいのかわからないという声もよく聞きます。そこで今後は、子どもとの接し方、遊び方を学べるような親子プログラムも開催していきたいと考えています。
広野 最後に、受験生とその保護者の方々にメッセージをお願いします。
鈴木 小学校時代は、子どもの成長にとって、とても大切な時期です。お子さまが伸び伸びと羽ばたけるように、広い視野を持ち、おおらかな気持ちで接していただきたいと思います。保護者の方も忙しく、たいへんかとは思いますが、自分を追い詰めず、外部の力も借りながら、親子それぞれがリフレッシュできる時間をしっかり確保できるとよいですね。
広野 受験も含め、何事にも楽しく取り組むことが大切ですね。本日はありがとうございました。
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「化石発掘体験ツアー」 「イルカ&動物ふれあい体験キャンプ」など |
モーリーキッズでは、子どもたちの人間力を高め、生きる力を育む「ほんもの体験」イベントを実施しています。 3月までは、湘南インターナショナルスクールとのコラボによる江ノ島&水族館ツアー、いちご狩り、雪国ほんもの体験キャンプ、化石発掘体験ツアー、カブトムシ幼虫探検隊、イルカ&動物ふれあい体験キャンプなど、日常では味わえない貴重な体験を予定しています。 |
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- 25年2月号 子育てインタビュー:
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