さぴあインタビュー/全国版
「普く通ずる学び」を軸に
努力を重ねる日々が
未来に羽ばたく力を育む
慶應義塾普通部 部長 森上 和哲 先生
職場で受ける「目路はるか教室」
先輩たちの生き方が大きな刺激に
校庭・体育館・柔道場・剣道場のほか、徒歩3分ほどのところに第2グラウンドとテニスコートもあるなど、スポーツ施設が充実しています
髙宮 卒業生が講師となって、それぞれの職場に生徒たちを招いて授業をしてくれる「目路はるか教室」は、多くの先輩がさまざまな分野で活躍している普通部だからこそできることです。ただ、職場訪問はコロナ禍で制限を受けたのではありませんか。
森上 現場に行けず、本校の教室で授業を行うケースが多かったですね。今年はある程度、通常の状態に戻りました。実は、普通部から慶應義塾高校に進み、昨年(2021年)、司法試験に史上最年少の18歳3か月で合格した生徒がいるのですが、彼は「目路はるか教室」で法廷を見学したことから興味を持ち始め、自分でも法廷見学を続けて労作展のテーマとしていました。
髙宮 「目路はるか教室」で興味を持って、「労作展」でも取り組んで、普通部の二大行事がきっかけになった快挙。すばらしいですね。「目路はるか教室」は1998年の普通部100年のときに始まったものですね。
森上 100年記念行事として始まりました。普通部出身者に講師をお願いし、どんな経緯で今の仕事をしているのかをご自身のフィールドで話していただきます。弁護士なら裁判所、医師なら病院、料理人ならレストランのキッチンなどに伺います。1年生から3年生まで学年ごとに10コースあり、生徒は自分の好きなものを選んで受けます。
コース別の授業のほか、学年全体で受ける全体講話もあります。2022年は慶應義塾大学の常任理事、2021年は慶應義塾の塾長、2020年は三菱UFJ銀行の頭取をお招きして、とても良いお話をしていただきました。わたしも二十数年間拝聴してきましたが、どの先輩も、「わたしは今、好きなことをやっている。君たちも自分が好きなことをやりなさい」とおっしゃいます。でもそうなるまでには紆余曲折があって、さまざまな苦労があります。普通部生の多くはあまり挫折した経験がないと思います。それだけに先輩方の苦労や挫折した経験談を聞くことは貴重です。
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