そこが知りたい!
ACTION2 見る 親子で学校に足を運んでみる
興味のある学校が何校か見つかったら、家族でその学校に足を運んで、学校見学などのイベントに参加してみましょう。興味がある学校のホームページは定期的にチェックし、イベントの告知を見逃さないようにしてください。
『さぴあ』では本誌とホームページで、受験生や保護者の方などを対象としたさまざまなイベントを紹介しています。『さぴあ』本誌では、「学校行事スケジュール」(今月号52~55ページ参照)のページを、『さぴあ』のホームページでは「学校行事/学校説明会」のコーナーをご覧ください。
学校の教育方針などを説明するイベントです。主に保護者の方を対象として、校長先生をはじめとする複数の先生から、その学校の教育方針・校風・カリキュラム・クラブ活動・入試などについての説明を聞くことができます。校内の様子や、先生・在校生の雰囲気を確認できる絶好のチャンスといえるでしょう。また、オンラインの場合でも、保護者からの質疑応答のための時間を設けている学校もあります。そうした機会も積極的に利用しましょう。
サピックスでは、内部生の保護者の方を対象に、学校別に説明会を開催しています。一般の説明会以上に内容の濃い話が聞けると、例年好評を得ています。在校生、時にはサピックスの卒業生が学校の様子を紹介したり、受験勉強についてアドバイスしたりすることもあります。詳しくは、今月号56~57ページと、小学部ホームページのマイページをご覧ください。
複数の学校が参加して開かれる学校説明会です。同じ地域の学校、男子校・女子校、ミッション系の学校など、何らかの共通点がある学校が合同で開催します。1回だけの参加で、多くの学校の情報を得られる貴重な機会です。
主に受験生本人を対象に、授業や施設・設備を公開したり、模擬授業やクラブ活動の体験会を催したりするイベントです。土・日曜や祝日、夏休みに行われることが多いので、興味のある学校のイベントにはぜひ参加してみましょう。参加するには事前の申し込みが必要な場合もあります。気になる学校があれば、ホームページなどでこまめに確認してください。
それぞれの学校の最大のイベントといえるのが、文化祭・体育祭です。在校生たちが力を合わせて取り組む行事なので、学校の個性を感じることができます。文化祭では、校内の雰囲気や在校生の様子、体育祭では生徒たちの盛り上がりやチームごとのまとまりなどに注目してみましょう。来校者に対することば遣いや接し方、在校生同士の会話などからも、その学校の教育姿勢を感じ取れます。
文化祭などの開催中に入試相談コーナーを設けている学校もあるので、利用するのもよいでしょう。
ACTION3 聞く 気軽に講師に相談を
情報を集めて、それぞれの学校を比較したり、実際に学校説明会や文化祭などに足を運んだりしても、なかなか志望校が絞り込めないというケースは少なくありません。逆に多くの情報を得たことで、かえって「迷いが増えた」という声もよく聞きます。
そんなときに頼りになるのが、受験指導に関する豊富な経験とノウハウを持つサピックスの講師陣です。講師たちはふだんの授業を通して、お子さんの学力はもちろん、性格や特徴も把握しています。それに基づいて、どの学校に合っているかを保護者には気づきにくい視点からも判断してもらうことができ、今後に向けてのアドバイスも受けられます。志望校選びに悩んだり、迷ったりしたときは、サピックスの講師に相談してみましょう。講師はけっして無理強いすることはなく、保護者の方とお子さんの希望に沿ってアドバイスをします。
ACTION4 話し合う 最終決定は家族全員が納得する形で
中学受験に挑むのは受験生本人ですが、年齢や経験などを考えると、本人だけで志望校を選ぶことには危うさもあります。保護者の方がお子さんをリードして、ご家族全員が納得して決めるのが理想的です。
とはいえ、最近ではお子さん自身が「この学校に進学したい」と決意して、サピックスに入室するケースも増えています。もし、お子さんがそのようなタイプであれば、本人の意思を尊重してあげてください。その場合でも、話し合いの主導権は保護者の方が握るという形がベターです。
中学受験は「親子の受験」ともいわれます。志望校選びは、お子さんはもちろん、保護者の方にとっても、将来を考える良いきっかけになります。お子さんのこれからの人生について、家族で真剣に向き合うことは、中学受験以外の部分でも役に立つ貴重な経験になるでしょう。
お子さん自身の「この学校に入りたい」
という気持ちが受験勉強の原動力に
志望校選びで大切なのは、お子さん自身が学校をしっかりと知り、その学校に通うことをイメージし、通いたいと思えるかどうかです。そのうえで保護者の方も学校のことを調べ、いろいろな「軸」から志望校を検討していただきたいと思います。
「軸」には、男子校・女子校か共学校か、あるいは進学校か付属校かなど、学校のタイプがありますが、最初からこの「○○校か」だけを軸にして絞るのではなく、その学校でお子さんがどのように成長していくのかも考えることが大切です。たとえば、伝統校か新興校かであれば、伝統校は、多くの卒業生とのつながりを大切にしているので、あらゆる出会いが将来のお子さんの人脈として財産となります。一方で新興校は、その学校ならではの面倒見の良い教育が魅力の学校も多く、お子さんが新しい伝統をつくっていく存在となるでしょう。ご家族で、どの軸を大切にしていくのかを見極めて志望校を選んでいただきたいと思います。
目に見える偏差値や進学実績だけで絞り込まず、多くの学校を知り、候補として考えることも重要です。幅を持たせて複数の志望校があれば、受験の日程を組むときにも柔軟に対応できます。第一、第二、第三志望という序列をつくるよりも、「この学校はこれができる」など、軸を横に広げて考えることも大切にしてください。
学校を知るには、やはり足を運ぶことがいちばんです。在校生の様子を実際に見て感じる校風がきっとあるでしょう。学校説明会などは保護者向けが中心だと思いますが、たとえば先生の年齢構成や、施設の充実度など、比較検討材料が見えてきます。
5月の志望校別GS特訓では、志望校を意識した授業が行われます。このタイミングでお子さん自身も、どういう学校をめざしていきたいのかをしっかり考えることが大切です。そして、「この学校に入りたい」という気持ちは、ここから入試に向けて走り切る原動力になります。
志望校選びに迷ったとき、不安なときは、わたしたち講師に相談してください。お子さんに合う志望校を、一緒に考えましょう。
教務本部 福泉 秀司
- 25年5月号「そこが知りたい!」シリーズ Vol.2:
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