受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

そこが知りたい!

親子共に納得できる学校を見つけよう「志望校選び」四つのアクション

POINT2 見る 親子で学校に足を運んでみる

 興味のある学校が何校か見つかったら、家族でその学校に足を運んで、学校見学などのイベントに参加してみましょう。興味がある学校のホームページは定期的にチェックし、イベントの告知を見逃さないようにしてください。

 『さぴあ』では本誌とホームページで、受験生や保護者の方などを対象としたさまざまなイベントを紹介しています。『さぴあ』本誌では、「学校行事スケジュール」(今月号34~36ページ参照)のページを、『さぴあ』のホームページでは「学校行事/学校説明会」のコーナーをご覧ください。

学校説明会

 学校のPRのための代表的なイベントです。主に保護者の方を対象として、校長先生をはじめとする複数の先生から、その学校の教育方針・校風・カリキュラム・クラブ活動・入試などについての説明を聞くことができます。校内の様子や、先生・在校生の雰囲気を確認できる絶好のチャンスといえるでしょう。また、オンラインの場合でも、保護者からの質疑応答のための時間を設けている学校もあります。そうした機会も積極的に利用しましょう。

 サピックスでは、内部生の保護者の方を対象に、学校別に説明会を開催しています。一般の説明会以上に内容の濃い話が聞けると、例年好評を得ています。在校生、時にはサピックスの卒業生が学校の様子を紹介したり、受験勉強についてアドバイスしたりすることもあります。詳しくは、今月号38~39ページと、小学部ホームページのマイページをご覧ください。

合同説明会

 複数の学校が参加して開かれる学校説明会です。同じ地域の学校、男子校・女子校、ミッション系の学校など、何らかの共通点がある学校が合同で開催します。1回だけの参加で、多くの学校の情報を得られる貴重な機会です。

体験授業・オープンスクール

 主に受験生本人を対象に、授業や施設・設備を公開したり、模擬授業やクラブ活動の体験会を催したりするイベントです。土・日曜や祝日、夏休みに行われることが多いので、興味のある学校のイベントにはぜひ参加してみましょう。参加するには事前の申し込みが必要な場合もあります。気になる学校があれば、ホームページなどでこまめに確認してください。

文化祭・体育祭

 それぞれの学校の最大のイベントといえるのが、文化祭・体育祭です。在校生たちが力を合わせて取り組む行事なので、学校の個性を感じることができます。文化祭では、校内の雰囲気や在校生の様子、体育祭では生徒たちの盛り上がりやチームごとのまとまりなどに注目してみましょう。来校者に対することば遣いや接し方、在校生同士の会話などからも、その学校の教育姿勢を感じ取れます。

 イベントの開催中に入試相談コーナーを設けている学校もあるので、利用するのもよいでしょう。

POINT3 聞く 気軽に講師に相談を

 情報を集めて、それぞれの学校を比較したり、実際に学校説明会や文化祭などに足を運んだりしても、なかなか志望校が絞り込めないというケースは少なくありません。逆に多くの情報を得たことで、かえって「迷いが増えた」という声もよく聞きます。

 そんなときに頼りになるのが、受験指導に関する豊富な経験とノウハウを持つサピックスの講師陣です。講師たちはふだんの授業を通して、お子さんの学力はもちろん、性格や特徴も把握しています。それに基づいて、どの学校に合っているかを保護者には気づきにくい視点からも判断してもらうことができ、今後に向けてのアドバイスも受けられます。志望校選びに悩んだり、迷ったりしたときは、サピックスの講師に相談してみましょう。講師はけっして無理強いすることはなく、保護者の方とお子さんの希望に沿ってアドバイスをします。

POINT4 話し合う 最終決定は家族全員が納得する形で

 中学受験に挑むのは受験生本人ですが、年齢や経験などを考えると、本人だけで志望校を選ぶことには危うさもあります。保護者の方がお子さんをリードして、ご家族全員が納得して決めるのが理想的です。

 とはいえ、最近ではお子さん自身が「この学校に進学したい」と決意して、サピックスに入室するケースも増えています。もし、お子さんがそのようなタイプであれば、本人の意思を尊重してあげてください。その場合でも、話し合いの主導権は保護者の方が握るという形がベターです。

 中学受験は「親子の受験」ともいわれます。志望校選びは、お子さんはもちろん、保護者の方にとっても、将来を考える良いきっかけになります。お子さんのこれからの人生について、家族で真剣に向き合うことは、中学受験以外の部分でも役に立つ貴重な経験になるでしょう。

お子さんの気持ちを尊重しながら
選択肢を広げて学校を探す

 志望校選びで最も大事なのは、お子さんがその学校で6年間、大学の付属・系属校の場合は10年間、充実した生活を送ることができるか、ということです。保護者の方は、つい偏差値や大学進学実績に目が向いてしまうかもしれませんが、校風や通っている生徒の雰囲気から、お子さんに合う学校か、お子さんが通いたいと思える学校かを探ることが大切です。

 そのためにも、できるだけ幅広く学校を見学してください。最初の段階で、男子校・女子校か共学校か、あるいは進学校か付属校かという学校のタイプを決めるご家庭も多いかと思いますが、その枠にとらわれずに、選択肢を広げておくことをお勧めします。最初からタイプを絞ってしまうと、学校の数も限られてくるため、お子さんに合う学校を見つけることが難しくなってしまうケースもあります。

 偏差値についても、幅を持たせて、多くの学校を候補として考えてください。志望校を一つに絞るのは、複数回受験できる学校だとしても避けたほうがよいでしょう。男子校・女子校ならここ、共学校ならここと、必ず複数の学校を考えておきましょう。そのほうが、受験の日程も組みやすくなります。

 第一志望校については、高い目標を設定しても構いません。今の時点では難しくとも、「ここに通いたい」という強い思いがあれば、お子さんは入試当日まで力を伸ばすことができます。模試の結果によってたびたび志望校を変える方もいますが、模試はあくまでも“練習”であり、結果に直接結びつくものではないことを忘れないでください。

 学校見学については、実際に学校に足を運んで、できるだけ参加していただきたいと思います。生徒たちが何を制作しているのか、どのように取り組んでいるのかを見れば、その学校の校風が伝わってきます。

 また、通常授業の日の登下校時に学校の近くへ行き、生徒の様子を見るというのも一つの方法です。「真面目で堅い」というイメージを持たれている学校でも、実際に通う生徒の表情を見ると、とても明るく、活気のある学校だとわかることもあります。

 今後、学習を進めていくなかで、苦しいときでも支えになってくるのは、お子さんの「この学校に入りたい」という強い思いです。そのためにも、保護者の方は、受験する可能性のある学校については、できるだけポジティブな情報をお子さんに伝えるようにしてください。どこに通うことになったとしても、楽しい学校生活が待っているとお子さんが思うことができれば、学習の大きなモチベーションになります。逆に保護者の方が一部の学校についてネガティブな情報を伝えると、お子さんの気持ちも不安定になります。仮にその学校に進学することになった場合、お子さんにとってはつらい6年間になってしまいます。

 不安になったときや、志望校選びに迷ったときは、ぜひわたしたち講師に相談してください。講師はお子さんの学習傾向や、学校情報について熟知しています。学校選びのヒントになると思いますので、どんどん頼っていただければ幸いです。

教務本部 西川 敦

24年5月号「そこが知りたい!」シリーズ Vol.2:
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