さぴあ何でも相談室
漫画やゲームがやめられないお子さんは多く、保護者の皆さんは学習時間とのめりはりのつけ方に悩んでいるようです。親子で話し合い、一緒にルールを決めることが、学習へのモチベーションにつながります。ルールを作る際に気をつけること、子どもの意識を高める家庭での雰囲気づくりなどについて、南浦和校校舎責任者にお聞きしました。
第177回「息抜きと学習時間の
めりはりをつけるには?」回答者/南浦和校校舎責任者
漫画やゲームを取り上げるのではなく
学習とのめりはりを考えてルールを作る
「テストの点数が悪いから」「学習する姿勢が見られないから」という理由で、ペナルティーとして漫画やゲームを取り上げたご家庭の話を聞くことがあります。しかし、その結果は、かえって学習時の集中力が続かなくなったというケースのほうが圧倒的に多いのです。漫画を読んだり、ゲームをしたりする時間をなくしたからといって、必ずしもその時間が学習に充てられるわけではなく、取り上げればプラスになるとは限らないと考えます。
漫画やゲームを禁止したことによって、逆に親の目を盗むほうにエネルギーを使うようになってしまったという話も聞いたことがあります。それならば、やはり上手なつき合い方、めりはりのつけ方を考えるべきでしょう。漫画やゲームは娯楽なので、マイナスのイメージで全面的に否定してしまいがちですが、時間を決めずに続けてしまうことが問題なのであって、やること自体は害ではないと思います。
めりはりをつける工夫として、「家庭で学習した時間の3分の1はゲームをやってもいい時間」というルールを親子で一緒に決めたという例もあります。このように、「楽しいゲームの時間が待っているから、勉強が終わってからやろう」というシンプルな考え方でよいので、親からの押し付けではなく、親子で一緒に話し合ってルールを決めることが大切です。お子さんにも「一緒に決めたことだから、しっかり守ってやろう」という意識が芽生えるでしょう。「漫画やゲームの時間はここまで」と決めたら、「勉強をがんばる時間もここまで」と区切って、親子でルールを守ることも大切です。漫画やゲームをだらだらとやらない、そして集中して勉強する、という取り組み方が、めりはりをつけるためには重要ではないでしょうか。
毎日の大枠のスケジュールを立て
学習する時間の雰囲気づくりにも配慮を
めりはりをつけるためのベースとして、日々のスケジュール管理も重要です。「この時間は『基礎力トレーニング』と『コアプラス』をやろう」「デイリーチェックを見直そう」などと、大枠のスケジュールを立てて、その間に自由時間を組み込むのもよいと思います。
また、教材の量が多いので、「すべてが終わらない」という状況になることもあるかもしれません。この場合も、だらだらと学習時間を延ばすのではなく、「あと30分延ばそうか」「そうしたら自由時間も延ばそう」などと、親子で話し合って決めてほしいと思います。「ここまでやろう」と決めて、早く終わったときには、その分、学習時間をプラスするのは避けてください。ご褒美としての余暇の時間は必要なものです。
「親子で一緒に」という観点からは、お子さんが学習するとき、特にリビングで行うときは、ご家族も一緒に学ぶような行動を心がけてほしいと思います。学習しているそばで、親がテレビを見たり、スマートフォンをずっといじったりしていれば、お子さんのやる気は起きないでしょう。家事や読書をしている「ふり」でも構わないので、親も何かに取り組んで、「今は勉強タイムだよ」という雰囲気をつくり出すことも、ある程度は必要ではないでしょうか。
漫画やゲームに費やす時間に関する相談は多いのですが、余暇の時間があるから学習時間に集中でき、リズムがつくれるともいえます。大人の生活にたとえると、勤務時間が終われば余暇の時間で、仕事のことを考える時間があったとしても、好きなことをしてリフレッシュしながら気持ちを切り替えています。子どもに置き換えると、本分は学校生活で、そのほかの時間は余暇です。このなかに塾や家庭学習の時間もあるので、好きな漫画やゲームでの適度な息抜きも必要でしょう。学習に集中するためのルールや生活のリズムを、お子さんと一緒につくってみてほしいと思います。
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