さぴあ何でも相談室
授業の後、わからないことを個別に聞ける質問教室は、4年生から利用できます。最初は「行くのがはずかしい」などと思うお子さんもいるので、まずは「行きやすい場所」にしておくことが大切になるでしょう。質問に行く前の準備と質問する際のポイント、行った後の復習と取り組み方、授業と質問教室のつながりなどについて、赤羽橋校校舎責任者にお聞きしました。
第157回「質問教室を上手に
利用するためのポイントは?」回答者/赤羽橋校校舎責任者
保護者の声掛けで利用しやすい雰囲気に
「わからないところはどこか」を知るのが重要
特に4・5年生は、お子さんが自分から質問教室に来るというケースはあまり多くはなく、保護者の方から「質問教室に行きたがらないのですが、どうすればよいですか」というご相談をいただくこともよくあります。利用可能となる4年生の時点では、質問教室の存在を知らないというお子さんもいます。ご家庭で「この問題は質問教室に行って先生に聞いてみようか」と声を掛けて、利用しやすい雰囲気をつくっていただけるとよいかと思います。保護者の方からご相談いただければ、講師も「今日、帰りに質問教室に寄っていく?」と声掛けすることができます。
講師はただ問題の解き方を教えるだけではなく、「どこまで考えたの? どこがわからないの?」と聞くところから始めます。それをある程度説明できるお子さんもいますが、初めからうまく説明できないのは当然です。講師はお子さんとやり取りするなかで、どこまで理解しているのかを把握し、「そこでつまずいているなら、一つ前の段階の問題からやってみよう」と指導します。「この問題がわからない」に答えるだけだと、お子さんは解説を聞いただけで満足してしまいがちです。つまずいているポイントまで戻り、「わからないことをわかるようにする」のが質問教室の意義だと考えています。
そのためにも、質問教室に行く前の準備と質問する「量」は重要です。たとえば、算数の問題を5問、6問と質問して解説を聞いたとしても、それをすべて理解できるのか、家ですべて復習できるのかと考えると、無理があるのではないでしょうか。そのようなお子さんは、しっかりと考えずに何となく難しそうな問題をすべて持ってきているといえます。しかし、「わかっていないところはどこなのか」をあらかじめ考えてから質問教室を利用することで、質問の量自体も減らすことができます。
授業と家庭学習で理解できなかったことを質問
質問後は自分の力でもう1回解いてみる
わからないときにどこを振り返るべきかを、まず自分で考えてみることが重要になりますが、その際に、いちばん大切なのは授業です。授業でどう解いたかを思い出すためにはノートをとることが必要ですが、4年生のお子さんたちは、授業中に「聞きながら書く」ということがなかなかできません。書くための時間をつくり、「今書いておかないで復習できるの?」と声を掛けると、はっと気づいて書き出します。ただ聞いているだけで理解することは難しいので、書いておこうという意識を持ってもらうために、授業中にノートをとることは常に促しています。
また、「その場ではわからなかったが、落ち着いて考えたら理解できた」ということもあります。たとえば、「テストのときは時間がなくてわからなかったけれど、家で冷静に見返したらわかった」というパターンです。授業も時間が限られているので、そのときにはわからないこともあるでしょう。家に帰ってノートを開き、書いたことを見て「そういうことか」と気づき、考えてほしいのです。これは、質問教室での質問の仕方にもつながってきます。「授業でわからなくて、家でもやってみたけれど、やっぱりどうしてもわからない」という問題を持ってきてくれたほうが、解決は早いでしょう。
質問教室から帰ってきたお子さんには、保護者の方から「遅くまで大変だったね。おつかれさま」とねぎらいのことばを掛けてほしいと思います。そして、「教わった問題をもう1回解き直してみよう」と声を掛け、質問教室で講師が残したメモを見ながらでも構わないので、もう一度自分だけの力で解けるか確認してみてください。それでも「やっぱりまたわからなくなった」というときには、再度質問教室に来てください。その積み重ねは、わかるまでに自分がどれだけの量を繰り返さなければならないのかを量る目安にもなります。
質問教室を利用することは、家庭学習の時間の使い方を考えるきっかけにもなります。繰り返し質問に来てくれると、「今日はここまではやる」などと、ある程度自分で計画を立てられるようになるお子さんもいて、成長もわかります。学習の進め方や、学習法全般の質問にも対応していますので、ぜひ利用してください。
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