さぴあ何でも相談室
サピックスの授業では、毎回さまざまなテキストが配られます。特に4年生からは量も増えるため、整理しないままにしておくと、見返して復習したいと思ったとき、探すのに時間がかかるという状況になってしまうでしょう。テキストを上手に活用して、家庭学習にうまくつなげる方法について、若葉台校校舎責任者にアドバイスをいただきました。
第155回「家庭学習がスムーズになる
テキストの整理方法とは?」回答者/若葉台校校舎責任者
テキストナンバーの順にボックスなどに収納
「年間学習法」をセットにして活用
テキストの整理には、大きく分けて二つの作業があると考えています。一つは、主に保護者の方が担当するテキストのファイリング。最もシンプルでわかりやすいのは、教科ごとに分けたボックスやファイルに、テキストナンバーの順に入れていく方法です。B4サイズのボックスやファイルを用意すれば、大きいテキストでも折らずに収納できるのでお勧めです。
その際、テキストの種類には関係なく、同じナンバーのものをまとめるとよいでしょう。たとえば、国語Bなら問題、解答用紙、解答・解説を一緒に入れておきます。教科とテキストナンバーが一目でわかるようになっていれば、復習するときにもすぐに取り出すことができます。ボックスやファイルを見やすく並べるために、大きめの棚を用意していただけると理想的です。
整理するのにあまりにも気合いを入れ過ぎて、「きれいにやろう」「ていねいにやろう」とすると、長続きしない可能性もあります。なるべく簡略化して、機械的に作業できるようにしたほうが気楽に取り組めますし、慣れてきたらお子さん自身にやってもらうこともできます。
整理したテキストとセットにして活用したいのが、各学年の初めに配られる「年間学習法」です。この冊子には、カリキュラム一覧のほか、テキストナンバーごとのタイトル、内容、簡単なアドバイスなどが掲載されています。テキストと一緒に保管して、すぐに取り出せるようにしておけば、「この単元をもう一度やりたい」と振り返るときに、どのテキストを見ればよいのかがわかりやすくなります。
このような作業を4~5年生のうちに習慣にできるとよいでしょう。6年生になると、テストの振り返りをする機会が増えるので、テストごとの範囲に分けてファイリングをするのも一つの方法です。最初は基本の方法で試してみて、ご家庭の状況に合わせてアレンジを加えていってください。
授業後に子どもがテキストを整理すれば
家庭学習でやるべきものが明確に
二つの作業のうちのもう一つは、授業後にお子さんがテキストを整理することです。テキストは、授業が終わったらすぐにファイリングの作業をするわけではありません。家庭で復習をして、テキストによっては講師に提出し、確認してもらって返却されてから、ボックスやファイルに入れるという流れになります。
そこで重要になるのが、授業後にお子さんが行う次のような作業です。できれば家に帰ってからすぐに、その日にもらったテキストを全部出して、「当日や翌日にすぐやるもの」「後日少し時間をかけてやるもの」に分けます。分類したテキストをそれぞれのボックスなどに入れておけば、家庭学習の時間に何から手をつければよいのかがすぐにわかります。また、自分で整理することで、学習に対する能動的な姿勢が生まれることも期待できます。帰宅後の5~10分程度で構わないので、その作業を習慣化すると、スムーズに家庭学習につなげることができるでしょう。
低学年のうちから、授業後のテキストの整理を親子で一緒にやって、早めに意識して習慣づけておけば、4年生でテキストが増えても、慌てずに一連の作業に取り組めると思います。その日のうちに配布されたものを整理すると、校舎で配られるお知らせなども保護者の方が一緒に確認できるというメリットもあります。
受験勉強における保護者の役割は「マネージャー」だといえます。お子さんが整理の作業をしているときに、保護者の方が「今日はどんなことをやったの?」と声を掛ければ、親子のコミュニケーションの時間にもなります。講師にチェックしてもらったテキストが返ってきたら、そのコメントを読んでからファイリングすれば、家庭学習をきちんとやっているかを確認できる機会ともなります。学習の内容まで細かく把握する必要はありませんが、テキストの整理に伴う作業を続けていくと、どんなことを学んでいるのかを大まかにつかめるようになると思います。
テキストの整理も一つのきっかけとしてうまく活用し、進級してから2か月くらいの間に学習のリズムを確立できるとよいでしょう。最初はとにかくやってみることが大切なので、これまでは整理ができていなかったというご家庭でも、新学年となったのを機に、ぜひ試してみてください。
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