11月、最後の学校別サピックスオープンでの偏差値は53。第一志望校の偏差値は61。合格率は30％だった。合格力判定サピックスオープンは４回中３回が30％以下。一番良かったときでも60％。過去問でも１回も合格点を超えたことはなかった。正直、もう合格はあきらめていた。私立の学校ならどこでもいい、そういう投げやりな気持ちで勉強を進めていた。
　１月。二つの学校を受けた。２校とも結果は合格。受かるはずないと思っていた学校に受かったことで、私のなかにもしかしたら第一も受かるかもという希望が生まれた。その日から私は本気で勉強に取り組んだ。苦手な社会は「コアプラス」を確認し、算数は立体切断の問題をひたすら解いていった。少しでもなまけそうになったときには、第一志望校に落ちた自分の姿を想像した。そうやって２月の本番に向けて、ただひたすらに勉強した。そうして迎えた２月２日の本番。緊張はあまりなく、それよりも受かったらラッキーぐらいの軽い気持ちでいた。入試が終わったとき、私は絶対に落ちたと思っていた。なぜなら算数が絶望的にできなかったからだ。明日の２回目の試験に向けて気持ちを切り替えて勉強を進めた。19時になり、合格発表の時間になってパソコンを開き、自分の番号を探す。あった！ 受験票と画面を何回も見比べる。本当にある。見間違いではなかった。頭のなかが喜びでいっぱいになった。信じられない。私の中学受験は大成功というかたちで無事に終わったのである。
　今年の受験生に伝えたいこと。それは、最後まで気を抜かずにがんばってほしいということです。テストの結果に一喜一憂せず、最後まで第一志望校に向けてがんばってください。