私は最終的に全勝し、受験は大成功で幕を閉じました。
　「全勝」とだけ聞くと、とても聞こえが良く、その人の受験自体も華やかなものに思えるかもしれませんが、私の場合、全くそんなことはありませんでした。
　上のコースに上がるために奮闘し、いざ上がると自分よりも勉強ができるクラスのメンバーに囲まれ劣等感にさいなまれたり、点数が悪くて泣きながら帰ったり、スランプに陥って途方にくれたりと、とにかく多くの壁にぶち当たりました。自分の弱さを認め、向き合うことの辛さは今でも忘れられません。
　それでもここまで食らいついていけたのは、自分に自信がなかったからです。自分には特別な才能もセンスもないので、やった分しかできるようになりませんでした。だから、みんなに置いていかれてしまうのではないか、このままでは志望校に届かないかもしれないという恐怖を埋め合わせるためにこつこつと手を動かし、地道に学習を積み重ねたことが功を奏したと感じています。泥臭い経験をしたことがむしろ糧になり、結果的に成功のカギとなりました。
　目標に向かって最後まで諦めず向き合うべきだということを、受験やサピックスは教えてくれました。このことは私にとって大きな自信となりました。それにきっと私のこれからの人生においても貴重な経験になることと思います。
　最後に、落ち込んだ時や心が折れてしまいそうな時、私を信じて何度も励まし支えてくれたサピックスの先生方や家族には本当に感謝しています。ありがとう。