「私もサピックスへ通いたい！」と娘が言い出したのは３年生の冬でした。ちょうどその頃４歳上の息子がサピックスでの中学受験を終えて１年弱となり、そろそろ次は娘のことを考え始めていた時に出てきたのが冒頭の言葉です。息子が休日もほとんどなく日々夜遅くまで辛さに耐え必死に勉強し続けていた姿を間近で見てきて、幼いながらもサピックスでの中学受験がどれだけ大変なことなのかをわかっていると思っていただけに、私としてはとても意外な言葉でした。「娘に同じことが果たして耐えられるだろうか」と不安ではありましたが、どうせ中学受験をするなら中途半端ではなく全力でトライさせたかったので新４年生の２月、新学期からお世話になることにしました。
　親の心配をよそに４年生は成績も割と上位の方に位置していて順調なサピックス生活を送れていたのですが、５年生になって難しい内容のことが多くなり４年生の時のようにすんなり学習内容の理解ができなくなってくると嫌気がさしたのでしょうか、教えてあげても頑固で反抗的な態度をとることが多くなり勉強をしなくなる日が増えだしました。そのせいで成績が急降下し、偏差値50を切った時点で真剣に退室するかどうかを話し合ったこともありました。
　６年生になってもネットの動画鑑賞にはまってしまい受験への本気度が感じられないままでしたが、夏期講習を前に「動画もゲームもやめる」と言い出し、目の色を変えて有言実行した姿を見て「ああ、良かった」と安堵した気持ちが半分、「もっと早く目を覚ましてくれれば…」と思う気持ちが半分といった思いをしていました。
　夏期講習を終えてＳＳ特訓が始まりましたが、娘が一番に入学を希望していた洗足学園のコースが設置されていなかったのでＳＳ特訓でフェリスの対策を行い、家庭学習で洗足学園の対策を行うようにしていきました。両方の学校の対策を並行してこなしていかなければならないということでかなりの負荷となっていたようですが、自分なりによく頑張ってこなせていたと思います。
　入学試験は娘だけではなく一家総出の総力戦でした。受験は本人がするものですが、出願や受験票印刷、合否発表のスケジュールなどの管理は親の仕事です。間違えないよう細心の注意を払って何度も確認しながら試験本番を迎えました。受験は２月５日まで要しましたが、２日の午後からは入試休暇だった息子も受験会場に同行して娘を応援し送り出しました。
　我が家はお試しとして埼玉の１月校を受験しましたが、アドバイスとしては１月に合格を得ていることは精神的に大きいと感じます。結果として５校全勝というすばらしい結果を娘が残すことができたのはサピックスでの指導と支えがあったからこそだと感じております。本当にありがとうございました。