受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2024年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 慶應義塾湘南藤沢中等部

兄が見つけた妹の熱望校

C.Hさん お子さんの名前 Kさん

 「妹にぴったりの学校だ!」 慶應普通部3年の息子が、自分の進学先の高校選択のため訪れた慶應湘南藤沢(SFC)説明会の帰り道での第一声。
 まったく同じ事を思っていた私は驚きました。自宅から2時間弱かかるため、通うのは無理だろうと選択肢から外していたSFC、初めて訪れたその学校は親の目から見ても娘にぴったりで、本人も気に入るだろうと確信しました。娘が6年生10月の出来事でした。
 1年生からサピックスにお世話になっていた兄妹。兄は4年生で慶應普通部の労作展に心をつかまれ、早い段階から熱望校となりました。それに比べ、妹はまだ熱望校に出会えずにいました。1年生から安定していた成績が5年生でガクンと落ち、どう頑張っても浮上できずに苦しんだ1年間のスランプも、今から思えば熱望校が無かったのも一因かと思います。
 持ち前の負けず嫌いな性格で、なんとかスランプを脱して迎えた6年生でしたが、暫定の志望校はそれぞれ良い学校だけど、どうしてもこの学校!と思うほどの熱意を持てないことに親子共にモヤモヤしたものを感じていました。
 そんな中、出会ったSFC。でも、6年生の10月と言えば、過去問も始め、皆が志望校に向けた準備を着々と進めている時期。今からで間に合うのか…。すぐに担当の先生に相談。大急ぎで過去問を購入し、やってみると、問題の傾向も娘に合っていました。しかし、国語では条件作文という特殊な問題が毎年出て、付け焼き刃で対応できるような問題ではありません。10年分の過去問を解く必要がありましたが、国語の先生が即座に添削をしてアドバイスをびっしり書いて下さることで、娘は着実に実力と自信を付けていきました。
 そして一番大切だったのは娘本人が本当にSFCを気に入るか。こちらについても、もう時間はありません。説明会動画を視聴し、実際に遠くまで通えるかの体感も兼ねた校舎見学。その時点では、まだピンときていなかった娘も、文化祭で目の色が変わりました。「わたし、来年この中に居そうな気がする!」。娘がようやく、どうしても行きたい学校を見つけた瞬間でした。
 ギリギリの時期でしたが、熱望校を見つけてからの娘はさらに強くなりました。そして、2月2日の筆記試験に合格。「私が、どんなにSFCに行きたいか熱意をぶつけてくる!」そう言って面接と体育に臨み、二次試験も見事合格。少し前まで、こんな進路が待っているとは想像もしなかったので、驚きと嬉しさが入り交じった感動の瞬間でした。
 サピックスでは、志望校に特化した問題ばかりではなく、あえて志望校以外の過去問を購入して解く指示が出されるなど、一見すると遠回りに思えることもたくさんありました。でも、それが結果的には強靱な土台を作り、どんな学校の問題にも対応しうる力をつけてもらっていたのだと実感。その力が付いていたからこそ、急な志望校変更でもこうして合格できたのだと感謝しています。

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