受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2024年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 東京都立小石川中等教育学校

短期集中で乗り切った中学受験

K.Kさん お子さんの名前 Kさん

 我が家の方針は、中学受験を考える多くのご家庭とは少し違うかもしれません。新4年生もしくは低学年からの通塾が一般的ですが、ギリギリまで好きなことをさせて、通塾は短期間と決めていました。少し迷ったのは、都立一本か私学併願か、夫婦間でも議論になりました。都立一本の場合は、6年生秋からの開始で間に合うので、子供の負担は最小限です。ただ、一発勝負はリスクが大きいので、私学を押さえた上で都立に挑戦すると決め、私学受験において実績のあるサピックスに6年生からお願いすることにしました。
 入室テストの結果は、散々でした。学習系の習い事を全くしたことがないので、先取りする塾の問題に歯が立たず、特に社会は偏差値30台、理科も40台でした。元々得意な国語と、親が教えていた算数のおかげで入室できましたが、まん中より下のクラスからのスタートでした。
 日頃の学習習慣がなかったため、最初は通塾だけで精一杯でした。課題をこなすのも大変で、消化しきれていないのに、次の授業でまた大量の課題を持ち帰ってくる、という状態が続きました。質問教室も使わず、親が勧めて渋々行ったのが4月末。けれど、先生が名前を覚えてくれていて、気さくに話してくれたことが嬉しかったらしく、それからは自分から質問教室に行くようになりました。その頃から成績が伸び始めました。
 しかし、夏休みに遊びすぎて秋口に成績が下がりました。学習に対する姿勢が顕著に結果に出ると痛感しました。そこで、過去の模試の結果から苦手な単元を洗い出し、できない問題は質問教室に聞きに行くか親が教えて一つずつ克服していくことにしました。例えば、化学の計算問題が根本的に理解できていなかったので、絵や図を描いて説明し、前期のテキストに戻って基本問題から解かせました。
 スイッチが入ったのは11月後半でした。秋の学芸会で主役をやることになって真剣に取り組んでいました。終わってから切り替えができました。また、同時期にピアノとバイオリンも一旦お休みに入りました。年明けからは、授業の復習をやりつつ、暗記を徹底的にやりました。その頃の伸びは凄まじかったため、元々私学は安全圏を受験する予定でしたが、入試一週間前に一校追加しました。
 結果、私学2校、都立1校全て合格しました。併願することでどちらも中途半端になることを懸念しましたが、結果を残せたのは、切り替えができたためだと思います。また、ピアノとバイオリンの日々の練習により、集中力がついたことは勉強にも大いに役立ったと思います。あと最後に、メンタル面で親が気をつけたことは、何が何でも受かれ、などと言って追いつめなかったことです。中学受験はあくまでもオプション。人事を尽くすべきだがそれが全てではないと話しました。そのおかげでリラックスして挑めたようです。

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