受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2024年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 慶應義塾中等部

絶望と歓喜のドキュメンタリー

T.Mさん お子さんの名前 Yさん

 「えっ…? うそでしょ…!?」
 1月12日夜、栄東の結果は無情にも不合格。楽観的空気は一気に消え、絶望感が漂いました。点数を見ると全体的に不調でしたが、特に国語は冬期講習から下降線を辿り大スランプでした。
 翌々日に浦和明の星を控え、この調子では1月校の全滅も有り得るため、急遽栄東B日程を追加、まずは1校合格を目標としました。結果的には3校合格でしたが、国語の不振が厳しいため、読解ルールの再確認とSS読解力や土特テキストから難易度の低い問題を使用し、読解力の立て直しをしました。
 2月1日の早稲田実業を終えた娘は、暗い顔で口数が少ないことに気が付きました。11月のサピックスオープン慶應中等部&早実2連戦でも同じ事があったな…と思い(ちなみに壊滅的な成績でした)、雑談をして普段と変わらないように努めました。
 2日は午前・午後受験のため、昼に待機できるお店と、午前~午後試験会場間の移動ルートを入念に確認し、午後試験を落ち着いて挑めるよう準備しました。暗くなった香蘭の校庭で出迎えた娘は、前日と違い色々話してくれたため少し手応えを感じましたが、私からは試験内容に一切触れずに帰宅。
 そして運命の慶應中等部。娘には「いつも通りで大丈夫、自信をもって!」と伝えましたが「計算ミスをしないこと、問題をきちんと読むこと!」と、必死さのあまりつい伝達事項が増えてしまいました。試験後に3校の結果を確認。早実は問題との相性が悪く不合格を覚悟していたので、まずは青山学院と香蘭合格を喜びつつ、表参道へ直行しました。
 4日は娘の希望もあり、最後の筆記試験となる中大附属へ。帰宅し15時の慶應中等部一次発表は…無事突破! 面接想定問答の事前確認を行い、迎えた最終決戦の5日。2年前の息子の時と違い、背水の陣で挑む面接は非常に緊張しましたが、娘がハキハキと質問に回答する姿を見て、いけると確信しました。
 翌日、結果は…合格! 「よっしゃあああ!」と心の中で歓喜の叫びが止まらず、私は涙を堪えることができませんでした。約30年前、慶應中等部には縁の無かった私ですが、娘が時を超え奇跡的に合格したことには、とても感慨深いものがありました。
 国語の不調を立て直し、最後まで諦めなかった娘を褒めてあげたいです。また息子の時と同様、直前期の生活リズム調整やメンタル回復に尽力してくれた妻に大変感謝しています。
 そして、受験の成功はサピックスの優れたカリキュラム・テキスト、並びに講師の皆様のご指導の賜物だと思います。面談での的確なアドバイスや、直前の電話での激励も心強かったです。
 この原稿を書いたのは全てを終えた2月6日。2人の兄妹は同じ大学附属系列中に進むことになりました。親目線での受験は、時にはもどかしいものがありましたが、子供と一緒に目標へ向かって進んだ最高の経験だと思っています。ありがとうございました。

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