受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2024年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 芝中学校

偏差値では測れない想い

K.Hさん お子さんの名前 Sさん

 2月4日の芝中2回目受験。受験を終えた子供の第一声は「簡単だった、多分出題する先生が変わったんじゃないかな」でした。
 2月1日は午前の芝中不合格、午後の獨協中も不合格。頭を垂れる子供を見てあまりにかわいそうすぎて、何とか合格をとらせてあげたいと思い、私はもはや冷静な判断ができなくなりました。1日の連続不合格は悲しすぎました。埼玉で合格はしていたものの、行くつもりがあまりなく、安心を与えるには意味がなかったと感じます。1日の夜、一度ベッドに入ってから、2日午後、3日に受けられて絶対に合格がもらえるだろう学校を複数申し込むという奇行に出てしまう程、冷静さを欠いておりました。
 2日、第二志望の高輪中を受け、合格。それでかなりの安心と自信をつけ、3日はどこも受けず、4日に全てを懸けると意気込んでおりました。そして翌日第一志望の合格を勝ち取りました。
 サピックスには3年生からお世話になりました。中学受験はしたいと思っていましたが、3月末の早生まれなので難しいかな、と不安でした。スパイラル学習を重んじる所に魅力を感じ、入室しました。共働きで仕事も忙しく、なかなかサポートもできず、3年5月の確認テストは偏差値29・4。10月には一番下のクラス、偏差値25~47を行ったり来たりの日々でした。4年生になった頃に、学校の友達が通っている校舎に行きたいとのことで、そこに移りました。いくつかの学園祭に足を運び、生き物好きなので芝中の生物部にかなり魅力を感じたようで、芝中が第一志望になりました。本人の偏差値とは差がありましたので、他の手の届きそうな学校も複数見にいったのですが、本人は譲らず、芝第一志望のまま6年生を迎えました。
 サピックスオープンでは毎回合格可能性20%。偏差値もなかなか届きません。しかしながら塾はとにかく楽しく、いつも楽しそうに先生の話をしてくれました。
 12月位から「目的は芝中に入学することで、偏差値を上げることでも、クラスを上げることでもない」と割り切り、芝中の過去問に向き合い、類題を探して解き、その繰り返しを徹底しました。授業はもちろん大切にし、SS特訓に力を入れつつ、1月に入っても過去問と向き合っていました。
 本人はとにかく芝に合格するんだ、という圧倒的な強い気持ちがあり、全くブレなかったのですが、私はもうブレまくりで、もっと合格しやすい学校に変更したほうがいいのでは?と言ってみたり、同じことをサピックスの先生に相談したりもしました。先生からは、第一志望は変えない方がいい、じゃないとがんばれないですよ、と言われ、子供からも全く変える気はない、と言われる始末。愚公山を移す、その通りの結果となりました。子供から諦めないことの素晴らしさを改めて学んだ受験になりました。素晴らしい経験です。

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