受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2024年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 開成中学校

憧れは現実になる

Y.Tさん お子さんの名前 Hさん

 2月1日の朝、息子と妻と私は、肩を組んで円陣を作り、目を閉じました。
 「憧れるために行くのではなく、今日は入るために、行くぞ!」
 どこかで聞いたような言葉ですが、本当の思いでした。気合を込めて、本戦がスタートしました。
 そこまで、長く、起伏の激しい道のりでした。5年生で多くの学校を見に行き、息子なりに考えて、志望校を決めました。それを目指しても問題ないか、たびたび基準を設けて確認しました。息子は、その都度、基準をクリアしましたが、6年の夏明けにスランプが訪れました。その後必死に這い上がるのをサポートし、9〜10月のサピックスオープンで基準をクリアしたものの、11月から再び深刻なスランプが訪れました。本当にこのまま突き進ませて良いものか、非常に悩み、サピックスの先生に何度も相談させていただきました。先生から、息子のモチベーションは、トップ校を目指すことにあり、仲間と切磋琢磨することからブレていないと力強い助言をいただきました。親が動揺しないよう、息子のモチベーションを高めることに集中しました。大量の過去問や課題を前にして、息子には何をやめて何をやるかを考えさせて、親は息子の効率を高めるサポートを心掛けました。振り返れば本当に苦しかったと思いますが、あのスランプがあったから、息子は強く成長したのだと思います。
 実際に、入試日程が始まってからも、ジェットコースターに一緒に乗っているような気分でした。それでも動揺せずに対応できたのは、我々も成長させてもらったからだと思います。1月の2校をしっかりこなした後、冒頭に述べた2月1日を迎えました。本命の“一つ”の試験を終えて校舎から出てきた息子は、「面白かったよ」という感想を口にしました。私は本当に驚き、息子の成長を感じました。
 2月3日の発表の時には、息子の顔は不安に満ちていたと思います。息子にスマホを渡すと、震える指で結果を見ました。「あった」という息子の言葉と同時に、私のほうが涙声になり「おめでとう」。息子と妻と私でうれし泣きした、息子の憧れが現実になった瞬間でした。
 最後に、この受験を通して私が学んだことは、本人の主体性が何より重要で、親がすべきことは本人のモチベーションを高める、自信を持たせる、時間を無駄にさせないようサポートするということです。はるか昔に自分自身が受験生だった立場とは全く異なり、伴走者の立場、役割で最後まで一緒に全力疾走することが極めて重要だと改めて理解し、息子とともに、親として成長させてもらったことを実感しています。サピックスには、その時から今まで本当にたくさんの力強いサポートをいただき、感謝でいっぱいです。これから受験なさるみなさまも、ブレることなく本質を大切にしていただければ、きっと良い結果が得られると思います。ご健闘をお祈りします。

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